PSP の基本サイクルを簡単にまとめると以下のようになります。
- 作業を記録する
- 成果を測定する
- 集計する
- 評価する
これらの各プロセスでは,作業内容・時間の記録や集計や,成果の測定などを行います。もちろん,これらを一から始めてもよいのですが,記録するためのフォーマットを用意したり,成果には何を含めるのか等々を決めたりといった前準備がいろいろと必要になります。そこでまずは参考までに,アスケイドでの事例を紹介してみたいと思います。
インフラの構成
先に挙げた基本サイクルを見てもらえばわかるように,PSPのインフラとしては,データの記録/測定,およびそれらを分析できるためのものであることが重要です。とくにデータの蓄積/再利用を重視して,PSPで利用する主だったツールは,サーバ/クライアント構成にしています。これにより以下のようなメリットがでてきます。
- ● 作業場所によらずにデータを記録できる
- 出張先や自宅など,会社以外の場所での作業記録も取りやすくなります。
- ● 記録や成果の集計がしやすい
- 日々の作業状況やソースコードの集計は意外と負荷が大きいのですが,サーバで定期的に集計を行ったりおけば,手軽に集計結果を見たりできます。
- ●バックアップといったデータの管理が容易
- 仕事の成果を格納しておくようなサーバにPSPの記録も置いてまとめて管理すれば,バックアップなどを取るのも楽です。
- ●PSP以外にも活用できる(かも)
- プロジェクト横断でデータを分析したり,チーム単位で集計してTSPに発展させてみたりといったこともできそうな気がしませんか?
まあ「ネットワークにつながっていないと何もできない」「サーバを用意するのが大変」といったデメリットもありますが,そういう場合は(上記のメリットはなくなりますが)サーバとクライアントをマシン1台で動かしてみてもよいと思います(そもそもPSPはパーソナルなものですし)。
以下では冒頭の基本サイクルごとに,利用しているツールを紹介します。
作業を記録する
作業記録のフォーマット
作業の記録には iCalendar 形式を採用しています。iCalendar 形式とは,もともとは米Apple社の iCal というスケジュール管理アプリケーションのフォーマットなのですが,現在は RFC2445 として仕様が公開されていて,Goolgle Calendar など他のアプリケーションのサポートも増えてきました。
スケジュール管理のフォーマットを作業記録に使うのは,若干違和感があるかも知れませんが,作業記録には最低限「日時」「作業内容」があればよいので,必要な情報としては問題ありません。むしろ既存のアプリケーションがある分,独自のものを用意するよりもメリットが大きいと言えると思います。
記録に使うツール
作業報告書や作業日報のために作業記録をつけているという方はわかると思いますが,この「作業記録をつける」という行為は「作業のための作業」であり,かなり面倒な作業です。しかしPSPでは,自身の行為,すなわち遂行しているプロセスを把握することは基礎の基礎で欠かすことができません。そこで,なるべくストレスなく作業記録をつけられるようなツールを各自で探した結果,以下のようなツールに落ち着きました。
- ●Lightning
- LightningはMozilla Thunderbirdのアドオンとして提供されているスケジュール管理ツールです。
- ●Mozilla Sunbird
- SunbirdはLightningのStandalone版です。メーラとしてThunderbird以外を使っている人も多いので,その場合は手間ですがこちらを使っています。
これらのアプリケーションは XUL(XML User Interface Language) を使っていて比較的容易にUIを修正できます。実際に使っているものも,固定の項目をプルダウンメニュー化したりといったパッチをあてています。
なおサーバに情報を記録するために,WebDAV(CalDAV ではありません)サーバを運用しています。個人の単純なカレンダーを扱う分には,これで十分だと思います。