Eclipse RAPアプリケーションの開発
Eclipseの準備
Eclipse RAPのアプリケーション開発には,もちろんEclipseを使います。開発を行うには,Eclipseのプラグインを開発するための環境となるPDE (Plugin Development Environment)がインストールされている必要があります。PDEは次のパッケージに含まれています。
- Eclipse IDE for Java EE Developers
- Eclipse for RCP/Plug-in Developers
- Eclipse Classic 3.4
今回はEclipse 3.4を対象とし,上記のいずれかのパッケージを使用することにします。
Eclipse RAPの入手と設定
ダウンロード
先ほどのEclipseのパッケージに加え,別途Eclipse RAPのアーカイブを入手します。
にWebブラウザでアクセスし,「Target Platform」という欄にある「1.1 Release」のアーカイブファイルをダウンロードします。任意の場所に解凍・展開すると,eclipseというディレクトリができます。くれぐれも,すでにインストールされているEclipse IDEに上書きしないでください。
プラグインのインストール
Eclipse 3.4を起動したら,Eclipse RAPアプリケーションを開発するためのプラグインをインストールします。このプラグインはUpdate Siteによる配布が行われていますので,インストールは次の手順で簡単に行えます(図1)。
- ①[Help]メニューから[Software Updates]メニューを選択し,Software Updates and Add-onsダイアログを表示させる
- ②[Available Software]を選択にして[Add Site]ボタンを押下する
- ③[Location]フィールドに次のURLを入力する
[OK]ボタンを押下するとUpdate Siteにアクセスし,検索結果として[Rich Ajax Platform SDK (RAP)]が選択できるようになります(執筆時点のバージョンは1.1.0.20080613-1119)。これにチェックを入れ,[Install]ボタンで進みます。あとはライセンスの同意とインストール内容の確認をし,プラグインのインストールを完了します(図2)。
Eclipseの再起動後,Eclipse RAPアプリケーションを開発するために,展開しておいたEclipse RAPのTarget Platformを使えるようにします。
- ①Eclipseのメニューから[Eclipse] -> [Preferences]を選択し,設定ダイアログを開く
- ②左の欄にある[Plug-in Development]項目中の[Target Platform]を選択する
- ③右上にある[Browse]ボタンを押下して,先ほど展開したeclipseディレクトリを選択する
すると,Plug-insのリストでEclipse RAPアプリケーションの開発や実行に必要となるプラグインが一覧表示されます。この中にはjavax.servletなども含まれていますので,Ajaxに対応した環境となっていることがわかります。すべてのプラグインにチェックが入っていることを確認し,[OK]ボタンを押下します(図3)。
Eclipse RAPプロジェクトの作成
開発環境が整ったところで,いよいよサンプルアプリケーションの開発を行いましょう。
まずはプロジェクトを作成します。先ほどインストールしたRAP SDKプラグインによって,Eclipse RAPアプリケーションのひな形がいくつかインストールされています。今回はその中から「RAP Application with a View」というひな形を元にプロジェクトを作成します。
- ①Eclipseの[File] -> [New] -> [Project]を選択し,新規プロジェクト作成ウィザードを開く
- ②「Plug-in Project」を選択し,[Next]ボタンを押下する
- ③「Project name」欄にプロジェクト名を入力して[Next]ボタンを押下する。ここではプロジェクト名を「rap-sample」としておく
- ④「Rich Client Application」のYes/Noの選択が「No」であることを確認し,[Next]ボタンを押下する。ここでプロジェクトのテンプレートが選べ,その中には先ほど紹介した「RAP Application with a View」が出てきているのでそれを選択して[Finish]ボタンを押下する
Eclipse RAPアプリケーションの実行
テンプレートをもとにして作成したプロジェクトは,そのまますぐに実行できます。作成したプロジェクトに含まれるplugin.xmlファイルをPackage Explorerビューからダブルクリックすると,プラグインマニフェストエディタで開かれます。その中の右下にある「Launch a RAP Application」というリンクをクリックすると,自動的にJettyが起動し,さらにWebブラウザが開いて図4のようにアプリケーションが表示されます。
Webブラウザ内に表示されたウィンドウは,タイトルバーをドラッグして移動することや,ウィンドウの大きさを変更したり最大化したりといった基本的な動作が可能になっています。さらには[File]メニューやクライアント領域にあるリストなど,まるでEclipseがWebブラウザ内で動作しているように見えます。
WebブラウザとしてFirefoxをご利用の方は,ぜひfirebug拡張プラグインをFirefoxにインストールしてAjax通信を覗いてみてください。ウィンドウの最大化や[File]メニューの選択,リスト内の項目選択などの際に,毎回しっかりサーバに非同期通信が行われているのが見て取れると思います。一切JavaScriptのコードを書かずにここまで実現できるのは非常に魅力的です。

