きちんと学びたいテストエンジニアのためのTestLink入門

第1回 テスト管理システムとは何か?

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

テスト管理システムを使わないテスト管理

では,テスト管理システムを使わないテスト管理では,どのような問題が起こってくるのでしょうか。以下のような経験はありませんか……?

よくある事例1:ワープロソフト・スプレッドシートの弊害!

【状況】
  • テストケースをワープロソフトで記述
  • テストケースをスプレッドシートで記述
【この場合の問題点】
  • ファイルが分かれているためテストの進捗具合を一目で把握しづらい
  • 複数人で編集できない(⁠⁠他の人が開いているので編集できません」とのワーニングを受ける)

よくある事例2:バージョン管理が大変!

【状況】
  • 共有サーバなどにファイルを保管
  • CVSやSubversionなどでファイルのバージョン管理
【この場合の問題点】
  • ファイルが散乱して正しいファイルがどれか分からない
  • だんだんバージョンの追跡が困難になる
  • 異なるファイル内にテストケースが重複する

よくある事例3:管理がバラバラ!

【状況】
  • バグなどはツールで管理
  • テスト結果はスプレッドシートなどでドキュメントとして管理
  • テスト結果にバグIDなどを記載
【この場合の問題点】
  • 内容が変わったときに更新が追い付かなくなる
  • ドキュメント間の整合性が取れなくなる

図3 よくある事例

図3 よくある事例

上記の3つ以外にも,たとえば……

  • リーダーがテストの結果の集計と担当者への割り当て指示を行うだけで1日終わっている
  • 最新の総テストケース数を聞いてもすぐ答えられない(テストケースを全部数えないといけないから)
  • インシデントを指摘すると「それテストケースのミスで最新版のテストケースでは問題ないから」と言われる
  • 仕様が変わったのだが,どのテストケースを変えればいいのかわからない(インシデント報告に対し「仕様が変わったから」と回答がくる)

といったことがあるでしょう。

テスト管理システムを使ったテスト管理

前節のような問題が目立つようになってきたらテスト管理システムを導入すると良いでしょう。テスト管理システムを導入することの利点をまとめると以下のようになります。

テストプロセスのマネージメント
  • テスト実施状況・実行結果の把握
  • テスト担当者の割り当て・管理
  • 既存のテストのノウハウを資産として蓄積
テストケースの管理
  • テストケースのバージョン管理
テストケースの標準化・再利用
  • 開発用ツールとテスト管理の連携強化
  • バグ管理システムとの連携

テストマネージャの方々は,ツールにできることはツールに任せることができれば,本来のマネージメント業務に専念できるようになるでしょう。テストケースの管理や実施結果の掌握だけで時間が過ぎてしまうということが防げるでしょう。また,テストエンジニアの方々にも,ツールのフォーマットに従うことで,テストケースの書き方を統一できるなどのメリットがあるでしょう。

さらに,テスト管理システムの導入が,テストプロセスの「標準化」を大きく手助けしてくれるでしょう。つまり,プロジェクトや担当者が変わっても手順が共通化されることになります。また,テストの再利用などにも貢献してくれると思います。

図4 テスト管理ツールを使う利点

図4 テスト管理ツールを使う利点

テスト管理システムの導入

ここまでお読みになって,テスト管理システムの導入を検討してみようかなと思っていただけたでしょうか。ご興味を持っていただいたならば,実際にテスト管理システムの情報を集めてみましょう。たとえば,以下に挙げるソフトウェアのように有償でも無償でも,さまざまなテスト管理システムがあります。

有償(商用)
無償(オープンソース)

それ以外のソフトウェアの情報も以下のサイトにまとめられているので,ご参考にしてみてください。

まとめ

第1回では,テスト管理システムを導入することの利点についてご説明しました。次回は,いよいよTestLink自体の機能について説明していきます。

著者プロフィール

TestLink日本語化部会

ソフトウェアテスト技術者交流会の有志による,テスト管理システムTestLinkを日本語化するプロジェクト。発足以来活発な活動を続けている。