2008年度日本OSS貢献者賞受賞者インタビュー

第5章 受賞者インタビュー(4)─宮原 徹氏

2008年11月17日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

受賞内容

「オープンソースカンファレンス」を立ち上げ,中心的な立場で活動をリード

プロフィール

株式会社びぎねっと 代表取締役社長。2006年12月より日本仮想化技術株式会社代表取締役社長も兼任。オープンソースカンファレンスをはじめ,各種オープンソース関係のイベントをサポートするイベント屋さんでもある。イベントの大小を問わず,お気軽にご相談ください。

URL:http://begi.net/

授賞式での宮原氏

授賞式での宮原氏

1問1答

Q1:今回の受賞の感想について一言

今回の受賞は,オープンソースカンファレンスというイベントの盛り上がりを評価いただいたものと思っています。私個人よりも,OSCに関わっている皆さんが受賞を喜んでいただけたのがとても嬉しいです。

自分自身は自分のやりたいこと,やれることをやってきただけですし,OSCの盛り上がりはいろいろなコミュニティや企業・団体の方の協力あってこそのことなので,あまり自分が大きくOSSに貢献したという実感がありませんが,これを励みに,今後も全国でのOSCの開催に邁進していきたいと思います。また,これをきっかけにOSCを知っていただき,開催に足を運んでくれる方が増えてくればと思います。

Q2:自分にとってのオープンソースソフトウェアとは?

たくさんの人と共有できるものです。

共有の仕方はいろいろとあって,OSSを開発したり,OSSを利用したり,OSSに関するドキュメントを書いたり,OSSの使い方を教えたり。さまざまな立場の人が,さまざまな角度から自由に関わることができるのが最大の魅力でしょう。

クローズドソースのソフトウェアと違って変に関わり方を制限されないので,モチベーションの高い人にとっては自分のやりたいことがやれる,非常に素晴らしい素材であり,ツールであると思います。

授賞式後の記念講演での宮原氏。オープンソースカンファレンスをなぜ始めたのか?
そして各地での開催の模様から土地柄や活動の違いについて興味深い分析が披露されました。

授賞式後の記念講演での宮原氏。オープンソースカンファレンスをなぜ始めたのか?そして各地での開催の模様から土地柄や活動の違いについて興味深い分析が披露されました。

Q3:これまでのオープンソースソフトウェアへの関わりについて

もともとのきっかけは,自分自身のネットワーク環境を構築するためのサーバOSとしてLinuxやApache,sendmailなどを触り始めました。その後,さまざまな方からLinuxに対する期待を聞いて可能性を感じ,Linux版Oracleの日本国内でのマーケティングに携わるようになりました。製品はクローズドソースでしたが,かこつけて一緒にLinuxやオープンソースのマーケティングを行っていたように思います。

その後,エンジニア教育の重要性を感じて,Linuxやオープンソースの教育を行う傍ら,コミュニティ活動に関わったり,さまざまなOSSイベントの企画運営を行ったりしながら,今日に至ります。

Q4:OSSにまつわる話で一番インパクトのあったできごと,あるいは一番影響を受けたOSS関連の話題は?

自分自身でオープンソースに関わる会社(⁠⁠株⁠びぎねっと)を立ち上げたことでしょうか。自分が会社を作ることになるとは夢にも思っていませんでしたが,OSSという自由な素材があったおかげで,小さい会社でも制約を受けずにやってこれたのだと思います。

また,さまざまな活動の中で,さまざまな人との出会いがあったことも大きいですね。よく人脈は財産と言いますが,まさにその通りだと思います。OSCの活動を通じて,日本全国に沢山の知り合いができたのはとても大きな財産だと思います。

Q5:エンジニアに必要な要素とは?

自分自身の目で見たもの以外は信用しないことです。OSSは自由に試すことができますから,ものが手に入らなかったからとか,ライセンスで縛られているからとか,そういう言い訳ができない厳しい世界でもあります。それでも,自分できちんと試すための制約がほとんどないのは,エンジニアにとっては最高の環境でないでしょうか。

また,何かあったときには,ソースコードレベルで調べてなんとかできるというのも重要だと思います。サービスを提供するお客様に対してエンジニアとして責任が取れることを,もっと誇りに思うべきだと思います。

お仕事の内容を身内などITに不慣れな方に説明しにくいので,今回の授賞式にはお母様を招待し,仕事の成果の1つを見せたかったとのこと。

お仕事の内容を身内などITに不慣れな方に説明しにくいので,今回の授賞式にはお母様を招待し,仕事の成果の1つを見せたかったとのこと。

Q6:これからOSS開発,OSSの世界に踏み出したいと考えている若手エンジニアへのコメント

オープンソースもこれだけ普及発展したことで,10年前に比べて始めるための敷居がうんと低くなったように思います。それだけに,ちょっと触ってみて「なんだOSSって簡単だな」と思える皆さんが羨ましくもあり,またちょっと残念でもあるように思います。

以前のOSSは,車にたとえればマニュアル車のようなもので,乗りこなすのは大変ですが,車の仕組みを理解することのできるものでした。今ではオートマ車に近くなっていて,乗るだけならとても楽でしょう。ただ,楽だ楽だと乗るのではなく,中はどうなってるのだろう,こんな使い方はできないのかと,好奇心を持ってOSSを見てもらえれば,きっとスキルアップにつながっていくに違いありません。ぜひそんな好奇心を発揮してもらえればと思います。

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