サイバーエージェントの人気サービスである「アメーバピグ」と連携した、ソーシャル“料理”ゲームの「モグ」。現在、携帯電話とAndroidスマートフォン向けに提供されており、多くのユーザが楽しんでいるとのこと。今回、この「モグ」のプロデューサである鈴木恵美子氏とエンジニアの久保卓也氏、そして秋山卓見氏にお話を伺いました。
レシピを覚えて新たな料理にチャレンジ! 料理を中心としたソーシャルゲーム
サイバーエージェントが提供している「モグ」(図1)は、アメーバピグで作成したキャラクター“ピグ”が料理をしたり、作った料理をほかのユーザに食べてもらうことで、さまざまな「レシピ」を習得して楽しむ“料理”をテーマにしたゲームです。
プレイヤーは、女性が大半を占めており、数多く用意されている「レシピブック」を獲得し、自分のキッチンにビジュアルの可愛いさまざまな種類の料理を並べることを主なモチベーションにプレイしています。「レシピブック」は、ほかのプレイヤーに自分の料理を食べてもらうと得られる「スマイルコイン」を通して、獲得できるしくみになっています。獲得した「レシピブック」内のさまざまな「レシピ」は、ほかのプレイヤーが作った料理を食べて「モグパワー」をためることで習得し、自分のキッチンに料理を並べることができます。
この「モグ」の企画が立ち上がったのは2010年1月のこと。そこから8ヵ月間の開発期間を経て、2010年9月にリリースされました。プレイヤー同士が協力をしてゲームを進めることで「ありがとう」という言葉を自然とかけ合うようなコミュニケーションを想定したゲームの設計を大切にしていたので、開発中にもこの考えをブラさないために、何度か修正を行ったといいます。
現在、この「モグ」のプロデューサを担当しているのは営業職からキャリアチェンジしたという鈴木氏。
「ユーザ同士でコミュニケーションを取り、お互いに協力をしなければ自分の目標も達成できないというしくみになっているのところがポイントです。また、ゲームを進める中で、お礼を言ったり言われたりといったコミュニケーションもたくさん生まれているのですが、そこが女性に受けている大きな要因のひとつかなと感じています」(鈴木氏)
短期間で積極的に改善が行われる開発の秘密とは?
リリースから1年が経った「モグ」ですが、現在でも毎週のように改善を行い、さらに2~3ヵ月に1本というスパンで新しいイベントを開発しています。こうした取り組みを支えているのがシステムエンジニアとしてモグに関わる久保氏と、フロントエンドの開発に取り組む秋山氏です。
改善はまずプロデューサからの提案を受けてデザイナやフロントエンドのエンジニアでデザインや見た目を決め、その後エンジニアが設計して開発に入ると言います。こうしたフローを非常に短いスパンで行っていると話すのは久保氏です。
「開発者側もゲームのことをしっかり理解しているので、プロデューサから提案があれば、仕様書がなくてもその意図するところを汲み取り、開発を進めていくという感じですね。私はもともと企業向けのミドルウェアを開発する会社に在籍していたのですが、そのときとはまったくスピード感が違います」(久保氏)
フロントエンドを担当する秋山氏は、料理の見せ方にも気を配っていると話します。
「モグでは料理のイメージなどについても、公式ブログのコメント欄でさまざまな意見が寄せられます。それらを細かくチェックし、プレイヤーの好みの傾向を読み取りながらアニメーションなどを調整しています」(秋山氏)
プロジェクトメンバーの努力が実を結び、数多くのプレイヤーを集める人気ゲームに成長した「モグ」ですが、そのバックエンドではどういった技術が使われているのでしょうか。後編では、そうした技術面にスポットを当てていきます。
- サイバーエージェント公式エンジニアブログ
- URL:http://ameblo.jp/principia-ca
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