うまくいくチーム開発のツール戦略

第26回Atlassian製品とTableauを連携させて、いろいろと分析してみよう(後編)

手順(つづき)

プロジェクト管理ツールであるJiraに蓄積されたデータをTableauを使って可視化し、業務の分析に活用するのが今回の目的です。前編ではJIRAとTableauを連携させるまでをお話しました。ここからは、使い方を紹介しながら分析のポイントを確認します。

レポート作成

図1は作業工数の予実対比をEVM(Earned Value Management)のイメージで集計したものです。

図1 作業工数の予実対比の集計
図1 作業工数の予実対比の集計

本記事では、レポート作成に関する各種TIPSを割愛させていただきますが、従来のJIRA標準レポートでは実現が難しかった時系列データの分析も可能になります。

集計・分析

いくつかのレポートを組み合わせ、ダッシュボードを作成し、アクションを用いて連動させることで、過去のある時点におけるプロジェクトの状態を可視化できます。

いつ頃からプロジェクトの進捗遅延が始まったのか?

どういった作業で遅延の傾向が強いのか?

遅延要因が個別の人やタスクに依存しているか?

全体の管理プロセスの問題か?

レポートを動かし、さまざまな切り口でデータを見ながら考えることで、原因を追究することができます図2⁠。

図2 レポートを組み合わせた分析
図2 レポートを組み合わせた分析

おわりに

本記事では、簡単なレポートを作成するまでの手順をご紹介しました。実際に活用を進める場合においても、第1のSTEPとしていきなり深い分析を実施するのではなく、日常的に使っているデータをTableauのレポートに置き換えることから始めてみることをお勧めします。

魅力的なツールを手にしたことで、凝った分析を実施したいと思われるかもしれませんが、

  • データソースの量が足りない(履歴や傾向を見るのに情報量が不足している)
  • データソースの質(実業務と一致する精度でのデータ管理、多軸分析用のマスタ情報整備、類似データの名寄せ)が不十分
  • 深い分析に必要なTableauのレポート作成の習熟度(非定型分析のような)が不足している
  • レポートの作成や分析に充てる業務時間が確保できない

というような問題を抱えているケースがあり、導入後すぐに意図した成果(分析結果)が得られない可能性があります。

一方で、基本的なレポートを作成するまでのプロセスは簡単なので、Tableauのさまざまな便利な機能により容易にレポート作成を始めることができます。

このことを踏まえ、次のようないくつかの段階を経て目標に至るように、自社の状況に合ったロードマップを作成されるのがよろしいかと思います。

  • 第1段階:業務負担の軽減(既存の報告レポートをTableauに置き換え)
  • 第2段階:利用範囲の拡大
  • 第3段階:指標の早期公開や意思決定の迅速化(複数データソースを連結)
  • 第4段階:分析力向上/業務改善

なお、リックソフト⁠株⁠は、米Tableau Softwareとリセラー契約を締結し、Atlassian製品とTableauの連携や分析ソリューションのサポート支援ができるようになりました。Tableau製品、Atlassian製品に関するご相談は、リックソフト⁠株⁠までお気軽にお問い合わせください。

米国Atlassianから、2年連続で
「Top new business APAC」を受賞。
Atlassianセールスパートナーとして
アジアパシフィックで1位の証
米国Atlassianから、2年連続で「Top new business APAC」を受賞。Atlassianセールスパートナーとしてアジアパシフィックで1位の証

日本だけでなく、アジア圏でもアトラシアン製品販売のトップエキスパートであるリックソフトのWebサイトでは、各アトラシアン製品の体験版を提供しているほか、アトラシアン製品専用のコミュニティも運営しています。まずはアクセスしてみては!

リックソフトJIRAデモ環境
https://www.ricksoft.jp/demo/

本連載の過去記事はページ下のバックナンバーよりご覧になれます。

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