Google Earthのコンテンツでリッチな表現を

第1回 KMLの基本と,現時点で実現できる機能

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

今回の連載で取り上げる機能のプレビューを見てみる

それでは,基本体系の次に,今回の連載で取り上げる機能について,プレビューを見てみることとしましょう。とくに華やかな部分に厳選して見ていきます。

フォルダ管理(アイコン整理,カスタマイズ)

図2 フォルダのカスタマイズ

図2 フォルダのカスタマイズ

図2は,いくつかのパターンのカスタムフォルダを設定した様子が上記のスクリーンショットです。フォルダそのもののアイコンを変更するだけでなく,更新中のアニメーションの変更や,プレイスマークの中身もきれいにカスタマイズすることが可能です。こういった見栄えを整えるだけで,コンテンツが味のあるものに仕上がります。

リージョン管理

図3 上下方向にリージョン設定

図3 上下方向にリージョン設定

図3は,わかりにくいかもしれませんが,上下方向にリージョンを設定した例です。ある程度の高さまでおりると,プレイスマークが表示され,ある程度の高さまで上るとプレイスマークが非表示になります。このパターンの使い方は,Google Earthのレイヤも用いられているきわめてポピュラーな利用例で,整理された状態でプレイスマークの表示をコントロールすることができます。

オーバーレイ

図4 魚釣島にオーバーレイをかぶせてみた

図4 魚釣島にオーバーレイをかぶせてみた

きわめて単純なオーバーレイの作成例が図4です。図の魚釣島はいろいろと話題の絶えない島ですが,Google Earth上では高解像度画像とはなっておりません。そこで,国土数値情報(空中写真データ⁠⁠ 国土交通省より切り出したデータでこのように実にきれいで鮮明な魚釣島の姿を再現することができます。

ツアー

図5 地下鉄副都心線のツアーを実行中

図5 地下鉄副都心線のツアーを実行中

ツアーは,Google Earth初期の頃から存在している,ポイントからポイントへ,またパスで引いた線をたどっていく機能です。図5は,開通したばかりの地下鉄13号線こと副都心線の各駅をパスで接続し,ツアーを実行中の画面です。ビューの角度を限りなく水平に近づければ,まるで電車に乗っているかのような風景を実現できます。

タイムスケール

図6 米国でのUFO目撃地点1944年~2005年

図6 米国でのUFO目撃地点1944年~2005年

タイムスケール機能は実に面白い機能で,アニメーション的使い方もできれば,膨大なデータを時系列で整理したり,はたまた,時間経過での推移を表現するのに最も最適な機能です。また,KMLの中でも比較的簡単に実現できる機能ですので,プレゼンテーションなどで役立てることができるでしょう。

図6は,Google Earth Community BBSにて投稿されたものです。

グラフ

図7 出生率のデータをポリゴンでグラフ化

図7 出生率のデータをポリゴンでグラフ化

まさに,みたままそのまま,Google Earthでグラフを実現することも可能です。図7は,厚生省で公開されている出世率に関する数値データをもとに,出生率の高さと,ポリゴンの高さをリンクさせたものです。色は出生率を10分割して低いほど赤く,高いほど青く表現するよう,割り当てています。

各機能の使いどころ

上記に挙げた各機能の使いどころは,ほぼ決まっています。今回取り上げる機能のうち,フォルダ管理に関するもの以外は,用途が特定されていますので,あとは"どのように組み合わせて利用するのか?"アイデア次第となります。

一つひとつの機能の使いどころは,以下のようなシーンとなるでしょう。

リージョン管理
  • 大量のデータを一度に表示することを避けて,マシンパワーの節約
  • エリアごとに見せることで,整理してコンテンツを表示
  • オーバーレイ機能と併用することで,高度によって精度の違うオーバーレイを見せる
オーバーレイ
  • 全く違う地図データを重ね合わせることで,より充実した地理データを作れる
  • 凡例データを用いて,現在のビューの説明
  • 写真の管理(アルバム的利用)
  • 360°パノラマ空間を実現
ツアー
  • 列車の経路をトレースして,リアリティあふれる風景を見せる
  • 3Dモデルデータを様々な視点から見せる(CAMERAタグを利用)
タイムスケール
  • GPSログデータのトレース作業
  • アニメーションの実現(有名なのは,ロンドンアイのモデルデータのアニメ)
  • 大量のプレイスマークを利用した推移をビジュアルに表現
  • グラフデータとの併用で,時間の推移とともに動的にグラフの変動も見せる
グラフ
  • 数値データ,とりわけ統計データをビジュアルに見せる
  • Google Charts APIを利用して,地理の教科書として利用

以上がKMLの基礎知識です。次回より,KMLの記述方法を交えて,これら紹介した機能を紹介していきます。これらテクニックをものにして,おもしろいコンテンツをひとつでも多く作っていただければ幸いです。

著者プロフィール

郡司裕之(ぐんじひろゆき)

Google Earthを主に取り扱っているウェブサイト「GE Maniacs」の管理人。過去に2冊のGoogle Earthに関する書籍を執筆。一つはGoogle Earth全般の操作に関する書籍,もう一つはKML / COM APIのKMLに関する書籍のKML部分を担当。

無類の地図好きで,夢のツールGoogle Earthを普通に使うに飽きたらず,道具として,また新しい技術習得の土台としての利用を試みている毎日。

URLhttp://virtual.haru.gs/