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2019年9月第2週Android 10が正式リリース、Pixelシリーズ以外でも即日利用可能に

Android 10が正式リリース、Pixelシリーズ以外でも即日利用可能に

9月3日、GoogleはAndroid Qの名称でベータ公開していた「Android 10」の配信を開始しました。

Android 10からは、お菓子の名前のコードネームが廃止されて、正式名称には付かなくなりました。なくなったのはこれだけで、特徴的な新機能が追加されているのでご紹介します。

折りたたみデバイスへの対応

発売延期になっていたGalaxy Foldが、お膝元の韓国で9月6日に発売になりました。

発売が9月に延期されて、偶然にもAndroid 10のリリースと重なりました。そのAndroid 10では、折りたたみディスプレイ搭載の端末を考慮した機能が追加されています。

YouTubeに公開されている動画でもわかるように、ディスプレイを展開してもアプリの状態が維持されて動作し続けます。こうした動きは、これまでアプリが管理していましたが、OSが管理するようになります。

新しいジェスチャーナビゲーション

Android 9 Pieから変化の兆しは見えましたが、Android 10ではナビゲーションバーが廃止されて、ジェスチャーでナビゲーションするようになりました。

ジェスチャーナビゲーションは、iPhone Xシリーズ風の操作で、画面下から上にスワイプする操作でホーム画面に戻る、画面下から上にスワイプして長押して離すとアプリを切り替える、左端または右端からスワイプすると戻ります。従来の3アイコンのナビゲーションバーは、設定を変更すれば使えるようになっています。

Pixel 4は、空間の手の動きを読み取るモーションセンスに対応することが発表されています。この機能は、Soliレーダーによって実現されますが、これのレーダーが60GHz帯の電波を使うために、一部の地域のみ利用可能で日本では利用できないとも言われています。

ダークテーマ

ダークテーマはAndroid 10だけではなく、iOSやmacOSも対応しているので流行りと言ってもよいほどです。

全体のトーンが抑えられて目に優しいだけではなく、有機ELディスプレイを搭載する端末では、バッテリの持ちが良くなる効果もあります。Googleのレポートでは、有機ELディスプレイを搭載するPixelで、Googleマップのノーマルモードとナイトモードでの消費電力を比較したところ63%低下したとしています。

指定したバッテー残量やスケジュールで、ダークテーマに切り替える機能が搭載されています。

スマートリプライ

Android 10では、プライバシーを考慮して端末上で機械学習を行い、メッセージへの返信の提案だけでなく、コンテキストアクションの提案も行います。たとえば、受信したメッセージに住所が含まれていれば「地図を開く」のアクションの提示されて、タップするとGoogleマップを起動できます。アプリは独自のアクションを指定したり、オフにもできます。

強化されたセキュリティ

Android 10では、前面でアプリを使用している時だけ位置情報の取得を許可するオプションが追加されました。これまでは「常に許可する」「許可しない」のどちらかで、アプリがバックグラウンドで動作している最中の決定権は、ユーザにありませんでした。

位置情報の扱いは、Android 10でようやくiOS並になりました。この機能が追加されたことで、ユーザの意識しないところでデータ収集ができないので、プライバシー保護の向上につながります。また、バッテリへの負担軽減も期待できます。

バッググラウンドでも位置情報を得ることを前提に作られたアプリは、造りを見直す必要があります。時流に合わせるのであれば、バックグラウンドでの動作は、ユーザに明示するだけではなく、使う・使わないの操作をユーザに求める造りが良いかもしれません。

もう1つ、Android 10では外部ストレージの扱いがより厳格化されます。 アプリごとに専用の管理領域が設けられて、ファイルはここに保存されます。また、他のアプリから原則アクセスできません。アプリ側の対応が必要になるので、Android 10で混乱があるとすれば、これに関わる部分となりそうです。

Pixelシリーズ以外でも即日利用可能に

Android 10の配信開始と同時に、Pixelシリーズ以外にもEssential PhoneとXiaomi Redmi K20 Proに対してAndroid 10が提供されました。

Essential Phoneは、カスタマイズしないAndroidが搭載されているので、同時アップデートも理解できますが、Redmi K20 Proには、XiaomiがカスタマイズしたAndroid「MIUI」が搭載されているので、同日にアップデートが提供されたのは驚きです。

Android Authorityの記事で、2018年第三四半期以降に発売された端末で、最新OSに更新されているのが、Nokiaが96%、Samsungの89%に続いてXiaomiが84%になっていると紹介されています。Xiaomiの迅速なアップデートは、僅差のSamsungを追い抜くための動きかもしれません。

Android Authorityの記事は、新たな端末を購入するときに、どのメーカーの端末を選ぶべきかの参考になります。

今週は、このあたりで、また来週。

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