Webアプリを公開しよう! Chrome Web Store/Apps入門

第1回 Chrome Web Store/Apps概要

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初めまして。今回よりChrome Web Store及びWeb Appsについて連載させて頂きます,吉川と申します。本連載では,Web Appsの作り方から各種APIの紹介,Chrome Web Storeでの公開方法まで,解説していきたいと思います。最後までお付き合い頂ければ幸いです。

Webアプリケーションの進化

HTML,CSS,JavaScriptなどで構成されるWebアプリケーション(以下,Webアプリ)は,Ajaxの登場以降も,HTML5やその関連技術によって劇的に進化しています。今では,デスクトップアプリケーションと遜色のないWebアプリも多く登場しています。通信インフラの発達や携帯用デバイスの普及,クラウドなどで,Webアプリの重要性は益々増しており,今後も大きな流れとなることは間違いありません。その中で,Chrome Web Storeは,Webアプリの普及について大きな役割を果たすものとして期待されています。

Chrome Web Storeの概要

Chrome Web Storeとは,2010年12月に米国で公開された,Webアプリのオンラインマーケットプレイスです。従来の検索エンジンによる検索では,ユーザーが自分の目的に合ったWebアプリを見つけるのは非常に困難でしたが,Chrome Web Storeには多くのWebアプリが登録されており,その中から簡単に探すことができます。また,開発者がWebアプリを提供する上で敷居が高かったユーザー認証や課金などについても仕組みが用意されており,Webアプリの開発が容易になっています。

図1 Chrome Web Store

図1 Chrome Web Store

Chrome Web Storeでは,Chromeブラウザにインストール可能なApps,Extensions,Themesの3つが提供されています。本記事執筆時点(2011年2月現在)では,無料のものであれば現在でもそのままでインストールすることが可能です。有料のApps,Extensionsを利用するには,Google Checkoutへの登録が必要です。商用のアカウントにはまだ対応していません。2011年の前半には,日本を含む各国でも公開され,すべての機能が利用可能になる予定です。

以下にApps,Extensions,Themesそれぞれについて紹介します。

Web Apps

Web Appsはインストール可能なWebアプリです。Webアプリの提供者が自身でWebサーバーを管理し,WebアプリをホスティングするHosted Appsと,Webアプリに必要なコードをパッケージ化し,ローカル環境で動作するPackaged Appsがあります。どちらも課金が可能です。Hosted AppsとPackaged Appsは,Chrome Web Storeで提供される上でユーザー側から特に区別されることはありません。それぞれ特徴がありますので,提供したいWebアプリにあったものを選択しましょう。

Hosted Apps

Hosted Appsは,自身で管理するWebサーバーからWebアプリを提供することができます。新たに作ったWebアプリのほかに,既に提供しているWebサービスもChrome Web Storeで公開することができます。マニフェストファイルの作成やホスティングしているドメインの所有証明などの若干の手続きはありますが,簡単な手順で登録,公開できます。また,綿密なユーザー管理や独自の課金設定など,細かな管理を行いたい場合もHosted Appsを選択するとよいでしょう。

Packaged Apps

Packaged Appsは,従来のWebサービスと異なり,サーバーを持たなくてもWebアプリとして提供することができます。そのWebアプリに必要なファイルをまとめてユーザーのローカル環境にインストールするという,デスクトップアプリケーションに近い形式です。もちろんWebサーバーとの連携も可能です。後述するExtensionsと同じ仕組みを持ち,利用可能なAPIは,一部の制限を除いて同じものです。

Extensions

従来のChrome拡張機能と同じものです。ブラウザに色々な機能を追加します。Chrome Web Store上で提供することにより,新たに課金を行うことができるようになる予定です。

Themes

従来のChromeテーマと同じものです。ブラウザの外観をカスタマイズします。こちらも,新たに課金を行うことができるようになる予定です。

Packaged AppsとExtensionsの違い

Packaged Appsは,Extensionsと比べ,Browser Actions(ツールバーにボタンを追加するAPI)とPage Actions(アドレスバーにボタンを追加するAPI)を利用することができません。そのため,ツールバーやアドレスバーを拡張してブラウザに機能を追加したい場合などは,Extensionsで提供するとよいでしょう。

Chrome Web Storeでの課金について

Chrome Web Storeでは,Chrome Web Store Paymentsと呼ばれる課金システムが用意されています。ただし,日本ではまだ同システムは提供されていませんので,米国での利用条件を参考として挙げておきます。日本での利用条件は,公開の際に別途詳細が提示されるはずですので,そちらを参照してください。

課金方法

無料も含めて以下の課金方法を選択できます。

  • 無料
  • 一時課金(1回のみの支払い)
  • サブスクリプション課金(月払い,または年払い)
  • 評価版(一時課金,サブスクリプション課金との組み合わせ)
  • 独自決済

このうち,Chrome Web Store Paymentsを利用する一時課金とサブスクリプション課金については別途手数料が掛かります。

手数料

Chrome Web Store Paymentsを使って課金する場合,手数料5%とチャージ料$0.30(日本では25円)が必要です。最低金額は$1.99となっています。ただし,独自決済で課金する場合は,手数料は一切かかりません。

また,今までにApps(Extensionsも含む)を公開したことがない開発者は,最初の公開の際に$5を支払う必要があります。一度でも公開したことがあれば不要です。

評価版

Chrome Web Storeでは,Webアプリに課金する場合,基本的な機能を無料で評価版として提供し,さらに高度な機能や特別な機能を製品版として提供するフリーミアムと呼ばれる仕組みを推奨しています。現状ではHosted Appsのみが評価版を利用できますが,今後Packaged Appsについても評価版と製品版の2つをアップロードすることで可能となる予定です。

著者プロフィール

吉川徹(よしかわとおる)

普段は,普通のSIer。Webからローカルアプリケーション,データベースからインフラ周りに至るまで,何でも担当する雑食系。主にHTML5開発者コミュニティ「HTML5-developers-jp」で活動中。同コミュニティ主催の「HTML5とか勉強会」のスタッフを務め,HTML5の最新動向を追っている。

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