Google Earthのコンテンツでリッチな表現を

第4回 コンテンツが映える3つの技

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Google Earthは,基本的にはビューアとしての特徴を持っているソフトウェアであるため,プログラミングで,ユーザのアクション毎に細かな動作を制御することはできません。ですが,それらを補足的に実現することのできる機能がいくつか備わっています。それらの機能を利用することで,通常のコンテンツよりも,もっと華やかなコンテンツに仕上げることが可能です。

今回は,アイデア次第で,プレゼンテーションツールとしても活用できる,いくつかの機能と利用方法を紹介します。

なお,今回の説明するサンプルのコードを以下に用意しました。

ツアーモードを極める

ツアーモードはもっとも初期から備わっている,Google Earthの観光地巡りではよく利用される機能です。単純にプレイスマークからプレイスマークへのジャンプ,パスをたどっていくルートツアーなどは,Google Earth上でも簡単に作成することができます。ですが,より華やかに表現するためにはいくつかの機能と併用することで,一風変わったツアーモードを実現することが可能となっています。その代表的なものが,視点の変更です。視点の変更で用いるタグは,<Camera>タグで,これをプレイスマークなどに適用するわけです。ただし,通常用いられる<Lookat>タグとは同時に使用ができませんので,<Lookat>の代用として利用します。まずは,どんなことが可能なのかを,文章ではなく画像で見てみることにしましょう。次の画像をご覧ください。

図1 レインボーブリッジをとんでもない方向から見る

図1 レインボーブリッジをとんでもない方向から見る

これが,<Camera>タグの威力です。通常の<Lookat>ではこういった視点の設定が不可能ですが,例えば,ビルを真下から見上げたり,トリッキーな角度から見るといったことが,<camera>タグでは可能になります。これらを,プレイスマークなどに設定をしておくわけです。それでは,ソースを見てみましょう。

<name>レインボーブリッジ</name>
  <Placemark>
    <name>レインボーブリッジ</name>
    <Camera>
      <longitude>139.760150701</longitude>
      <latitude>35.63813005600002</latitude>
        <altitude>2.599999999375217</altitude>
      <heading>129.649999999999</heading>
      <tilt>107</tilt>
      <roll>140</roll>
    </Camera>
    <Point>
      <coordinates>139.8178044109547,35.59926592241903,0</coordinates>
    </Point>
  </Placemark>

非常に簡単な事例ですので,タグも非常にシンプルです。通常のプレイスマークとの違う点は,<Lookat>がなく,代わりに<Camera>があるだけです。この<Camera>タグでのポイントとなる点は,<tilt>と<roll>でしょう。この2つのタグの効果は次の通りです。

タグ 効果 数値の範囲
<tilt> 視点の傾け 0°~180°
<roll> 視点先の回転角度 -180°~180°

まず,<tilt>は,これがビルを見上げたりするために使うもので,90°以上で徐々に上を向くようになります。対象物に対して,様々な角度,そしてポイントから見上げるように設定をひとつひとつ用意してあげることで,利用者に対して,利用者に一定の角度で見てもらうことが可能になります。

そして,<roll>は,自由気ままな回転設定をほどこしてくれるもので,180°で真っ逆さま(つまり,地表が上にきます)な角度設定が可能になります。おもに使いどころとしては,空中に設置したモデルデータの閲覧などに最適なものといえるでしょう。

さて,ツアーを組む場合に問題となるのは"順番"です。これはフォルダに入っているコンテンツを上から順番に実行していくため,そのようにコンテンツを配置する必要性があります。プレイスマークの表示が邪魔に感じる場合には,アイコンを無設定にしたものにCamera設定を施したプレイスマークを次々と設置します。多数ファイルがある場合には,利便性を考慮してフォルダコンテンツを隠した状態にした上で,ツアー実行させることができます。ただし,現時点では,ツアーの実行は各クライアントのツアー速度設定にしたがって実行されるため,ゆっくりツアーを実行してもらいたい場合には,ツアー実行速度を遅めにしてもらえるようにしてもらわなければならない弱点があります。KMLではツアーの挙動をコントロールはできないのです。

しかし,これらCamera視点,そしてモデルデータを含めたコンテンツはGoogle Earthのまたひとつ違った魅力を提供してくれるものですので,お手持ちのコンテンツに是非加えてみてください。

著者プロフィール

郡司裕之(ぐんじひろゆき)

Google Earthを主に取り扱っているウェブサイト「GE Maniacs」の管理人。過去に2冊のGoogle Earthに関する書籍を執筆。一つはGoogle Earth全般の操作に関する書籍,もう一つはKML / COM APIのKMLに関する書籍のKML部分を担当。

無類の地図好きで,夢のツールGoogle Earthを普通に使うに飽きたらず,道具として,また新しい技術習得の土台としての利用を試みている毎日。

URLhttp://virtual.haru.gs/

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