コレクターが独断で選ぶ! 偏愛キーボード図鑑

第9回 最高のキータッチを持つメンブレンキーボード―Libertouch

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

本記事の内容はSoftware Design掲載当時の内容であり,現在では変わっている場合があります。

はじめに

今回は最高のメンブレンキーボードの1つであるLibertouch(リベルタッチ・写真1を紹介します。メンブレンキーボードと聞くと,PCを購入したときに付属するキーボードや,市販されている比較的安価なキーボードのような印象を持たれることが多く,キータッチもそれほど良くないと思われがちです。しかし,すべてがそうではありません。Libertouchは最高のキータッチを持つキーボードです。

写真1 Libertouch

写真1 Libertouch

Libertouch

Libertouchは,富士通コンポーネント㈱が開発したUSBキーボードです。⁠キータッチの心地良さを追求したキーボード」と謳われているとおり,打っていて非常に心地良いです。キーボード自体はテンキーのついたフルキーボードで,キーボードの色が白色のものと黒色のもの,キーボード配列が日本語配列のものと英語配列のものの合計4バージョンがあります。

特徴

Libertouchは,見た目が一般に販売されているキーボードとほとんど変わらず,多少チープな印象であることは否めません。しかし,その一番の特徴はやはりキータッチにあり,キー入力をするというキーボード本来の機能にこだわったキーボードです。

一般的なメンブレンキーボードは,メンブレンシートと呼ばれるシートの上にラバーカップが乗っかった構造が多いです写真2)⁠

写真2 市販のメンブレンキーボードの分解

写真2 市販のメンブレンキーボードの分解

それに対し,Libertouchはラバーカップだけでなく,コイルバネも利用してキートップを保持しています写真3)⁠このことでキーを押したと認識させるためにキーの底まで押し込む必要がなく,より軽く柔らかなキータッチが実現されています注1)⁠

写真3 Libertouchのキー(ラバーカップとコイルバネ)

写真3 Libertouchのキー(ラバーカップとコイルバネ)

キーの荷重は45gとキーボードの中では比較的軽い部類です。メカニカルキーボードで採用されているCherryのキースイッチの中でよく使われている赤軸,青軸,茶軸,黒軸の中で一番軽い赤軸と同等と言えば,軽いタッチであることがよくわかると思います。ただこれだけだと,45gでもまだ重いという方や,重いタッチのほうが好みという方にとっては使いづらいと思われるかもしれません。そこで,Libertouchにはキーの荷重を変更できる交換用のラバーカップが付属しています写真4)⁠

写真4 交換用ラバーカップとキー引き抜き工具

写真4 交換用ラバーカップとキー引き抜き工具

交換用のラバーカップは2種類あり,キーの荷重は赤色のほうに交換すると35g,白色のほうに交換すると55gとなります注2)⁠ラバーカップはLibertouch本体にそれぞれ15個しか付属しておらず,すべてのキーを交換するには足りませんが,50個入りのものが別売で販売されています。

標準の15個だけでも,力の弱い指/強い指で打つ一部のキーだけを交換するというアプローチは可能です。たとえば,力の弱い小指で打つキーは荷重を35gと軽くしておく,親指で打つキーは荷重を重くしておくといったカスタマイズが挙げられます。この指の強さに合わせたアプローチは,同じ高級キーボードであるRealforceの変荷重キーボードでなされていますが,Realforceの場合,軽いキーと重いキーが固定されており,細かくカスタマイズはできません。Libertouchではどのキーの荷重を軽くするか,どのキーを重くするかといったことを使う側が自由に決められます。たとえば,タイピングの運指(指づかい)が特殊で小指を多く使うのでより多くのキーを軽くしたいというケースや,中指を怪我していて中指で打つキーを軽くしたいというケースなどにも対応できます。

また,Libertouchはタッチの良さだけでなく,キー入力の静音性や,キーボード自体の重量があるといった特徴もあります。静音性は一般的なメンブレンキーボードと同様に優れており,メカニカルキーボードなどと比べるとはるかに静かで,打鍵音を気にしなければならない環境でも安心して使えます。キーボードの重量も十分あり,キー入力をしていてキーボードの位置がずれてしまうということがありません。

そのほか,左の[Ctlr][CapsLock]の交換用キートップが付属します写真5)⁠これは左の[Ctlr][CapsLock]を入れ替えるためのものですが,このことからもプログラマのようなキーボードをよく使うユーザ向けの製品であるとわかります。しかし,Libertouch自体に左の[Ctlr][CapsLock]の入力を入れ替える機能は存在しません。キーを入れ替えるのであれば,OSごとに何か特別なアプリケーションを使ってキー入力も入れ替える必要があります。

写真5 交換用キートップ

写真5 交換用キートップ

注1)
キーの荷重がピークと底の中間地点で認識されます。
http://www.fcl.fujitsu.com/release/2007/20070619.html
注2)
ラバーカップを交換するために必要なキーの引き抜き工具もキーボードに付属しています。

入手方法

多くのネットショップで取り扱っています。少し大きめの量販店であれば店頭でも販売しています。キーボードの定価は18,000円ほどですが,安いところであれば12,000円ほどで買えるようです。交換用のラバーカップは,3,000円ほどで販売しているようです。


今月はLibertouchを紹介しました。Libertouchは打っていて非常に気持ちの良いキーボードで,長く使うお供として最適なキーボードと言えます。筆者は,このLibertouchこそ最高のキータッチを持つキーボードの1つであると考えています注3)⁠少し大きめの量販店などに行けば,実際に触って試せる店もありますので,ぜひとも一度触ってみてください。

注3)
筆者は普段テンキーをまったく使わないので,テンキーレスのバージョンを販売してほしいと願っています。
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著者プロフィール

濱野聖人(はまのきよと)

EmacsとPCキーボードをこよなく愛するDebian GNU/Linuxユーザ。PCキーボードは100枚以上所持。

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