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"サービスの成功にコミットする"ために自社開発したフランジアのCI/CD―エンジニアたちが賛同して自ら開発に名乗りを上げて生まれたツール

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フランジアでは,お客様から依頼を受けた開発だけでなく「サービスそのものの成功」にコミットする姿勢を大切にしています。お客様のプロジェクトを成功させたいという思いからCI/CDContinuous Integration/Continuous Deliveryの導入を提案してきましたが,コスト面で諦めるお客様が少なくありませんでした。であれば無料で使えるCI/CDを作ろう。そして,それを改良し続けることでお客様にCI/CDが必要だということを体感してもらいたい。そんな思いにエンジニアたちが賛同し,自ら開発に名乗りを上げて生まれたツールです。

フランジアは,2012年にオフショア開発会社として創業,現在は日本とベトナムをはじめ6ヵ国,1,000名体制で活動しているITプロフェッショナルチームです。社員の8割がエンジニアで,システム・UI/UX設計・デザイン・インフラ構築を含むプロダクト開発やスタートアップのアクセラレートプログラム,テクノロジ人材の育成をおもな事業として展開しています。

フランジアは,2012年にオフショア開発会社として創業,現在は日本とベトナムをはじめ6ヵ国,1,000名体制で活動しているITプロフェッショナルチームです。社員の8割がエンジニアで,システム・UI/UX設計・デザイン・インフラ構築を含むプロダクト開発やスタートアップのアクセラレートプログラム,テクノロジ人材の育成をおもな事業として展開しています。

Framgia CI/CDツールとは?

フランジアでは,これまで150社,200を超えるサービスの開発を支援してきましたが,現在,約9割のプロジェクトでこのCI/CDツールが活用されています。最新版のFramgia CI/CDは,オープンソースのCIツールであるDroneをDockerと組み合わせて構築されており,商用のCI/CDツールとほぼ同様に,コーディング規約のチェックや単体テスト・インテグレーションテストなどの自動テスト機能が実装されています図1)⁠また,静的なソースコード解析のオープンソースライブラリをプロジェクトに導入することも簡単です。

図1 Framgia CI/CDのアーキテクチャ

図1 Framgia CI/CDのアーキテクチャ

表1 Framgia CI/CDの機能

機能内容
Framgia-CI CLIコマンドラインツールとしてDocker内にインストール
Docker の拡張設定管理とFramgia CIレポートと連携
Framgia CI
Reports
テストのレポート・実行したログを管理するWebアプリケーション
GitHub CommentDockerのプラグイン
レポート分析,GitHubへコメント付き

コストの削減と品質の向上を実現

このCI/CDツールを導入したことで,コーディングチェックなどにかかっていた人的コストがほぼゼロになりました。コーディング規約・ライブラリで定義したルールに違反する箇所があるとGitHub のPull Requestに表示されるため,Pull Requestの作成者も確認と修正が容易にできます。

これにより,Pull Requestに対する単体テストの実行結果はもちろん,お客様やプロジェクトマネージャーがソースコードの単体テストのカバレッジをレポート画面で簡単に確認でき,常にソースコードの品質を一目で把握できるようになりました図2,図3)⁠

図2 CIの実施結果をWebで確認できる

図2 CIの実施結果をWebで確認できる

図3 Pull Request単位のビルドの結果画面

図3 Pull Request単位のビルドの結果画面

Framgia CI/CDツールが生まれた背景

CI/CDツールを独自に構築した背景には,内的な要因と外的な要因の2つがあります。

社内の教育プログラムを効率化したい

内的な要因のおもなものは,新人教育の効率化とコスト削減です。フランジアは,ベトナムのハノイ工科大学をはじめ,理工系トップクラスの大学と提携して毎年1,000人近くのエンジニアを育成しているため,新卒エンジニアの割合が多い会社です。

新卒でフランジアの正社員になるためには,インターンの教育プログラムに参加し,実践で模擬プロジェクトを完成させます。コーチがきっちりコーディング規約をチェックするため,新人のメンバーが増えるにつれて効率化が求められるようになりました。当初は商用のCI/CDツールを検討しましたが,1,000人規模の組織ではコストもかかります。

CI/CDの導入を躊躇されるお客様に無償で提供したいという声にエンジニアたちが賛同

外的な要因については,Framgia CI/CDを構築するまでは,お客様自身でCIを導入いただいており,お客様によってCI/CDツールが異なっていました。また,商用だとコストを理由に導入を躊躇(ちゅうちょ)されるお客様もいました。自社で開発すればお客様に無償で提供できるだけでなく,組織全体の品質向上にもつながります。であれば無料で使えるCIを作ろう。そして,それを改良し続けることでお客様にCI/CDが必要だということを体感していただきたいとの思いに,エンジニアたちが賛同しました。フランジアには,自分たちで作る,と決めたら,エンジニアたちが自ら開発に名乗りを上げ,立候補をどんどん登用する文化があります。Framgia CI/CDは,このような想いから生まれたツールでもあります。

著者プロフィール

Vu Xuan Dung(ヴ ソアン ズン)

2002年ハノイ工科大学を中退し,文部科学省奨学金で日本へ留学。2008年東北大学工学部情報工学科卒。富士通,FXシステム開発会社を経てフランジアに入社。創業当初のメンバーで,エンジニア,ブリッジエンジニアを経験し,現在はソフトウェア開発事業部のマネージャとして,200人のエンジニアチームを牽引しながら社内全般の技術をアドバイスしている。

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