小飼弾のアルファギークに逢いたい♥

#3 Binary 2.0の提唱者 高林哲(後編) 基礎的なことを知りたいという欲求

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1 分

「Binary 2.0」「バッドノウハウ」などの提唱者として知られる高林哲氏との対談の後編です。

編集部注)
本対談は2006年9月に行われたものです。

今後重要な技術は?

撮影:上松尚之

画像

弾:次に大きな変化があるとしたらどんな分野だと思う? たとえばクロック数が倍になるとかでなくて,こういうソフト,ハードが現れるとかこういう技術がはやるとか。

高林:あんまり考えたことないですね。ただ,CとかC++とか,当分なくなりそうもないじゃないですか。

弾:なくなりそうもないよねえ,もう何年の付き合いか(笑)。

高林:最近はマルチコア,マルチプロセッサってなってきましたよね,じゃあスレッドでプログラム書くかっていうと,非常に難しいわけじゃないですか。

弾:難しいねえ。あんまり書きたくないね。

高林:そういうスレッドプログラミングとかがますます重要になるのかなという気がしてます。

弾:最近は関数型プログラミングがすごい注目されてるけど,あれも別のアプローチからのBinary Hacksのような気がするんだよね。

高林:さっきも言いましたけど,弾さんがブログに,なんとかへの渇きがどうって書いてたじゃないですか。要するに基礎が大切だって話しに対して,そんなのはそのうち…。

弾:後付けでいいんだという話でしたな。そうそうそう。

高林:つまりそういうことだと思うんですよ。便利なスクリプト言語とかライブラリとか使っておもしろいもの作って,日々おもしろいと思いながらやっていくと,普通にやってる分にはスクリプト言語と便利なライブラリでいいんですけど,なんとなくその下はどうなってるんだろうとか,もうちょっと基礎的なこと勉強したいなって自然と思うわけじゃないですか。だから,Binary Hacksとか関数型言語というのは,もうちょっと基礎的なことを知りたいぞとかいう欲求だと思うんですよね。

弾:もっかの悩み,誰か書いてほしいなと思うのは,HaskellのGHC(Glasgow Haskell Compiler)の吐くオブジェクトコードがわけわかなので誰か解説してくれないかなという…。実は結構,関数型言語のオプティマイズコンパイラって進んでるのね,先進的なの。だけどその辺を普通に解説している本ってなかなかないのよ。LispだってCより速いコンパイラが実はごろごろあるけども,それが実際どういうことをやってるのか解説してるものはない。どっちもなんとなく反対側のアプローチのような気がするじゃないですか,でも,実は同根なんだよね。

高林:同じハードウェアで動いてますからね。

弾:そうそうそう。

高林:その点で言えばおもしろいのはObjective Caml注1の作者とLinux Threadsの作者が一緒なんです。結構びびりましたね。Linux ThreadsってLinuxのスレッドの昔の実装なんですけど。

弾:結構,二兎を追うというのはいいよね,自分が普段やっていることの正反対のことをしてみるとか。

高林:なかなか難しいんですけどね。

注1)
Objective Camlは関数型言語の1つ。http://caml.inria.fr/ocaml/

著者プロフィール

小飼弾(こがいだん)

ブロガー/オープンソースプログラマー/投資家などなど。ディーエイエヌ(有)代表取締役。1999~2001年(株)オン・ザ・エッヂ(現(株)ライブドア)取締役最高技術責任者(CTO)。プログラミング言語Perlでは,標準添付最大のモジュールEncodeのメンテナンス担当。著書に『アルファギークに逢ってきた』(2008年5月,技術評論社)。ブログは『404 Blog Not Found』

URLhttp://blog.livedoor.jp/dankogai/

コメント

コメントの記入