目指せ100万円!「第1回察知人間コンテスト」優勝への道~ARアプリ開発キット「SATCH SDK」入門~

第10回 ついにグランプリ決定!第1回察知人間コンテスト結果発表

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★★★★★~5stars

2番目に登場したのは,チーム5starsの「★★★★★~5stars」です。このアプリは,本の表紙をかざすことでAmazonのカスタマーレビューを知ることができるというもの。本を購入する際の参考に有効なレビューですが,購入した本が期待した内容と違っていたということもあります。実際に書店で本を探す方法も有効ですが,たくさんの本の中から目的の本を見つけることも大変な作業です。そこで,本の表紙をアプリからかざすことでAmazonの評価(星の数)をアニメーションで表示させるようにしました。

チーム5stars

チーム5stars

複数の本の表紙を同時に認識して星を表示することもでき,実際のデモでは星が表示されるたびに拍手がわき起こっていました。さらに,星をタップすることで,Amazonのカスタマーレビューのサイトを開くこともでき,その場で詳しい評価を確認することもできます。アプリの仕組みは,本の画像情報とISBN番号を対応させたデータベースを作成し,認識した本の画像をISBN番号に変換,それをキーにサーバへリクエストを送っています。サーバからAmazonのカスタマーレビューを取得し,レイティングの数値を取り出してSatchに返しているといいます。

★★★★★を実行している様子。カバーに★が表示される

★★★★★を実行している様子。カバーに★が表示される

チーム5starsによると,細長い画像の認識が苦手なこと,認識する対象の数が50に制限されることが課題であるとしました。さらに実用化に向けたイメージとして,たとえば書店でフロアごとに本のトラッキング情報をサーバに用意することで,アプリを活用できるようになります。また,書店や出版社のお勧め情報をPOPとして表示したり,本の索引情報を参照できるようにすることも可能になる。対象は本だけにとどまらず,CDやDVDにも対応できるため,CDショップやレンタルビデオ店でも活用できると可能性を示しました。デモでは実際に,CDのラベルから評価情報を表示させていました。なお,ここで使われたのは秋田県のローカルヒーローや出身歌手の作品でした。チーム5starsは秋田県にあるのです。

審査員からは,⁠膨大なデータのトラッキングに対しては現在,約50に制限されています。また,データベースの参照にはフィルタをかけて特定するという形になります。将来的にはサーバ連動の仕組みを開発中であり,サーバ側で認識できるよう努力を続けています(小林氏)⁠今回はAmazonのAPIを活用していますが,mixiやFacebookなどといったソーシャルネットワークのAPIを活用することで,友達などの評価も得られるようになると思います(鈴木氏)⁠といった意見がありました。

顔N'S(ガンズアンドソーシャル)

3番目に登場したのは,雑魚雑魚による「顔N'S(ガンズアンドソーシャル)⁠です。怪しい装束で登場した二人組「雑魚雑魚」がプレゼンを行ったのは,顔の動きで楽器を演奏するというもの。また,それを記録しておき,ソーシャルアプリと連携してランダムな仲間とアプリ上でバンドを組み,曲を演奏できるアプリです。楽器は「ヴォーカル」⁠ギター」⁠ベース」⁠ドラム」の4種類が用意されており,顔の動きで演奏します。

チーム雑魚雑魚

チーム雑魚雑魚

具体的には,Satchの顔認識機能を活用し,自分の顔をアプリ上に写すことで「顔ズ(ガンズ)⁠のメンバーになり,その証にロックな髪型が顔の映像にオーバーレイ表示されます。認識されるとリズムが鳴り始め,リズムに合わせて顔を上下左右の4方向に向けることで,各パートの音色が再生されるのです。現時点では実装されていませんが,演奏が終わると顔の回転パターンと音色がサーバにアップされ,ユーザを4人そろえてジャムセッションをすることも可能になるといいます。

将来的にはこのようなセッションを実現できるようにしたいとのこと

将来的にはこのようなセッションを実現できるようにしたいとのこと

シンプルながら「誰でも簡単に楽器が演奏できる」ことをコンセプトにしたといいます。実際のデモでは,画面に表示された4人のユーザが同時に顔の向きを変えるのがユーモラスで,会場から笑いが起き,大いに盛り上がりました。審査員からは「⁠顔ズ』という名前だけで,よくここまで引っぱったなというのが率直な印象ですが(笑)⁠顔認識で演奏しようという発想がバカバカしくてロックだと思いました。楽しかったです(野崎氏)⁠

「Satchには顔認識機能があって,今回応募作品にも顔認識機能を活用したものが数多くありました。今は顔の動きを活用していますが,本当に認証に使ってもいいでしょうし,複数の認識を重ね合わせるなど多彩な活用法があると思います。KDDIでも「てのりん」というアプリを出していますが,顔や手のひらは学習することなく使うことができるので活用性が高いと思います(小林氏)⁠事前審査のとき,審査員までデモに参加したのですが,これがすごく楽しかったんです。飲み会のときに役割分担して使えば『なにこれ!』みたいな感じで盛り上がれると思いました(西村氏)⁠といった意見が出ました。

ARレントゲン

最後のプレゼンは,ARレントゲン制作チームによる「ARレントゲン」でした。このアプリは,文字通りにいろいろなもののレントゲンを見ることができるという,学習教材などに有効なもの。動物や昆虫,飛行機,建物といった13種類のアイテムが用意されており,手のマーカーから読み出します。マーカーで表示されるアイテムは3Dモデリングされたもので,拡大や縮小,角度を変えて見ることができます。さらに,シリンダーのマーカーを使うことで,シリンダーをかざした部分の中身,つまり,馬の場合はその骨格を見ることができます。

ARレントゲン制作チーム

ARレントゲン制作チーム

さらに別のマーカーをかざすことで,プラスアルファの動きを加えることができます。馬の場合は走り出したり,鳥の場合は飛び始めます。デモでは機能を紹介するたびに歓声が沸き起こりました。クモや飛行機,風車小屋なども紹介され,そのモデリングも精密さにも会場から感嘆の声が漏れました。ただし,モデリングのために鳥の丸焼きを研究したり,博物館で撮影しようとして怒られたといったエピソードも紹介され,会場は大いに盛り上がりました。プラスアルファの機能も,飛行機を操縦できたり,風車小屋に風を送るなど細かいところまで作り込まれていました。

馬にARレントゲンを当てた様子。骨まで細かく表現されている

馬にARレントゲンを当てた様子。骨まで細かく表現されている

クモにARレントゲンを当てた様子。血管までくっきり映しだされた

クモにARレントゲンを当てた様子。血管までくっきり映しだされた

風車のデモ。風車の歯車の他,内部に人が動く様子まで表現された

風車のデモ。風車の歯車の他,内部に人が動く様子まで表現された

続いて,顔認識を使用したアプリも紹介。これは男性か女性かを選び,カメラに写した顔に3Dの顔をかぶせて表示します。さらにシリンダーのマーカーをかざすことで,骨格が表示されるというものでした。最後に今後の方向性を動画で紹介,マーカーを使わない認識や,実物を対象としたレントゲン表示などを説明しました。この中には第二次審査で審査員からリクエストされた要素も反映されており,その対応の早さにも驚きの声が上がりました。

審査員からは,⁠クリエイティブに対する追求がすごいなと思いました。ひとつひとつのアイテムにこだわりがあり,第二次審査での指摘をすぐに反映してきたスピード感も素晴らしい。⁠太田氏)⁠という意見がありました。