Adobe AIRで作るデスクトップアプリケーション

第17回Adobe AIR 1.0公開

正式版リリース

昨年3月にアルファ版が公開されて以来1年近くプレリリース期間が続いたAIRですが、ついに正式版がリリースされました。もっとも、今回のバージョン1.0では日本語はサポートされていません。日本語版はバージョン1.1で登場する予定です。

さて、正式版となったことで製品ページもこれまでのAdobe LabsからAdobeのメインサイトへ移っています。ランタイムはAdobe AIR Download Centerからダウンロード可能です。

Adobe AIRの製品ページ
Adobe AIRの製品ページ

開発ツールもこれまで通り以下の最新版が提供されています。

Adobe AIR Update for Flash CS3 Professionalをインストールするには、以前のバージョンのファイルを削除しておくことが推奨されています。以下がその手順です。

Mac OS X
  • ドライブ名:/Applications/Adobe Flash CS3/ 以下の AIK フォルダを削除
  • ドライブ名:/Applications/Adobe Flash CS3/First Run/Commands 以下に次のフォルダ/ファイルが存在すれば削除
    • AIRフォルダ
      • AIR - Application and Installer Settings.jsfl
      • AIR - Create AIR File.jsfl
  • ドライブ名:/Applications/Adobe Flash CS3/Configuration/External Libraries/FLAir.bundle を削除
  • ドライブ名:/Applications/Adobe Flash CS3/Configuration/Players/AdobeAIR1_0.xml を削除
  • ドライブ名:/Users//Library/Application Support/Adobe/Flash CS3/ja/Configuration/Commands/ 以下に次のフォルダ/ファイルが存在すれば削除
    • AIRフォルダ
      • AIR - Application and Installer Settings.jsfl
      • AIR - Create AIR File.jsfl
Windows
  • ドライブ名:\Program Files\Adobe\Adobe Flash CS3\ 以下の AIK フォルダを削除
  • ドライブ名:\Program Files\Adobe\Adobe Flash CS3\ja\First Run\Commands\ 以下に次のフォルダ/ファイルが存在すれば削除
    • AIRフォルダ
      • AIR - Application and Installer Settings.jsfl
      • AIR - Create AIR File.jsfl
  • ドライブ名:\Program Files\Adobe\Adobe Flash CS3\ja\Configuration\External Libraries\FLAir.dll を削除
  • ドライブ名:\Program Files\Adobe\Adobe Flash CS3\ja\Configuration\Players\AdobeAIR1_0.xml を削除
  • ドライブ名:\Document and Settings\\Local Settings\Application Data\Adobe\Flash CS3\ja\Configuration\Commands\ 以下に次のフォルダ/ファイルが存在すれば削除
    • AIRフォルダ
      • AIR - Application and Installer Settings.jsfl
      • AIR - Create AIR File.jsfl

なお、前回のBeta3では非常にたくさんの変更点がありましたが、今回のリリースでは安定性やパフォーマンスに主眼が置かれておりAPIの大きな変更はありません。アプリケーション記述ファイルの名前空間が"http://ns.adobe.com/air/application/1.0"となった点には注意してください。アプリケーション記述ファイルの全体的な構造と説明はこちらのWikiにまとめてあります。

開発情報とサンプル

デベロッパーに必要な情報はAdobe AIR Developer Centerに集められています。現時点では英語のみですが、各トピックはHTML/Ajax、Flash、Flexという開発環境ごとにカテゴリ分けされ関連記事が見つけやすくなっています。サンプルアプリケーションも増えました。これまでAdobeから提供されていたものに加えて、外部デベロッパーによるチュートリアル付きのサンプルもあります。

ソースコードとチュートリアル付きのサンプルが公開されている
ソースコードとチュートリアル付きのサンプルが公開されている

AIRアプリケーションの公開

AIRアプリケーション公開の場として昨年発表されたAdobe AIR Marketplace betaでも現在20個程のアプリケーションがダウンロードできます。デベロッパーは作成したアプリケーションのダウンロードURLやスナップショット、紹介文などを登録して公開し、コメント等のフィードバックを得ることができます。将来的には英語以外の言語対応やアプリケーション販売のサポートなども検討されているようです。

AIRアプリケーションの登録とダウンロードが可能
AIRアプリケーションの登録とダウンロードが可能

AIR Badge

AIR 1.0のリリースに合わせてAdobe Labsでは新しい形式のインストールバッジが公開されていますAIR Badge⁠。最新版のAIRでシームレスインストールを行うにはFlash Player 9.0.115.0が必要ですが、このバッジではSWFObjectを利用してFlash Playerのバージョン検出やExpress Installを実行する仕組みになっています。SWFObjectとはSWFファイルをHTMLに埋め込むためのJavaScriptです(参考:SWFObjectを使用したJavaScript Flash Playerの検出と埋め込み⁠。

AIRのシームレスインストールに必要な情報もSWFObject経由でバッジのSWFファイルに渡します。例えば次のようなJavaScriptコードでインストールバッジをカスタマイズできます。

var so = new SWFObject("AIRInstallBadge.swf", "AIRBadge", "215", "180", "9.0.115", "#FFFFFF");
so.useExpressInstall('expressinstall.swf');
so.addVariable("airversion", "1.0"); //必要なAIRランタイムのバージョン
so.addVariable("appname", "Sample App"); //ユーザーに表示するアプリケーション名
so.addVariable("appurl", "http://www.anthill.jp/sampleApp.air"); //AIRファイルのURL
so.addVariable("imageurl", "myImage.jpg"); //バッジに表示するイメージ(250x170ピクセル)のURL
so.write("badgePlaceHolder"); //"badgePlaceHolder"はバッジのSWFを表示するdiv要素のid

最初の3つのパラメータ("airversion"、"appname"、"appurl")は必須パラメータです。この他にタイトルやボタンラベルのカラー変更、テキストの文言変更なども可能で、さらにBeta 3で追加されたブラウザからのAIRアプリケーション起動を行うためのパラメータも用意されています。

AIR Badgeのページ
AIR Badgeのページ

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