短納期・低コストでiPhone/iPad向け業務アプリのビジネスチャンスをつかむには

この記事を読むのに必要な時間:およそ 7 分

画像

iPhone/iPadが日本で販売され,早3年が経ちました。導入コストの低さや優れたインターフェース,モバイル性から近年では企業導入での場面も多くなってきました。

企業ユースにおける業務アプリケーションをiPhone/iPadで動作させるには,さまざまな学習コストが必要です。画面の大きさやユーザインターフェース,開発言語,既存リソースの移行…… PC向けアプリを実装するのとはまったく違った経験を要求されます。

そこで本レポートでは高速開発ツールと専用のプラットフォームを使った,短納期・低コストで実現するiPhone/iPad向け業務アプリケーションの開発メリットについてご紹介したいと思います。

新しいアプローチの発見

開発言語を使ってあらゆる機能を書くというは,開発者の醍醐味とするところです。とはいうものの,効率的な開発や顧客の細かなニーズへの素早い対応こそが,ビジネスの成功の秘訣です。

今回紹介する開発ツールは,とても豊富な機能があらかじめ実装されたツールであり,現在のビジネスに求められるiPhone,iPad,Windows,Mac,Web全てのプラットフォームをサポートします。また,インターフェース開発,ビジネスロジック開発,データマネジメント開発の3層が統合された構造なため,開発工程が大幅に縮められます。そして,優れた直感的なユーザインターフェースは,効率的で高速な開発作業を実現します。

さて,そのツールは,FileMakerが提供するFileMaker製品ラインです。日本語も含めた14言語をサポートし,世界の60カ国で利用されています。FileMakerは,IT市場の牽引者のAppleの100%出資を受けた子会社です。FileMaker製品ラインは,使いやすさと拡張性の高さが定評のリレーショナルデータベースソフトウェアとして,あらゆる業種のあらゆる業務に利用されており,世界で1600万本以上が出荷されています。

そのiPhone/iPad専用に開発され提供されているアプリが「FileMaker Go」です。FileMaker製品は,IT業界の草創期からの歴史をもった製品なので,ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。新たに誕生する技術や業界標準の技術を常に取り入れながら,着実な進化を遂げています。すでにFileMakerをご存知の方も,その進化した姿を本記事にて再検証してみてはいかがでしょうか?それでは,まず,FileMaker Goの特徴を簡単にチェックしてみましょう。

iPhone/iPad向け業務アプリケーションを開発&展開するための最も速い方法

iPhone/iPad向けにリリースされているFileMaker Go for iPhoneFileMaker Go for iPadでは,FileMaker Proで作成した業務アプリケーションをiOS上で動作させることができます。スクリプトやリレーションを組んだデータベースアプリケーションを,そのままiPhone/iPadで利用可能になります。タッチジェスチャやピンチ,ダブルタップといった操作にももちろん対応しています。iOSの操作感を,アプリケーション上に簡単に実現することが可能です。

画像

iPhone/iPad専用アプリFileMaker Goの特徴

FileMaker Proで作成,FileMaker Goで活用

専用のiOSビジネスソリューション作成&活用

  • 一覧,詳細,表形式など,多様なデータ表示
  • 見栄えのいいレイアウトを自在に作成
  • スクリプトや自動処理機能を活用可能
  • 充実のリレーショナルモデルとセキュリティ
  • SQLソースへの接続が可能
  • FileMaker Server を利用したセキュアな運用
  • ソリューションの機能拡張の自動更新

タッチ操作のための秀逸のインターフェース

  • iPhoneやiPadのインターフェースために設計されたコントロール&メニュー
  • ジェスチャのサポート:ピンチ,スワイプ,タップ,ダブルタップ

リモート接続,もしくはデータベースのコピー

  • サーバやデスクトップ上のFileMakerデータベースにリモート接続が可能
  • FileMakerデータベースをEメールで転送,WebやFTPで配布,またはiTunesでコピー

リモート接続して,ネットワーク共有利用

FileMaker GoはFileMaker Proのクライアント版として動作します。レイアウトやスクリプトの変更や作成といった設計変更はFileMaker Proで行います。WindowsやMacの業務アプリケーションをこれまでFileMaker Proで開発してきた要領で,iOS向けアプリケーションを開発するスタイルとなります。

また,SQL Sever,Oracle,MySQLなどのSQLデータベースとライブ接続が可能ですので,既存のSQLベースのアプリケーション向けにiPhone/iPadサポート機能を追加することもできます。

画像

ほかのiOSアプリケーションとも連携を取れるようにさまざまな機能が用意されています。たとえばバーコードリーダーでデータを読み取り,特定のスキーマを使用することでFileMaker Goにそのデータを渡し,FileMakerで別の処理を行うといったことも可能です。

AirPrintを使い,これまで利用してきた定型の帳票類を紙に印刷したり,PDFにすることができます。A4やB5など,これまで利用してきたサイズとレイアウトを変更すすことなく行えます。たとえば,外出先でFileMaker Goで見積書を作成してそのまま印刷したり,PDFを作成してメールに添付して送信することをiPhoneやiPad上で実現して,ビジネスを効率化できます。iPhone/iPadの優れたユーザエクスペリエンスを,業務アプリケーション上で活用できるようになるのです。

セキュアな FileMaker Sever による運用

作成したアプリケーションはFileMaker Serverに公開してWiFiや3G回線経由で利用が,可能です。

この場合,データは全てサーバにありますし,サーバのセキュリティ設定がこれまでのように利用できます。VPNを利用したアクセスも可能です。また,FileMaker Sever側でチェックボックスにチェックを入れるだけ,FileMaker Goとのデータ転送にSSLを利用もできるようになりますので,安全な運用が可能になります。

さらに,アクセス権設定によるアカウント管理により,フィールド,レコード,ファイル,スクリプトなどに対してのアクセス権管理が可能で,利用するユーザのアカウントごとのソリューションの機能制限が可能です。ソリューションの機能拡張もFileMaker Server側で一度実施するだけで,自動的にすべての利用者がすぐに利用できるようになりますので,ビジネスの進歩に合わせた機能追加が柔軟に,短時間で,しかも安全に行えます。

図1 FileMaker Serverにファイルをホストし,FileMaker Pro/FileMaker Goで利用

図1 FileMaker Serverにファイルをホストし,FileMaker Pro/FileMaker Goで利用

図2 外部ネットワークや,VPNネットワーク越しでの利用も可能

図2 外部ネットワークや,VPNネットワーク越しでの利用も可能

Phone/iPadにコピーして活用

iPhoneやiPadにファイルをコピーして,スタンドアロンで動作させるといったこともできます。何らかの事情でネットワークが利用できない場所でも利用できます。たとえば,訪問営業先でネットワークの確保が不安な場合は,電子カタログや接客ツールをスタンドアロンで利用する方法が可能です。

図3 iTunes経由かメールに添付して,FileMakerファイルをiOSデバイスにコピー

図3 iTunes経由かメールに添付して,FileMakerファイルをiOSデバイスにコピー

ここまで手短に説明しましたが,FileMaker Goの詳しい概要や新機能,ホワイトペーパーなどは,下記を参照すると良いでしょう。

デモムービーFileMaker Go for IT
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_GO_IT.html
FileMaker Go概要
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_GO_OV.html
FileMaker Go新機能
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_GO_NF.html
ホワイトペーパー(PDF)iPadおよびiPhone向け高速開発に革新的オプション
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_GO_WP.html

FileMaker Goを使ったモバイル業務アプリを開発する際には,以下の無料キットで使い方を学ぶのも良いでしょう。

iOSデプロイメントキット
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_IOS.html
テクニカルリソースキット
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_TRK.html

また,FileMaker社が提供するコミュニティ「FileMaker TechNet」や,ユーザ事例や開発方法を直に学ぶことができる「FileMaker カンファレンス 2011 」など,実際にユーザの生の声や情報を収集する機会もあります。詳しくは記事の後半でも説明しますが,これらで情報を収集するのも良いでしょう。

FileMaker TechNet
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_TN.html
FileMaker カンファレンス 2011
URL:http://www.filemaker.co.jp/link/GHY_CON.html

著者プロフィール

富田宏昭(とみだひろあき)

株式会社キクミミでFileMaker/SQLiteを使ったWebアプリ開発に従事しながら,オープンソースソフトウェアのハウツー記事執筆を行う。趣味は横乗り系スポーツ,美術館めぐり,高速ジャンクション鑑賞。

バックナンバー

データベース

コメント

コメントの記入