書いて覚えるSwift入門

第33回 ゆくXくるX

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iPhone Xの購入

本稿を読者のみなさんがお読みになるのは年末年始ですが,その1月前の執筆現在,今年出る予定のApple製品は,HomePodが延期されてあますところiMac Proだけとなりました。最大の目玉であるiPhone Xも,品不足で来年になるかと危惧したものの,筆者の手元に届いており(写真1)⁠animojiがはかどっております図1)⁠

写真1 iPhone Xラインナップ

写真1 iPhone Xラインナップ

図1 animoji

図1 animoji

iPhone Xと言えばホームボタンがなくなったことと,⁠全画面-顔面センサー=鬼ディスプレイ」のほかにも,本体価格がついに$1,000の大台に乗ったことも話題となりました。ストレージ256GBの上位機種にいたってはMac Bookとほとんど値段が変わりません。それだけの価値はあるのでしょうか?

できることを列挙するのであれば,MacBookはiPhoneの足元にも及びません。iPhoneなら単体で接続できるLTEネットワークに接続するのにMacBookはほかのスマートフォンの力をテザリングで借りなければいけませんし,Face IDはおろかGPSさえ非搭載。カメラにいたってはビデオ会議用のしょぼいインカメラだけです。

しかし,MacBook――というよりMac――でなければできないことが1つ残っています。それがアプリケーションの開発。iPhoneの登場以来ずっと「そういうものだ」と思われてきましたが,その理由がハードウェアの能力不足でないことはiPadとSwift Playgroundsがすでに証明しています図2)⁠むしろXcode for iPadがまだないことのほうが不思議なぐらいです。

図2 Swift playgrounds

図2 Swift playgrounds

まだiOSデバイスはおろかMacにIntel入っていないころからApple製品と付き合ってきた筆者からすると,この状況は少々物足りない。さすがに電源を入れたらBASICインタプリタが立ち上がり,プログラムを打ち込まなければ使えない8ビットCPUの時代に戻れとは思いませんが,かつてあったHyperCard図3に相当するものがiPhoneにないことには少なからぬ物足りなさを感じています。

図3 なつかしのHyperCardをiPhone Xで

図3 なつかしのHyperCardをiPhone Xで

HyperCardの何が画期的だったかと言うと,プログラミングとオーサリングの境界をなくしたこと。データとコードが渾然一体となった「スタック」は,⁠製品」にするには滅法不向きでも,⁠動的コンテンツ」としてみた場合には最高で,それこそTwitterにつぶやく程度の気軽さでスタックを作っていたものです。

そのころよりコンピュータができることは飛躍的に増えました。市場も幾何級数的に大きくなりました。しかしそのことがかえってプログラミングというものの敷居を上げたのだとしたらなんと寂しいことでしょう。

筆者がSwiftを「買った」理由の1つは,ますます敷居が上がっていくようにも見えるプログラミングという行為を,⁠玄人」をも納得させつつ「素人」に少しでも取り戻そうとした点にあります。スマートフォンにしかできないことがこれだけ増えた今,そろそろPlaygrounds for iPhoneが欲しくなってきませんか?

著者プロフィール

小飼弾(こがいだん)

1969年生まれ,東京都出身。元ライブドア取締役の肩書きよりも,最近はPokemon GOのガチトレーナーのほうが有名になりつつある……かもしれない永遠のエンジニアオヤジ。

活躍の場はIT業界だけでなく,サブカルからアカデミックまで多方面にわたり,ネットからの情報発信は気の向くまま毎日毎秒! https://twitter.com/dankogai,ニコニコチャンネルは,http://ch.nicovideo.jp/dankogai,blogはhttp://blog.livedoor.jp/dankogai/

当社刊行書籍は『小飼弾のアルファギークに逢ってきた』『小飼弾のコードなエッセイ』など。他にも著書多数。

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