中途採用のみでなく、新卒採用にも積極的なサイバーエージェントでは、アプリケーションやサービスの開発に必要な基礎知識の習得、そしてエンジニアとしてのスキルアップのために、充実した研修プログラムを用意しています。今回は、具体的にどういった研修が行われるのかについて、アメーバ事業本部 経営本部局 技術人事グループ 齊藤将城氏にお話を伺いました。
エンジニアの基礎を短期間で習得、PCのしくみを学べる自作講座も
「21世紀を代表する会社を創る」という壮大なビジョンを掲げるサイバーエージェントにおいて、重要な取り組みの1つとなっているのがエンジニアの育成です。今年、エンジニア職で80名、クリエイティブ職で30名を新卒で採用、来年以降も同程度の人数の採用を考えているという同社では、彼らが少しでも早く実際の現場で活躍できるように、育成のためのさまざまな施策を展開しています。実際にどういった施策が行われるのかについて、サイバーエージェントでエンジニアの育成を担当する齊藤氏にお話を伺ったところ、充実した研修プログラムが用意されていることがわかりました。
「まず、4月は全体研修となっていて、エンジニア職やクリエイティブ職、ビジネス職を含めた合同研修を行います。ここでマナーや基本的なビジネススキルなどを学びます。5月以降は技術者向けの研修が始まり、Webアプリケーションを作成するために必要なJavaの基本的な構文とオブジェクト指向の概念、Webの知識やデータベース、Linuxの操作方法などを学びつつ、最終的にはサーバサイドのJavaフレームワークであるStrutsを使ったアプリケーション開発を体験していきます。その後は各事業部に配属されますが、そこで求められる現場特有のスキルを習得するために個別の研修を行っていきます。たとえばアメーバ事業本部であれば、サーバサイドの新しいフレームワークを使った研修としてSpring研修、あるいはスマートフォン向けにサービスを提供する部署であればObjective-CやAndroidでの開発のための研修などを実施します」(齊藤氏)
新卒研修のプログラムの中には、PCを自作するための講座もあるようです。具体的な内容は、まずどういったPCを組み立てるのかを決め、その内容に従って秋葉原のパーツショップで実際にパーツを購入し、自分自身で組み立てていくというもの。こうした中で一体感も生まれ、PCがどういったパーツで成り立っているのかを学ぶと同時に、組み立てたPCを業務用マシンとして利用するというわけです。
また、単に研修プログラムを用意するだけでなく、エンジニアどうしのコミュニケーションを大切にすることもサイバーエージェントの特長だと齊藤氏は話します。
「いずれかの部署に配属する際には、OJTでトレーニングを行う上長を決めます。上長は、入社した社員が一人前のエンジニアとして活躍できるように仕事を教えるという役割があります。つまり、配属先で仕事を進めるために必要な知識について、上長から学べる体制を整えているわけです。さらに、サイバーエージェントではメンター制度も用意しています。これは仕事や人間関係の悩みなどについて、斜め上の先輩社員がアドバイスしてくれるというものです」(齊藤氏)
新社会人にとって、入社した会社でうまく働いていけるのか、人間関係を作れるのかといった不安は付きものです。メンター制度により、こうした悩みを先輩に相談できる環境が整えられているのは、たいへん心強いポイントでしょう。
エンジニアとしてのスキルをさらに伸ばせる強化研修
研修はこれで終わりではありません。エンジニアとしてさらにスキルを伸ばすため、9月以降には強化研修が用意されていると言います。
「OJTによって業務に慣れるのと同時に、エンジニアとしてさらにステップアップしてもらうための施策が強化研修です。具体的にはセキュアなシステムを構築する方法や、信頼性の高いシステムの作り方、あるいはパフォーマンスチューニングのテクニックといった講義を用意しています。エンジニアとしてただモノを作れるようになるだけでなく、品質の高いアプリケーションを開発するための土台を築いてもらうことが強化研修のねらいですね」(齊藤氏)
こうして伸ばしたスキルを“見える化”するためのしくみとして、サイバーエージェントではスキルをチェックするしくみも用意しています。習得したスキルを本人と上長の目線で評価していくことで、いつでも客観的に自分自身を振り返り、「次に何をすべきか」がわかるというわけです。
さらにサイバーエージェントにおいて重視されているのが、配属先の部署と本人のスキルのマッチングです。
「サイバーエージェントでは、適材適所という考え方をとても大切にしています。たとえば、あるエンジニアに対して周りから『このプロジェクトメンバーとしては、ちょっとスキルが足りないのではないか』という話があった場合でも、部署を変えるとそのエンジニアが認められて存分に力を発揮できるというケースがあるわけです。そのため、個々の部署が求めるスキル、そして各エンジニアが持っている能力というものを見極めながら、それぞれが活躍できる場を探し出すということも我々の仕事だととらえています」(齊藤氏)
それでは、齊藤氏は一人前のエンジニアになるまで、どれくらいの期間が必要だと見ているのでしょうか。これについて伺ったところ、「1~2年でそのレベルまで成長してほしい」という答えが返ってきました。
「1~2年で一人前のエンジニアになるというのは、けっして簡単ではないと思うかもしれません。ただ、努力を惜しまない、モチベーションの高いエンジニアであれば、けっして無理な目標ではないと考えています。とくにサイバーエージェントでは、『早く現場に出て活躍したい』と考えているエンジニアについて、研修をスキップして現場に配属するといったことも行っています。こういったエンジニアが周りにいれば、やはり『早く自分も活躍しないと』という気持ちになるでしょう。このような周囲の雰囲気によい意味で影響されて、短期間で成長するエンジニアの方は多いですね」(齊藤氏)
エンジニアとしてのスキルアップをサポートする研修制度が充実しているだけでなく、やる気のあるエンジニアと切磋琢磨しながら成長できる。こういった点もサイバーエージェントで働く魅力と言えるのではないでしょうか。
- サイバーエージェント公式エンジニアブログ
- URL:http://ameblo.jp/principia-ca
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