コレクターが独断で選ぶ! 偏愛キーボード図鑑

最終回 プログラマに人気のプロ向けキーボード―Happy Hacking Keyboard

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

本記事の内容はSoftware Design掲載当時の内容であり,現在では変わっている場合があります。

はじめに

当連載は,今回で最終回です。最後に紹介するキーボードは,Happy Hacking Keyboardです。プログラマの間で最も人気のあるキーボードの1つと言っても過言ではないでしょう。

Happy Hacking Keyboard

Happy Hacking Keyboard(以下HHKB)は,⁠株⁠PFUが販売しているUSBキーボードです

[A]の横に[Ctrl]があることからもわかるように,独特のキー配列(UNIX配列)と,必要最小限のキーのみに絞った省スペースな形状が特徴です。省スペースであるため,ファンクションキーは単体では存在せず,⁠Fn]との組み合わせで入力します。DIPスイッチも存在し,スペースバー両隣にあるキーの割り当てを変更するなど,細かく挙動を変えられます。

現在,手に入るラインナップには次のものがあり,英語配列,日本語配列がそれぞれ存在します。

  • HHKB Lite2
  • HHKB Professional2
  • HHKB Professional2 Type-S

そのほかにもう販売されていない製品で,初代のHHKB写真1やHHKB Lite,HHKB Professionalなどが存在します。ProfessionalとProfessional2の違いは,おおざっぱにはUSBハブを内蔵しているか,していないかです。内蔵していれば,Professional2です。

写真1 HHKB(初代)

写真1 HHKB(初代)

そのほかHHKBのUSBインターフェースをBluetoothに変換できるモバイルバッテリー,交換用のキーキャップ,キーボードトランクのようなオプションも数多く存在します。これらはPFUダイレクトという直販サイトで販売されています。

HHKB Lite2

Lite2写真2は廉価版のHHKBです。キースイッチはメンブレンスイッチで,約55gの押下圧があります。そのため,後述するProfessional2やType-Sと比較すると,タイピングしていてかなり重く感じます。また,Lite2はMac専用の刻印を施したスノーホワイトのHHKB Lite2 for Macというモデルも存在します。Lite2の値段はおよそ7,000円です。

写真2 HHKB Lite2

写真2 HHKB Lite2

HHKB Professional2

Professional2写真3はHHKBの高級モデルです。キースイッチには,東プレのリアルフォースシリーズと同じ静電容量無接点方式を採用しており,押下圧は45gです。そのため,キータッチはLite2と比べると軽く,タイピングしていて疲れません。本体が白色の白モデルとチャコールブラックの墨モデルの2種類が存在します。キートップに刻印がないものも存在します注1)⁠値段は,21,000円ほどしますが,それだけの価値はあります。

写真3 HHKB Professional2

写真3 HHKB Professional2

注1)
余談ですが,刻印なしは格好良いですが,掃除のときにキーを外すと,どれがどのキーかわかりづらくなるので注意が必要です。

HHKB Professional2 Type-S

Professional2 Type-S写真4は,Professional2の静音モデルです。Professional2との大きな違いはキースイッチです。Type-Sでは静音モデルのキースイッチを採用しており,タイピング時の静音性が増しています。現在のところ,Type-Sには白モデルしか存在しないようです。値段は3万円ほどしますが,静音のためだけにこれを選ぶ価値はあります。稀(まれ)にPFダイレクトで安売りしていることがあるので,Twitterで「@PFU_HHKB」をウォッチしておくと良いかもしれません。

写真4 HHKB Professional2 Type-S

写真4 HHKB Professional2 Type-S


HHKBは種類がいくつかあるので,どれを選べば良いのか悩むかもしれません。筆者はProfessional2もしくは,Type-Sを勧めます。

その理由は,Lite2の購入を考えるのであれば,前回紹介したHHKBライクな配列の小型メカニカルキーボードを候補として考えた方が良いためです。Lite2と値段はそう変わらないのに,Lite2よりキーボードタッチが良いです。なお,Professional2とType-Sであれば,懐に余裕があるならType-Sを勧めます。静音は数千円余計に支払ってでも得る価値があります。

キー配列は,日本語配列は少し窮屈な印象が否めないため,英字配列を勧めます。

HHKBは大きめの量販店に行けば取り扱っていますので,どれを選ぶにしろ,まずは店頭で触って試してみるのが良いでしょう。

連載の終わりに

1年以上にわたって,筆者の独断と偏見に満ちた選出でキーボードを紹介してきました。かなり趣味に走った紹介もしましたが,いかがだったでしょうか。

連載では,現在,手に入るキーボードを中心に紹介してきましたが,古いキーボードでおもしろいものはたくさんあります。たとえば,メカニカルキーボードでは,Cherry軸しか紹介しませんでしたが,ALPS軸というキースイッチを採用しているキーボードもあり,愛好家が存在します。古いキーボードはeBayやヤフオク!に出品されています。接続がPS/2やADBのものもありますが,変換コネクタは探せば販売されているので,大概のキーボードは今でも使えます。

「キーボードはタッチデバイスにおされ,人気が下がっているのではないか」という危惧もありますが,筆者はそうは考えていません。キーボードはPCを扱う際に必須のデバイスで,まだまだ人気があります。日本では2ちゃんねるのハードウェア板にあるキーボード関連のスレッド,海外ではgeekhackdeskthorityなどで多くの愛好家が活発に議論を交わしています。最近では,kickstarter「keyboard」と検索すると,キーボードに関するプロジェクトも見られます。まだまだおもしろいキーボードは出てきそうです。

最後に,本連載で1人でも多くの方がキーボードに興味を持っていただけたならば,うれしい限りです。

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著者プロフィール

濱野聖人(はまのきよと)

EmacsとPCキーボードをこよなく愛するDebian GNU/Linuxユーザ。PCキーボードは100枚以上所持。

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