ゼロからはじめるPSP ─Personal Software Process

第1章 PSPを導入する理由(わけ) ~自立したエンジニアのためのライフハック

2008年8月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

小さなソフトウェアハウスの悩み

アスケイドは,ソフトウェアの受託開発を主業務として行っている従業員15名の小さな会社です。
弊社の業務の多くは受託開発であり,その内容は「前回の仕事」の内容を生かして「類似する仕事」を積み重ねていく,というよりは「これまでやった事の無い新しい事にチャレンジしていく」というスタイルです。幸い,お客様にも恵まれてこのようなスタイルでやっていくことができたのですが,実際に仕事を行うにあたっては,以下のような大きな悩みがありました。

  1. 経験の無い分野において,どのようにして仕事を進めていけば良いのか?
  2. 仕事を行っていくメンバーのスキルをどのようにして伸ばしていくか?

ソフトウェアプロセスの導入

ひとつ目については,弊社では2000年の設立以来,「ソフトウェア開発をより上手く行えるようにするにはどうすれば良いのか?」という事をテーマにして,いろいろな手法の調査・計画・導入・検証を行ってきました。

これらからわかったのは,技術的に経験不足な分野の仕事であっても,原則となる「ソフトウェア開発プロセス」は変わらず,「技術的に正しい判断を正しい順番で積み重ねていくことに尽きる」ということです。 弊社では,Unified Processをベースにしながら,他の手法の良いところも取り入れてプロジェクトごとに最適なプロセスを考えて適用しています。

個人のスキルの向上

ふたつ目については説明が必要かと思います。

組織としての開発プロセススキルを伸ばしていっても,弊社のように小さな会社では,組織全体の開発プロセススキルに対して,個人のスキルが影響を与える割合が非常に大きく,個人のスキルを伸ばすことが非常に重要です。

いろいろな仕事内容に関わることは非常におもしろい経験ですし,技術経験の幅を広げることもできます。一方で,前回との比較ができないので絶対的なスキルの向上がわかりにくいという面もあります。やはり何らかの指標がないと自分の立ち位置がわからなくなり,能力向上のモチベーションも上がりにくくなるようです。

各個人が成長を実感しながら能力を伸ばしていけるような仕組みをつくり,その結果として会社全体の能力も伸ばしていけたらという気持ちがずっとありました。

PSP(Peronal Software Process:パーソナルソフトウェアプロセス)CMM(Capability Maturity Model:ソフトウェア能力成熟度モデル)の調査を行っていた際に知ったのですが,このような個人のスキルを自立的に向上させる,という要望に応えてくれる仕組みではないかと考えたのです。

この文章が同じような悩みを持っている方たちの参考になればと思います。

著者プロフィール

池田寛(いけだ ひろし)

株式会社アスケイド取締役。独立系ソフトウェアハウスで各種開発を手がけた後、アスケイドの設立に参画。 「もっと楽に」を目指して日々を過ごしている。

URL:http://www.ascade.co.jp/

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