VPSでRuby開発をしよう
第4回 Railsでの開発は本当に簡単か?
Ruby連載の第4回目にあたる今回は,Webスケジューラ作成をちょっとお休みして,Ruby on Rails(以下Rails)ではアプリを本当に簡単に作成できるのかを実験してみましょう。
本連載では,@YMCのVPSサービスを用いて説明を進めていきます。利用するVPSサービスにより細かな違いはありますが,大きな流れは同じですから,ご利用の環境に合わせて読み替えてください。
“とりあえず動く”アプリを作ってみる
プロジェクトの作成
いきなりですが,名前と電話番号,メールアドレスからなる人名録を作ってみましょう。以下のコマンドを実行します。
$ rails -d mysql addrbook
引数のうち,「-d mysql」はDBエンジンにMySQLを使用するという指定,「addrbook」は作成するプロジェクトの名前です。どんな名前でも構いませんが,わかりやすくて長すぎない名前がいいでしょう。
プロジェクト名と同じaddrbookというディレクトリができますので,カレントにします。lsコマンドで見てみると,たくさんのサブディレクトリが作成されています(図1)。
図1 Railsにより作成されるサブディレクトリなど
$ ls -la total 68 drwxrwsr-x 13 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 . drwxr-sr-x 6 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 .. drwxrwsr-x 6 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 app drwxrwsr-x 5 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 config drwxrwsr-x 2 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 db drwxrwsr-x 2 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 doc drwxrwsr-x 3 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 lib drwxrwsr-x 2 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 log drwxrwsr-x 5 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 public -rw-rw-r-- 1 webmaster webmaster 307 Jun 12 11:24 Rakefile -rw-rw-r-- 1 webmaster webmaster 10011 Jun 12 11:24 README drwxrwsr-x 3 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 script drwxrwsr-x 7 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 test drwxrwsr-x 6 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 tmp drwxrwsr-x 3 webmaster webmaster 4096 Jun 12 11:24 vendor
続いて,以下のコマンドを実行しましょう。
$ script/generate scaffold item name:string phone:string mail:string
最後の3つの引数は,データ型の定義です。ここでは,名前を格納するname,電話番号を格納するphone,メールアドレスを格納するmailの3つを定義し,いずれも文字列型(string)としました。
scaffoldの扱いが変更に
上記のコマンドをよくご覧いただくと,「scaffold」という語が入っています。これはRailsのscaffold(足場)という仕組みを利用しています。
以前のRailsではコントローラファイル(例: items_controller.rb)に「scaffold :item」という行を追加したのですが,現在はgenerateコマンドに扱いが変わりました。以前のRailsを使っていた方が引っ掛かりやすいポイントですので,ご注意ください。
次に,このプロジェクトからMySQLデータベースを利用するための設定ファイルを一部変更します。config/database.ymlファイルのdevelopmentセクションを,viなどのエディタでリスト1のように変更してください。赤文字の部分はMySQLのユーザ名とパスワード,青文字の部分は作成するMySQLのデータベース名です。いずれも次の手順で使用します。
リスト1 config/database.ymlの変更箇所
(略)
development:
adapter: mysql
encoding: utf8
reconnect: false
database: addrbook_development
pool: 5
username: addruser
password: addruser
socket: /var/lib/mysql/mysql.sock
(以下略)
MySQLでの準備
ここでいったんRailsから離れて,MySQLで作業します。コマンドラインでの操作方法を紹介しますが,phpMyAdminなどのツールを使ってもかまいません。
まずはMySQLにログインして,このプロジェクト専用のユーザを作成します。
$ mysql -u root -p
(略)
mysql> CREATE USER 'addruser'@'%' IDENTIFIED BY 'addruser';
続いて空のデータベースを作成し,今作成したユーザaddruserに権限を与えて,MySQLからログアウトします。
mysql> GRANT ALL PRIVILEGES ON `addrbook_development` . * TO 'addruser'@'%' WITH GRANT OPTION; mysql> FLUSH PRIVILEGES; mysql> exit
これで,MySQLでの準備作業が終わりました。
MySQLテーブルの作成
次は,実際にデータを格納するMySQLテーブルの作成です。といってもMySQLのクエリを実行する必要は無く,シェルで以下のコマンドを実行するだけです。
$ rake db:migrate
これだけでscript/generate scaffold~での指定に基づき,addrbook_developmentデータベースにitemテーブルが作成されます。


