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#2 Ruby on Rails作者 David Heinemeier Hansson(中編) 37signalsってどんな会社?

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WebアプリケーションフレームワークRuby on Railsの作者,David Heinemeier Hansson氏(以下,DHH)のインタビュー中編です。

編集部注)
本対談は2006年6月に行われたものです。

撮影:武田康宏

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37signals

弾:あなたの所属している37signalsってどんな会社ですか?

DHH:一言でいうとASPの会社,Application Service Providerです。作っているのはBasecamp,Backpack,Writeboard,Ta-da List,Campfire注1の5つです。これらはすべてコラボレーションまたはオーガナイゼーションに関するプロダクトです。

弾:全部自分で作ったの?

DHH:最初の頃は全部自分でプログラムを書いていました。今でも37signalsという会社は7人でやっています。うち4人がプログラマで,3人がデザイナー。全員が製品作りに関わってます。だから,特に経営とか管理だけする人というのはいないんです。

弾:37signalsっておもしろい社名ですね。由来は?

DHH:SETI@Home注2のプロジェクトで見つかった未確認の信号のソースが37個あって,そこからとったものです。

弾:それは素敵だ。

注1)
Backpackは情報管理・共有,Writeboardはバージョン間比較なども含む文書共有,Ta-da Listは共有可能なto do管理,Campfireはグループチャットの機能を持つ。
注2)
インターネットに接続されたコンピュータを使って地球外知的生命体を探索するプロジェクト。http://setiathome.berkeley.edu/

小さいことは佳きことなり

弾:ITバブルの頃は数多くの会社が拡大路線に走って,その多くが失敗しましたが,37Signalsがその轍を踏まなかった理由は?

DHH:我々は簡単なことをより簡単にしたいと考えています。簡潔なものは簡潔なままに留めておきたいので,成長するにしたがって会社は当然大きくはなっていくけれど,なるべく少ない従業員でそれを実現したい。

弾:言い寄ってくるベンチャーキャピタリスト,多くありません?

DHH:40人ほど来たけれど,みんな追い返したよ(笑)。「君たちのお金はいらない」って。

弾:でもなんで?

DHH:我々はあくまでもサービスを提供して,その代価としてお金をいただく会社だから。サーバの増強をしたかったら,サーバを増強するためのお金というのは必ず売上の中から立っている。これだけシンプルなビジネスモデルであればベンチャーキャピタリストというものはいらない。

Staying Small and Getting Real

弾:確かに,お金の魔力というのは,結局,必要以上のお金が集まっちゃうところにあると思います。必要以上のお金が集まっちゃうと,そのお金の使い先を見つけざるを得ないんです。そうなると余計な仕事も抱えてしまう。

DHH:そのとおり。世界はもっとたくさんのソフトウェアプロダクトが必要なわけではない,もっと少ないんです。

弾:大きなお金で大きな会社を作って,それによってより多くの人を助けるという考えもありますよね。

DHH:でも,我々は世の中を救おうとしているわけじゃない。

弾:7人では7人の従業員しか幸せになれない。70人いれば70人幸せになるというのもありでは?

DHH:その場合は,会社をそれぞれ10個作ればいい。たとえば300人いたとしたら,我々でそれを抱えるのではなく,30個くらい会社を作ってそれぞれが行動すればいいんじゃないかな。そしてそういうやり方がうまくいくことを世に問うほうが,世の中のためになるのではないかと思う。そういったやり方というのは我々が実行しているだけではなくて,ずっと世に問い続けている。実際,我々はそういったことをまとめたGetting RealというPDFも出版しています注3)。

注3)
https://gettingreal.37signals.com/。19ドルで発売されている。

著者プロフィール

小飼弾(こがいだん)

ブロガー/オープンソースプログラマー/投資家などなど。ディーエイエヌ(有)代表取締役。1999~2001年(株)オン・ザ・エッヂ(現(株)ライブドア)取締役最高技術責任者(CTO)。プログラミング言語Perlでは,標準添付最大のモジュールEncodeのメンテナンス担当。著書に『アルファギークに逢ってきた』(2008年5月,技術評論社)。ブログは『404 Blog Not Found』

URLhttp://blog.livedoor.jp/dankogai/

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