開発のボトルネックはどこだ?―迷えるマネージャのためのプロジェクト管理ツール再入門

第14回クラウド時代だからこそIT運用部門の負担が増大!JIRA Service Deskで改善しよう(後編)

JIRA Service Deskの特長

前編では、社内のIT部門が行う「問い合わせ管理」⁠FAQの整備」⁠運用分析」といったITサービスマネジメントにかかる負担を軽減するために、ツールの導入検討をお勧めしました。そのツールの1つとして紹介したJIRA Service Deskを、もう少し詳しく見てみましょう。

JIRA Service Deskには次のような特長があります。

わかりやすいインターフェース

わかりやすいメニュー画面が簡単に作れます。JIRAの各項目をユーザにわかりやすい名前で、説明文とともに表示できます図1⁠。

図1 わかりやすい項目名と説明文を表示
図1 わかりやすい項目名と説明文を表示
FAQと連動した問い合わせフォーム(リアルタイム検索)

入力された文字列でFAQを検索し、関連するものをユーザに提示することができるため、問い合わせ件数を減らす効果があります図2⁠。

図2 関連するFAQをリアルタイム検索
図2 関連するFAQをリアルタイム検索
SLA

解決までの時間やユーザを待たせる時間について、SLA制限を登録できます図3⁠。営業カレンダーや営業時間を設定できますので、時間は営業日で計算されます(例:24時間 → 1日の営業時間が8時間の場合、3営業日⁠⁠。

図3 課題解決までのSLA制限登録
図3 課題解決までのSLA制限登録
状況の表示

各課題の状況を、緑はOK、赤はNGといったようにSLAと比較して表示します図4⁠。

図4 各課題の状況をSLAと比較して表示
図4 各課題の状況をSLAと比較して表示
レポーティング

SLAの達成状況をグラフで確認できます図5⁠。

図5 SLAの達成状況を示すグラフ
図5 SLAの達成状況を示すグラフ
JIRA製品との統合

JIRA Service Deskは、ビジネスプロセス、課題管理、プロジェクト管理、バグトラッキングとして多く利用されているJIRAの基本機能を利用できます。JIRAの機能やアドオンと組み合わせることで、アカウント管理、チャット、ナレッジ共有、ストレージ、文書管理などと連携できます。APIも公開されており、アトラシアン製品以外との連携も可能です。

導入しやすいライセンス形態

JIRA Service Deskのライセンスは、問い合わせの窓口であるエージェントのみが課金対象となります図6⁠。したがって、全アカウント数分の契約が必要なソフトウェアや、ユーザ数無制限であってもサポート費用が高いソフトウェアと比べて低コストで導入できます。

図6 課金対象となるのはエージェントのみ
図6 課金対象となるのはエージェントのみ

航空業界でも活用されるJIRA

JIRAを構成管理システムとして活用している事例として、1日約800便、搭乗者10万人以上の国内線の予約・発券から搭乗までのエアライン業務を扱う中枢システムがあります。

このシステムでは、JIRAの導入によって次のような効果が見られました。

  • 他社製品からJIRAへの移行でライセンスコストが約10分の1になった
  • 誰が、いつ、何を変更したかという履歴管理(トラッキング)ができるようになった
  • 利用者からの操作に関する問い合わせが少なく、スムーズに導入できた

このほかにも大手SNS企業のヘルプデスクなど多くの導入事例があります。

IT業務、ソフトウェア開発の統合業務基盤として

JIRA Service Deskを含むJIRA製品はDevOps(デブオプス)への活用もできます。DevOpsには、⁠測定・分析」⁠共有」⁠自動化」⁠コラボレーション(コミュニケーション⁠⁠」の要素が必要です。

異なるカルチャーを持つ「開発部門」「運用部門」が効率良く連携するために必要な機能を、JIRA製品を含むアトラシアン製品は持っています。

たとえば、運用部門からのユーザニーズをとらえた変更要求に対して、開発部門はソースコードを修正し、ビルド・デプロイを行います。それに対して運用部門がサポートを行う、サポートを行っていく中で新たなユーザニーズを把握していく。その情報をプロセスとして管理でき、履歴(トラッキング)まで行うことができます。このサイクルこそが継続的ITシステム運用の姿ではないでしょうか。

今後、IT部門やソフトウェア開発部門の統合業務基盤として、IT運用のフレームワークであるITILやDevOpsに対応することは必要な要素だと思われます。

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