小飼弾のアルファギークに逢いたい♥
#21 和田裕介(ゆーすけべー)
今回の対談は,9 月10.11 日に開催されたYAPC::Asia 2009会場となった東京工業大学大岡山キャンパスにて実施。ゲストは,「Twib」「YourAVHost」(注1) などのサイトでお馴染みの,ゆーすけべーこと和田裕介さんです。袋綴(と)じこそ実施には至りませんでしたが,一部,いまだかつてないエロ度の対談になりました。
- 注1)
- Twib:TwitterでつぶやかれたホームページのURL を人気順に並べるサービス。
YourAVHost:米国の動画共有サイトYourFileHostの動画をAV女優名/ ジャンル別で日本語検索,閲覧できるサービスを提供。
Web開発に携わったきっかけ
弾:今回はWEB+DB PRESSで初めての袋綴じということで…(笑)。
ゆ:袋綴じって(笑)。
弾:さっそくですが,Web開発に携わったきっかけってなんですか?
ゆ:僕は大学院まで行ってるんですけど(注2),そのときの研究は,コンピュータをいじることではあったんですが,インタフェースとかアート寄りで,コンピュータは専門じゃなかったんです。で,卒業と同時に父親と会社をやり始めて(注3)。Webは興味はあったけど,作る側ではなかったんです。
弾:Webに手を出したのは卒業後?
ゆ:学生のころは一瞬,PHPを…。そのときは,Perlを使おうと思ったらInternal Server Error が出るのがいやだみたいな感じで,PHPでちょっと簡単なデータベースアプリケーションを作った程度。むしろPerl に恐怖感というかコンプレックスを持っていた(笑)。もともとWebにはすごく興味があって,Perlは使ってないけど,どうやらおもしろい技術だというのがだんだんわかってきて,ちょうど会社を立ち上げるちょっと前に宮川さんと伊藤さんが書いた『Blog Hacks』(注4)っていう本が出て。
弾:あの本がきっかけなんだ。
ゆ:ちょうどMovableType が出てきて,プラグインが豊富になってきたり,トラックバックとかRSS が注目されて,ちょっといじってみたいなと思ったんですよ。そのときはHyper NIKKI Systemを使っていました。
ゆ:そのあとにPlagger(注5)が出てきて,これ,なんかいろいろできるじゃんって。最初,横浜ベイスターズのニュースページの進捗情報をスクレイピングしてフィードにして(注6)。それで,なんかこれでおもしろいことできないかなって考えたら,実はわざわざPlagger を使う必要ないんですけど,エロサイトの更新情報からとってきてまとめられるんじゃないか? って思って。
弾:最適だね(笑)。
- 注2)
- 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を修了。「moo-pong:映像の万華鏡/ACM SIGGRAPH 2005 Emerging Technologies」などを制作。
- 注3)
- 現在,(株)ワディット代表取締役兼CTO。ほかに(株)オモロキ最高技術責任者兼取締役も務める。
- 注4)
- 『Blog Hacks.プロが教えるテクニック&ツール100選』/宮川 達彦,伊藤 直也/オライリー・ジャパン/ISBN978-4-8731-1174-2
- 注5)
- 「Plaggerをリリース」
- 注6)
- 「Plagger使ってデイリーベイスターズのRSSを吐き出す」
エロとカネと正規表現
ゆ:さらにちょっと欲が出て,アフィリエイトがあるから,それを経由したらお金入るんじゃないかって。エロと金ですよね。
弾:もう,動機すばらし過ぎだよー。
ゆ: で,やってみたら,正規表現って何? みたいな感じで。
弾:セイキヒョウゲンって18禁か,みたいな感じ?(笑)。
ゆ:スクレイピングとか,もろ正規表現ですよね。それで正規表現を学んで作ったのが,そんなにアクセスはないんですけど,エロサイトの更新情報を1つのページにまとめて,あ,今日このサイトの新着が,このビデオ上がったなみたいのがわかるサイト(注7)。それをカスタマイズしたくて,だんだんPerl を使うようになったのが,Web開発のきっかけです。
- 注7)
- Erolyst
アダルトコンテンツのあり方
弾:エロサイトとは言っても,少なくともコードは書いてるけど,コンテンツそのものは用意しているわけじゃないですよね。そのへんは,業界からいちゃもんがついたりしなかったの?
ゆ:とくにそういうことはないです。僕のスタンスとしては,新しいこととかおもしろいことだったらやっちまえと。怒られたら謝るっていうスタンスで,それで怒られたとかは特に今までそんなにないです。
弾:エロ業界の人たちって権利意識が乏しいのかなって思うところがあるんですよね。身体一本でやっているわけじゃないですか。そんなに安売りしてほしくないなあとは思うんですよ。どうなんでしょうね,これだけタダでエロコンテンツが流れてるというのはいいのだろうかという。
ゆ:YouTubeの映像とかもだと思うんですけど,僕はコンテンツを買うという行為に対して,それをもっと試せる機会が増えたほうがいいと思ってるんです。試してみてよかったら買うよねという。たとえばCD屋に行ったら,CDのサンプルで曲が聞けて,これいいなって思って買うじゃないですか。で,それってCDをまるごと聞けるようにしているけど,それは別にそのCD屋とかアーティストにとっては,悪い行為じゃなくて,もちろん宣伝行為ですよね。エロも,CD屋に行ってエロビデオを見るじゃないですけど,そういう感覚で。
弾:人前で見れないですからね。それはもうネットが圧倒的に強いところなんですけど。あと,ただでものを配るときに,ってどうやって儲けるかっていうのは,この業界にいると絶対に考えなきゃいけないことじゃないですか。本の宣伝をしちゃうとあれだけど,ずばり『Free』っていうタイトルの本が,英語では出ていて(注8),日本語でも出るはずです。それは要するに,ただのコンテンツでどうやったら食っていけるかっていう話なんですけど,その中でも代表的なのは,コンテンツをそのまま売るんじゃなくて,経験を売ると。要はCDをただで配ってコンサートに来てもらおうとか。そういうのは結構いろんなところで成り立ちますよね。我々にしても実際そういうところがあって,オープンソースでいろんなものを配っているけど,その代わり,それを見て仕事の注文が舞い込んだりするわけです。でも,AV女優の場合,それに当てはめると,AVがプロモだとすると,コンサートにあたるのは何? っていう。
ゆ:(笑)。
弾:怖い考えになります。僕はそれありだと思うんだけどなあ。
ゆ:そのコンサート,お金払ってでも行きたいですね(笑)。
弾:たっぷりお金払ってでも行きますよね。というのか,そのへんどうなっているのかはやっぱり気になります。ちゃんとたいへんな仕事に見合っただけの報酬はあげてほしいし,彼女たち,彼らに。
ゆ:その点では一応,フリーで見られるコンテンツに対して,それとマッチさせたものを,オンデマンドの課金サービスで,高画質で全編見られるサイトの広告を出すしくみを考えて今,運用しています。それはそれで,ついつい自分で自分の作ったサイトを見て,あ,この女優気に入っちゃったよみたいな(笑)。僕,結構そういうのがあるとつい,もっときれいに見たい,もっと大画面で見たいよ,ってなって,買っちゃうんですよね。
弾:だからちゃんとそこでお金の動きが生じると。
ゆ:今後もそういう使われ方のサービスにしていきたいと思います。
- 注8)
- 『Free: The Future of a Radical Price』/Hyperion


