Adobe AIRで作るデスクトップアプリケーション

第16回 OSとの連携

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

コマンドライン引数の取得

今回はアプリケーションの機能の中でも比較的細部の実装に使用するAPIを取り上げます。まずはアプリケーションの起動時に渡されるパラメータの受け取り方についてです。

アプリケーションの起動時にはInvokeEvent.INVOKEイベントが発生します。既に起動しているアプリケーションを再度呼び出したときも同様です。このイベントを受け取るには、NativeApplicationクラスのnativeApplicationプロパティにイベントリスナーを設定します。nativeApplicationプロパティはNativeApplicationクラスのシングルトンオブジェクトです。

NativeApplication.nativeApplication.addEventListener(InvokeEvent.INVOKE, invokeHandler);
private function invokeHandler(event:InvokeEvent):void {
	trace(event.arguments);
	trace(event.currentDirectory.nativePath);
}

イベントハンドラに渡されるInvokeEventオブジェクトは、argumentsプロパティとcurrentDirectoryプロパティを持っています。argumentsプロパティは、起動時に空白区切りで渡されたパラメータを配列として保持しています。currentDirectoryプロパティは、コマンドラインで起動されたときのカレントディレクトリを示すFileオブジェクトです。

関連付けされたファイルをダブルクリックするなどしてアプリケーションが呼び出されたときは、argumentsプロパティの1要素としてファイルのパスが渡されます。この場合のパスはFileオブジェクトではなく文字列です。

ファイルタイプの関連付け

特定のファイルタイプにアプリケーションを関連付けたい場合、アプリケーション記述ファイルで宣言することで関連付けが可能です。ただし、既にそのファイルタイプに対するデフォルトアプリケーションが設定されている場合にはそちらが優先されます。NativeApplicationクラスには、この設定を調べたり変更したりするメソッドが用意されています。

メソッド 機能
isSetAsDefaultApplication() 指定のファイルタイプとの関連付けがなされているかどうかをブール値で返します。
getDefaultApplication() 指定のファイルタイプに現在関連付けされているアプリケーションのパスを文字列で返します。
setAsDefaultApplication() 指定のファイルタイプとの関連付けを行います。
removeAsDefaultApplication() 指定のファイルタイプとの関連付けを解除します。

これらのメソッドはいずれもパラメータに拡張子(ドットを除いた文字列)を指定し、NativeApplication.nativeApplicationに対して呼び出します。拡張子は予めアプリケーション記述ファイルで関連付けの宣言がされているものでなければなりません。宣言されていない場合は例外がスローされます。

ログイン時に起動させる

ユーザーがログインしたときに自動的にアプリケーションを起動したい場合は、NativeApplicationクラスのstartAtLoginプロパティを使います。このプロパティもNativeApplication.nativeApplicationに対して設定します。

try {
	NativeApplication.nativeApplication.startAtLogin = true;
} catch (e:IllegalOperationError) {
	trace(e.message);
}

この設定はカレントユーザーに対してのみ有効です。また、実際に設定を行うにはアプリケーションがインストールされている必要があるため、ADLでのデバッグ時には例外がスローされます。Windowsでは既に同じ名前の別アプリケーションが自動起動するように設定されていた場合もエラーとなります。

ユーザーの不在状況を確認

ユーザーからのマウス/キーボード入力が一定時間途絶えるとEvent.USER_IDLEイベントが発生し、その後入力があるとEvent.USER_PRESENTイベントが発生します。これを利用するとユーザー不在時の処理を組み込むことができます。Event.USER_IDLEイベントが発生するまでのインターバルはNativeApplicationクラスのidleThresholdプロパティで設定できます。単位は秒、デフォルト値は300(5分)です。

var app:NativeApplication = NativeApplication.nativeApplication;
app.idleThreshold = 60;
app.addEventListener(Event.USER_IDLE, userIdleHandler);
app.addEventListener(Event.USER_PRESENT, userPresentHandler);
private function userIdleHandler(event:Event):void {
	trace("退席中です");
}
private function userPresentHandler(event:Event):void {
	trace("仕事中です");
}

最後にユーザー入力があってから経過した秒数はNativeApplicationクラスのlastUserInputプロパティで調べられます。

著者プロフィール

タナカヤスヒロ

早稲田大学卒業後,DTP業務を経てマルチメディア系制作会社へ。Macromedia Directorにのめり込む。フリーランスとなりFlashにシフトしてからもデスクトップ絡みの仕事が絶えず,Apolloにも勝手に縁を感じている。現在株式会社antsに所属。ants Lab.にも記事を上げている。

URLhttp://labs.anthill.jp/

著書

コメント

コメントの記入