Gitに潜む光と闇

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Gitという大海原を攻略するには

Gitは,大海原だ。最初に利用したときにそう思いました。この大海原を攻略するために書いた拙書が「Gitポケットリファレンス」です。Gitが難しいと思っている読者でも「Gitという大海原の海流の流れ」をきちんと掴(つか)んでもらえるように,書籍ではチートシート図2や第1章の導入分でGitを利用したワークフローの解説をしています。

図2 チートシート

図2 チートシート


筆者は,大手SIerで開発環境の標準化も行っていた経歴を持っており,前述のような解説は全社でGitを使ってもらうにはどうしたら良いか,という観点で記述しました。また,業務での開発ではWindows PCが多数を占めることから,WindowsへのGitのインストール方法も丁寧に解説しています。OSを決めるのは開発者やユーザなのだから,利用者に合わせた解説をすることは重要だと思っています。

リファレンス部では,各コマンドごとに主要な機能を丁寧に解説し,エラーが発生したときの対処方法も記載しました。たとえば,冒頭で紹介したgit pushのエラーの対処方法は図3のように記載されています。

図3 エラーメッセージとその対処法

図3 エラーメッセージとその対処法

第3章ではALMinium/Gitoliteを利用したリポジトリ運用の話や,フックの話,GitHubの紹介などを行っています。フックは,フックスクリプトの実行タイミングが若干わかりにくいですが,フローを使ってわかりやすく解説するように心がけました。

図4 push実行時の処理の流れ

図4 push実行時の処理の流れ

図4は,pushが実行されたときに,サーバ側でブランチごとにupdateスクリプトが最初に実行され,次にpost-receiveスクリプトが,最後にpost-updateスクリプトが実行されることを示しています。書籍では各スクリプトの詳細な使い方の説明も記載していますが,ここでは省略します。

とあるGitの(以下自主規制)

Gitは,ファンタジー系のゲームで出てくる魔道士のように,使っていくうちにどんどん新しい呪文(コマンド)を覚えて学習していき,高度な使い方ができるようになります。そこで,表紙のデザインはデザイナの方に魔道書っぽくしてもらいました。個人的には非常に気に入っており,Gitポケットリファレンスが好評価を受ける因果の1つとなっていると信じて疑わないものですが,Amazonの書評やTwitterでのつぶやきを読む限り,女性の読者が皆無なので「ヲタ向けだったか」と若干後悔しています。

また,ポケットリファレンスシリーズということもあり,手元において利用することを前提とするべく,クオリティを落とさないようにページ数を抑えるように努力しました。コンパクトなのでポケットに入れて持ち運ぶことも可能です。

写真 ポケットに入れてポケットリファレンス

写真 ポケットに入れてポケットリファレンス

Gitポケットリファレンスの「はじめに」は,最初はまじめに書いていましたが,内容がまじめなので少しくらいは遊び心を入れたいと思い,ちょっと趣向を凝らしてみました。この「はじめに」では,⁠Gitは難しくて便利である」というのを一言で「ツンデレ」と評して論じています。Gitポケットリファレンスを購入するつもりがない方も,立ち読みでかまいませんので,⁠はじめに」だけは読んでみてください。

ポケットリファレンスシリーズ
『Git ポケットリファレンス』

画像

著者:岡本隆史,武田健太郎,相良幸範
ISBN:978-4-7741-5184-7
版型:四六版/272ページ
定価:2,604円(本体2,480円

著者プロフィール

岡本隆史(おかもとたかし)

プロジェクト管理にデスノートカレンダーを導入したのをきっかけに,エルシャダジャイル,宇宙戦艦スプリント,プロジェクト日記など,名伏しがたいアジャイルのようなプラクティスの開発にいそしんでいる。最近はGitによる開発プロセスの改善に取り組む。全体の監修と第3章の執筆を主に担当。

コメント

  • Gitについて

    Windows使いにやさしいGitの解説って、たしかにありませんよね。私は、仲間内で使う為にこんなの書いてみました。

    http://www.plowman.co.jp/school/Git/Git.html

    ご覧いただければ幸いです。

    Commented : #1  kkoba (2012/09/13, 13:43)

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