Hudsonを使ったアジャイルな開発入門

第1回 Hudsonの導入

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Hudsonのインストール

さて,前置きはこのくらいにして,まずはHudsonをインストールしてみましょう。https://hudson.dev.java.net/を訪れ,ダウンロードアイコンをクリックし,⁠releases」フォルダを選びます(迷った人は直リンクをどうぞ⁠⁠。一番新しいバージョンを選べば,hudson.warファイルのダウンロードが始まるはずです。ダウンロードが完了したらこのファイルを適当なディレクトリに移動して,コマンドプロンプトから次のコマンドを実行してください。

$ java -jar hudson.war

hudson.warには小さなサーブレットエンジンが同梱されており,このように実行するとこのサーブレットエンジンを利用してHudsonが起動します。ひとしきり画面に何か表示された後で最後に「Winstone Servlet Engine v0.XX.YY running」と表示されたらHudsonが正常に開始されています。ブラウザを開きhttp://localhost:8080/と入力すれば, Hudsonの初期画面が表示されるはずです。

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「- -help」オプションを付けて実行すると利用可能なコマンドラインオプションが表示されます。HTTPポートを8080から変更する必要がある場合などに便利です。もちろん,Hudsonは拡張子の示すようにウェブアプリケーションなので,サーブレットコンテナ上に配備しても利用できます。全うなサーブレットコンテナには,バックグラウンドでデーモンとして動作する機能がついているので,Hudsonを常時稼働させておくには便利です。最初のうちは「java -jar hudson.war」で実験し,気に入って常時稼働の体制に入ったら,Glassfishなど本物のサーブレットコンテナ上に移すのがよいでしょう。この際,データの移行処理などは一切必要ありません。

また,見てのとおりHudsonは日本語を話すコミッタの手により,日本語化がされています(実際には,日本語の含む7ヵ国語で利用できます⁠⁠。一つのパッケージに全ての言語が収録されているので,いわゆる「本家」vs「日本語版」といった区別はなく,各言語間のリリースの時間差がありません。現時点では,有償・オープンソースを問わず,日本語化されているCIツールはHudsonだけのようです。英語ではなく日本語のUIを備えることで,日本の開発者の方々にもとっつきやすくなっていると思います。

初めてのビルド

Hudsonでは,1つのサーバ上で複数のプロジェクト(=ジョブ)をビルドすることができます。昔から「論よりrun」といいますから,まず,画面の指示のとおり初めてのジョブを作成して早速ビルドに取り掛かりましょう!

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適当な名前でフリースタイル・プロジェクトを作成しましょう。Mavenのヘビーユーザーを除けば,このジョブタイプを一番頻繁に利用することになるはずです。OKを押すとプロジェクトが作成され設定画面へジャンプします。

本格的な設定は次回に譲り,今回は軽く足慣らしをしましょう。⁠ビルド手順の追加」からWindowsのユーザーは「Windowsバッチコマンドの実行」を,UNIXのユーザーは「シェルの実行」を選びます。表れたテキスト領域に「echo できた」と入力します。これで,ビルドのたびに「できた」と表示されるプロジェクトができあがりました。

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この設定を保存したら,左のアクションリストから「ビルド実行」をクリックします。しばらく待って,左に新しいビルド履歴が表示されれば全てが順調です。新しく表示されたビルド履歴をクリックして,画面出力を確認してください。何度もビルドしてみて結果が蓄積されるのを試してみてください。

おめでとうございます!これであなたもHudsonユーザーです。

システム設定

今回の仕上げに,Hudsonのシステム設定を確認しましょう。Hudsonのトップページに戻り,⁠Hudsonの管理」を選びます。ここから「システムの設定」を選ぶと,先程の設定画面と似た画面構成の,システム設定ページが表示されたはずです。設定項目をざっと見渡して,設定の必要があれば設定をしてください。画面右側のアイコンをクリックすると,設定項目に関する詳細な説明が表示されるはずです。このインラインヘルプもHudsonの売りの一つです。

ビルドしたいプロジェクトの種類によっては,特定のバージョン以降のJDKやAntなどが必要になる場合があるでしょう。逆に,あるバージョンのJDKとの互換性を保つために古いJDKでビルドをしたい,という場合もあるでしょう。このようなケースのために複数のJDKやAntをコンピュータにインストールしてある場合には,この設定画面で各バージョンの場所を指定します。何も指定されていない場合は,PATHの通った場所に置かれているjavaやant実行ファイルが使われます。

また,電子メールによるビルド結果通知を利用するためには,メールサーバの設定も必要になります。この設定は環境依存ですが,メールのテスト送信機能がついているので試してみてください。

終わりに

Hudsonの紹介と,インストールの手順について解説しました。次回はフリースタイル・プロジェクトについてより詳しく見ていきます。

著者プロフィール

川口耕介(かわぐちこうすけ)

Sun Microsystems, Inc.のシニアスタッフエンジニア。主としてXMLとのそのスキーマ言語関係の仕事をし,JAXB, JAXP, JAX-WSなどの仕様策定・実装に携わった。仕事の他にも,主にjava.netに多数の趣味のプロジェクトをホストしている。Hudsonは趣味のプロジェクトとして開始したが,今では本業の一部。米国カリフォルニア州在住。

URLhttp://www.kohsuke.org/