組み合わせテストをオールペア法でスピーディに!

第2回 PICTの基本的な使い方

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

パラメータの組み合わせにPICTを使う

各パラメータは限られた数の値を持っています。それぞれの値はその種別(OSのエデションなど)⁠あるいは数値(RAM容量など)によって決定します。リスト1に一例を示します。

リスト1 組み合わせテストのパラメータと値の例

Vista Edition:  Ultimate, Business, Home Premium, Home Basic
RAM:	   	0.5G, 1G, 1.5G, 2G
GRAM:	   	64M, 128M, 256M, 512M
HD:		20G, 30G, 50G, 100G
CPU:	   	0.8G, 1G, 1.5G, 2G
Browser:	IE, Firefox, Opera, Safari

この例では4096通りの組み合わせがあり,すべてをテストするには膨大なテスト時間が必要となります。

これまでのソフトウェアテストに関する研究から,任意の2つのパラメータについて,すべての組み合わせを網羅することで,テスト漏れの可能性を最小限に抑えながら,組み合わせの数を大幅に減らすことができることがわかっています。この例で,PICTはオールペア法を用いて25通りの組み合わせを生成します。PICTを使用することで4096通りから25通りへ,およそ164分の1に組み合わせを削減することができます。

PICTを実行する

PICTは,組み合わせ生成条件が書かれた,フォント属性指定などがないプレーンなテキストファイルを読み込んで,ワンセットのテストケースを出力します。PICTを実行するにはコマンドプロンプトを起動する必要があります。コマンドプロンプトはWindowsのスタートメニューから,⁠すべてのプログラム」⁠⁠アクセサリ」⁠⁠コマンドプロンプト」を選択することで起動できます。

コマンドプロンプトが起動できたら,まずカレントディレクトリを確認してください。カレントディレクトリは点滅するカーソルの左側に表示されています。カレントディレクトリに,リスト1の内容を記述したテキストファイル(モデルファイルといいます)を作成します。ファイルの名前は何でもよいのですが,ここではa.txtとします。図1のようにコマンドを入力し,Enterキーを押します。

図1 リスト1のモデルファイルを元にPICTを実行

pict a.txt

モデルファイルの内容に誤りがなければ,コマンドプロンプトのウィンドウに図2に示す25通りの組み合わせが表示されます。

図2 図1のコマンドを実行した結果(コマンドプロンプト画面表示)

Vista Edition	RAM	GRAM	HD	CPU	Browser
Home Premium	0.5G	128M	50G	2G	IE
Business	1.5G	64G	20G	1.5G	Firefox
Business	2G	512M	30G	1G	Opera
Ultimate	1G	256M	20G	0.8G	Safari
Home Basic	2G	256M	100G	1.5G	IE
Home Premium	0.5G	64G	100G	1G	Safari
Home Premium	1.5G	256M	30G	0.8G	Opera
Home Basic	1G	64G	50G	0.8G	IE
Ultimate	1G	512M	100G	2G	Opera
Ultimate	1G	128M	30G	1G	IE
Ultimate	2G	256M	50G	2G	Firefox
Home Premium	1G	512M	30G	1.5G	Firefox
Home Premium	2G	128M	20G	0.8G	Safari
Home Basic	1.5G	512M	20G	2G	Safari
Home Basic	0.5G	128M	20G	1G	Opera
Ultimate	1.5G	128M	20G	1.5G	IE
Business	0.5G	64G	30G	2G	Safari
Business	0.5G	128M	100G	0.8G	Firefox
Ultimate	0.5G	64G	50G	1.5G	Opera
Business	2G	64G	50G	1G	Firefox
Business	1.5G	256M	50G	1G	Safari
Home Basic	0.5G	256M	30G	1.5G	Safari
Home Basic	0.5G	512M	100G	0.8G	Firefox
Business	1G	512M	50G	0.8G	IE
Business	1.5G	256M	100G	1G	Safari

ここでは最も簡単な使い方を示しました。モデルファイルの内容をいろいろ変更して実行し,どのような結果になるか調べてみてください。オールペア法が持ついくつかの性質に気づくかもしれません。

さて,このままでは生成された組み合わせは画面上に表示されるだけです。組み合わせをファイルに出力したいですね。コマンドプロンプトには標準出力と出力のリダイレクトという便利な機能があります。これはプログラムの出力を画面に表示するか,ファイルに出力するかなど,出力先を指定できる機能です。 生成された組み合わせをout.txtというファイルに出力したい場合は,図3のようにコマンドを入力します。ここでerror.txtには,エラーが発生したとき,エラーメッセージが書き込まれます。

図3 PICTの組み合わせ結果をファイルに出力する場合

pict a.txt 1>out.txt 2>error.txt

組み合わせが書き込まれたファイルはテキストエディタExcelで開くことができます。

著者プロフィール

鶴巻敏郎(つるまきとしろう)

岩崎通信機株式会社でビジネスボタン電話機,構内PBXなどのソフトウェア開発を担当。

デジタルコードレス端末(PHS)のソフトウェア開発を経て,2002年より岩通ソフトシステム株式会社に出向。以来,統合テストを中心に組込み系機器のテスト業務にあたる。

URLhttp://www.iwass.co.jp/index.html