エンジニアの実践的キャリアアップ思考法-目標は後からついてくる

第5章 タスクの具体的な整理方法

2008年10月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1 分

目の前の仕事に追われていたら

これまで見てきたように,現時点で何がやりたいのかわからない場合,今の仕事に自分なりの意味付けをして集中して取り組んでみるとよいでしょう。しかし日々仕事をこなす中でさまざまなタスクが舞い込んできて,意味付けをする前に片っ端から片付けなければならない「追われた状態」が続くこともあるかと思います。

このような場合は,いろいろな所で言われているように,緊急/重要マトリクスを使ってまず分別する習慣をつけましょう。これは時間管理を行うツールとして知られていますが,もうひとつ,自分にとって何が重要なことなのかを視覚的に認識するための便利なツールでもあります。

緊急/重要マトリクス

緊急/重要マトリクス

緊急/重要マトリクスの使い方

このマトリクスにおいて,その仕事が緊急かどうかはその時点で決まっていますが,重要かどうかは人それぞれ違います。はっきりと目標を持っている『○○です』タイプは,その目標に照らし合わせて重要度を測っていくのですが,はっきりとした目標を持たない『なんだろう?』タイプの場合,ここにその仕事に意味付けをすることが活きてきます。自分なりに意味付けがしっかりできるものほど重要だと判断することになるからです。

ですので,あるタスクが舞い込んだときに,取り掛かる前にまずこのマトリクスのどの象限に収まるのかをはっきりさせましょう。それができたら次にどの象限のタスクから取りかかるのか考えてみましょう。

優先順位としてまずAの事象にあるタスクが最上位に来ますが,次はどこでしょうか?片っ端から片付けている感覚のときは,迷わずCのタスクから取り掛かっていると思いますが,実はBのタスクを意識的に優先させて取り掛かることが大切です。なぜならBに分類した仕事は『特に期限が近いわけではない(もしくは期限がない)が,自分の中でしっかり意味づけができた仕事だと判断した』からです。

やむを得ずCのタスクをやらなければならないこともありますが,その際にも,重要なのはBのタスクであることは,頭のどこかで意識しておきましょう。そしてそれらの仕事にしっかり集中して取り組み,その先に何が待っているのかを楽しみながら,成り行きに任せてみてください。

おわりに

さて,今回は明確な目標が定まっていない場合に,どのように目の前の仕事と向き合っていけば良いかについて触れましたが,もう一度大切なことを整理すると,次のようになります。

  1. 焦って現在の自分を見失わないこと(しっかりと棚卸しをする)
  2. 周囲の意見はある程度参考にしても,判断するのは自分の感覚で(仕事に自分なりの意味づけをする)
  3. 意味づけをした仕事に集中して取り組む(タスクの優先順位付けを忘れずに)
  4. そして成り行きに任せてみる(アンテナも立てておく)

以上のことができていれば,自分の中で納得した状態で,充実感を得ながら仕事への取り組みができるようになります。そして,将来的な目標になる『やりたいこと』も自然と見えてくるかもしれません。

著者プロフィール

室井啓臣(むろいひろおみ)

福岡県田川郡出身。情報工学系大学院修了後,総合電機メーカーにて動画配信システムの技術支援や,携帯電話の機能設計に携わる。現在は株式会社パソナテックに所属し,これまでエンジニア約1,000人に対してキャリアカウンセリングを行う。キャリアアドバイザー。

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