勉強のためにMySQLをインストールしてデータを投入してみたはいいものの…バンドルされている標準のmysql
コマンドラインクライアントは、
今回はそんな悩みを解決するためのmysql
コマンドラインクライアントのTIPSとして、pager
サブコマンドを紹介します。この機能はmysql
コマンドラインクライアントの機能であるため、mysql
コマンドラインクライアント
デモンストレーション環境について
去る2015/
が、mysql-community-release-*.rpm
だったファイル名が、mysql57-community-release-*.rpm
に変わっています)
なお、mysql
コマンドラインクライアントのバージョンを確認するには、--version
オプションを利用します
オプション記法の約束事
本題に入る前に、mysql
コマンドmysql
コマンドやmysqldump
コマンドなどのクライアント、mysqld
コマンドも同様です)
mysql
コマンドの解釈する、-u
--user
)
mysql -u root
(ショートオプション 空白文字 値)mysql -uroot
(ショートオプション 値)mysql --user root
(ロングオプション 空白文字 値)mysql --user=root
(ロングオプション イコール 値)
ただし、-p
または--password
)
これは、-p
オプションは-p
に空白値のパターンが許されたとすると、mysql -p database1
は-p'your_
もしくは--password='your_
の形式しか取れないことを憶えておいてください。
pager
オプション
mysql
コマンドにページャーを指定するには、--pager
オプションを指定するか、pager
サブコマンドを利用します。百聞は一見に如かずと言います。まずは--pager
オプションにless
コマンドを指定して試してみましょう。
おわかりいただけたでしょうか。SELECT NOW()
ステートメントの結果がいつも通りターミナルに流れるのではなく、less
コマンドに渡されたかのように振る舞います。このステートメントでは1行しか結果が返らないので感慨が薄いのですが…そうですね、
information_
データベースに含まれるテーブルを一覧するためのSQLですが、less
コマンドの意味があるのではないでしょうか。さてこの出力結果を見ていると、INNODB_*
というテーブルがいくつかあるのが目につきました。less
コマンドにつなぐことができるのであれば、grep
コマンドにつなぐことも簡単です。出力結果からINNODB_*
にマッチしそうなテーブルだけをページャーを使ってフィルタリングしてみます。
想像した通りに出力されたでしょうか? カラム名の表示やASCIIで引かれた罫線だけの行は出力されませんでした。
これは、mysql
コマンドの出力結果をそのまま全てgrep
コマンドに渡したため、grep
コマンドによってフィルタリングされてしまったからです。またその一方で、61 rows in set (x.
の行は"INNODB_"を含まないにも関わらずフィルタリングされることなく出力されています。これはこの行を出力する部分だけがページャーを通さずに直接sprintf
でバッファに書き込まれているためなのですが、
さて、pager
オプションにはgrep
コマンドでフィルタリングをしつつ、less
コマンドに渡す、
とても簡単ですね。しかし、mysql
コマンドを一度終了してpager
オプションをセットするのは少し面倒です。mysql
コマンドで接続したままページャーを切り替えるためのサブコマンドmysql
コマンド以外のシェルから起動するコマンドと混同を避けるため、mysql
コマンド内のpager
サブコマンドです。そのまんまですね。
pager
サブコマンド
上記の例は、pager
サブコマンドを利用してページャーをwc
コマンドに変更した例です。引数なしのwc
コマンドに引き渡したため、pager
サブコマンドはpager
オプションと同じように空白やパイプを含んだページャーを指定することができますが、pager
サブコマンドに渡すコマンド全体をクォートしてはいけません。
クォートしてしまうと、pager
サブコマンドに渡すページャーは、
設定したページャーを元に戻すには、nopager
サブコマンドを実行します。nopager
サブコマンドはpager
サブコマンドで指定したページャーのみならず、pager
オプションで指定した値も無効化して標準出力に戻します。
便利なページャー
さて、
less
何はなくとも
less
コマンドです。出力結果が長くなる時、キーボードだけでスクロールできるのはとにかく便利です。たとえば、 シリアルコンソールでログインして作業をする場合 (つまり、 ターミナルのスクロールができない場合) などはこれが無いと泣きたくなってしまいます。 less
ですので出力内容を検索することもできます。なお、
mysql
コマンドラインクライアントはMySQLサーバからの転送を全てバッファリングしてからページャーを起動するため、巨大な結果セットに対して 「末尾を参照する」 ( less
コマンド内で"G")などの操作をしても、 そのタイミングでは通信は発生しません (すでに送信済みのものをクライアント側で操作します)。つまり、 先頭の1ページだけ見て less
コマンドを終了してしまう場合でも、結果セットの全てが転送されます。この動作を変更して、 less
のページング動作に合わせて通信を発生させたい場合は、mysql
コマンドラインクライアントに-q
( --quick
)オプションを指定します。 grep -v Sleep
SHOW PROCESSLIST
を見る時によく使います。スリープしているスレッドを除外した、今動いているスレッドのみを一覧することができ、 とても便利です。派生として egrep -v Sleep|Binlog|handlersocket
などもあります(レプリケーションスレーブのステータスである Binlog Dump
やBinlog GTID Dump
、HandlerSocketプラグインのスレッドも除外) cat > /dev/
null 結果セットを全て
/dev/
にリダイレクトし、null 何も表示させません。主に、 結果セットが大きく画面に表示したくない、 かつ、 レスポンスタイムのみ確認したい場合や、 キャッシュに載せるためだけに実行する場合に利用します。ただし、 less
の時と同じく何も表示されないとはいえ、MySQLサーバは mysql
コマンドラインクライアントに対して結果セットを送信しきっており、mysql
コマンドラインクライアント側で破棄されるだけであることに注意してください。wc
結果セットのサイズをとてもざっくりと計るために使います
(行ヘッダや罫線が含まれている分の誤差や結果セット以外のプロトコルのやり取りなどがありますので、 正確な転送量ではありません)。正確ではないとはいえ、 この値で40MBもの値が返ってきたらそれは結果セットのサイズが大きすぎるんじゃないか…という推測の時に使ったりします。 tee
tee
コマンドを通せばオペログが取れるんじゃないか! という思いもありますが、残念、 ページャーが通るのはクエリの結果だけなので、 肝心の実行したクエリーを記録することができません。そもそもそういう用途に tee
オプションやtee
サブコマンドがあります。
他にもvim -R -
、gzip -c > /tmp/
、ssh ipaddr "cat - > ~/result.
、logger
など、