eラーニングシステム Moodleの活用とカスタマイズ

第2回 日本語サイトを構築する際の注意

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無償・安価なレンタルサーバでのセットアップ

最近は,Moodleが問題なくインストールできる無料または格安(月あたり500円前後)の国内レンタルサーバもいくつかあります。共用(一つのマシンを多数のユーザで同時に利用する)のレンタルサーバなので,大きな規模で本格的にMoodleを運用するのには向きませんが,試験的に運用する場合や,小規模な運用を行う場合ならば利用価値があります。

筆者のサイトにいくつかの例を挙げてあるので参考にしてください。

専用サーバでのセットアップ

自分専用のサーバマシンがある場合,またレンタルサーバでも専用サーバのコースでは,そのサーバの管理者権限を持ち,すべてを自分で管理することができます。共用レンタルサーバを用いる場合と違い,Moodleをインストールするのに必要な条件・環境を自分で整えることになります。利用規模・利用状況に合わせてサーバ性能の増強を行ったり,Webサーバやデータベースサーバの設定等の最適化を行うことも可能になります。

ここでは,筆者がよく使う,Vine LinuxCentOSの場合について,Moodleインストールに必要な環境の整備方法を例示しておきます。

※1

なお,Moodleの次期バージョンである2.0は,PHPのバージョンが5.2.8以上でないとインストールできません。Vine Linuxは標準のパッケージ(aptコマンドでインストールできるパッケージ)だけで,本原稿執筆現在,すでにこの条件を満たしています。

Vine Linux 5の場合の準備手順(Moodle 1.9.xおよびMoodle 2.0用)

すべての作業は root権限で行います。

以下のコマンドを実行

apt-get install MySQL-server MySQL-client
apt-get install php5 php5-devel php5-apache2 php5-mysql php5-xmlrpc
apt-get install zlib-devel
pecl install zip

/etc/php5/php.iniの末尾に以下のように追加

extension=zip.so
; memory_limit= 32M
memory_limit= 40M
; VineのPHP5で正常動作させるには,以下の設定が必要。
; default_charset= EUC-JP
default_charset=
; mbstring.encoding_translation= On
mbstring.encoding_translation= Off

(参考:http://moodle.org/mod/forum/discuss.php?d=73853

以下のコマンドを実行

chkconfig mysql on
chkconfig apache2 on
service mysql restart
service apache2 restart
CentOS 5の場合の準備手順(Moodle 1.9.x用)

すべての作業は root権限で行います。

以下のコマンドを実行

yum install mysql mysql-server
yum install php-gd php-mysql php-mbstring php-xmlrpc
chkconfig mysqld on
chkconfig httpd on

/etc/php.iniのmemory_limitの指定を以下のように変更

memory_limit= 40M

以下のコマンドを実行

service mysqld restart
service httpd restart

MySQLデータベースの作成

レンタルサーバであっても,専用サーバであっても,MySQLのデータベースをMoodleインストール用に作成する必要があります。phpMyAdminや,レンタルサーバで提供されるコントロールパネルなどを用いて作成するか,コマンドラインでmysqlコマンドを使って,

$ mysql -u root -p
> create database moodledb default character set utf8 collate utf8_unicode_ci;
> grant all on moodledb.* to moodleuser@localhost identified by 'mdpass';

を実行して作成します(データベース名をmoodledb, データベースユーザをmoodleuser, パスワードをmdpassにする場合⁠⁠。

cronジョブの設定

cronジョブ(定期的に実行される処理)の設定は,Moodleのさまざまな機能を正常に動作させるために必要な,大事な設定です。

http://docs.moodle.org/ja/Cronにも記述があるように,レンタルサーバの場合,cronジョブの設定は,コントロールパネルの中で行うことが多いです。専用サーバの場合は,crontab -eコマンドで

*/10 * * * * wget -q -O /dev/null http://www.example.com/moodle/admin/cron.php

のようなエントリを追加してcronジョブの設定をおこないます(もちろん,www.example.com等の部分は変えてください⁠⁠。上記の例では,10分ごとにcronジョブが実行されます。

筆者の場合,/etc/cron.hourlyのディレクトリに,以下のような実行可能なスクリプトを置いて済ませることもあります。

#! /bin/sh
for a in 0 10 20 30 40 50; do
        wget -q -O /dev/null http://www.example.com/moodle/admin/cron.php
        sleep 600
done

著者プロフィール

喜多敏博(きた としひろ)

1967年に奈良に生まれる。中学・高校時代に見た父(高校教員)の教え方に感心したことが,自分の教員としての振る舞いに影響していると今になって思う。大学・大学院時代は京都で過ごし,熊本大学に着任。現在はeラーニング推進機構および大学院教授システム学専攻 教授。工学博士(名古屋大学)。

LMS/VLE,非線形システム,電子音楽に興味を持つ。

URL:http://t-kita.net