エンジニアが身につけたい基本スキル2008

第3章 技術スキルの磨き方

2008年5月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

メールマガジン

メールマガジンは,Webに比べると比較的情報もまとまっているので,目的に合うメールマガジンがあれば,購読してもよいのではないでしょうか。

とくに資格対策などのテーマではいくつかメールマガジンが出ているので,バックナンバーなども含めて目を通してみることをお勧めします。

メーリングリスト

メーリングリストは,メールのやり取りによる情報の共有手段として,とくにオープンソースソフトウェア関係では盛んに利用されているので,そのような情報を得たい場合には有効です。

ただし,メーリングリストはどちらかといえばそのソフトウェアなり技術を利用している中級者~上級者向けの情報交換の場であり,上手に活用するのは初級者にはやや難しいといえます。

技術スキルに対する自己投資の考え方

書籍や雑誌は有料であるのに対して,Webやメールマガジン,メーリングリストの多くは無料で読むことができます。そこで多くの初級者が,有料の書籍や雑誌は買わずに,無料の情報でなんとか済ませようとしますが,この考え方は果たして正しいでしょうか。スキル向上のための情報源の選択はその情報が有効かという選択基準が重要であり,コストはその次として考えるべき事です。

たとえば無料に見える情報も,インターネット回線や使用しているPCのコスト,あるいは自分自身の時間など見えないコストが発生しています。お金をかけないのがコスト削減ではなく,必要であればお金をかけて無駄な時間や労力をかけないことも大事でしょう。

スキル修得にはある程度の時間とコストがかかることを,最初から理解しておくべきでしょう。その中で,予算を検討し,いくらまでなら使っていいかを事前に決めておき,適切なお金の使い方も必要かと思います。

応用力を育てるには手を動かすしかない

スキルとは「知らなかった事を知る」ということと書きましたが,では書籍や雑誌,Webに書いてあることを丸暗記すればスキルになるのかといえば,決してそうではありません。必ず答えのある学校の試験と違って,エンジニアが身につけたスキルを発揮すべき時は,正解が1つとは限らない問題を解かなければならない状況にあるといえます。いくつもある解決方法から,その時の状況に応じて最適解を見つけるための手段が応用力と呼ばれるものです。

このような応用力をつけるのが,技術スキル修得の1つのゴールであるならば,先に挙げたような情報源を読むことは手がかりを得ただけでしかありません。本当にスキルを身につけて,いざという時に発揮できるようにするには,実際に手を動かしてみて,動作を確認する作業が欠かせません。たとえば,以下に挙げるようなことを,実際にやってみてはどうでしょうか。

PCを自作してみる

初級者に必ず勧めているのが,PCを自作してみることです。PC自作をすれば,コンピュータの中身についての理解が格段に進むし,自分で作ったPCで学習すれば愛着も湧いてきます。また,学習環境にできるだけブラックボックスを作らないようにするのも,技術の基礎を学ぶ上で重要なポイントです。

自宅サーバを構築してみる

光ファイバやADSL回線を使って,自宅でサーバを構築してみるのは非常に勉強になります。固定IPアドレスでない場合,ドメイン名まわりの扱いがやや難しくなるので,できれば固定IPアドレスを低価格で提供してくれるサービスに加入するとよいでしょう。そしてDNSやWeb,メールなどを実際に動かしてみましょう。

この2つは,どんな場合においてもぜひやってみて欲しい実践的な学習方法です。この2つができるようになれば,そこから先はより具体的なスキル修得に進むことができるので,いわばスキル修得のためのプラットフォームと言ってもいいでしょう。

たとえば,Webアプリケーションについてのスキルを高めていきたいのであれば,構築したサーバの上でさまざまなアプリケーションを動かすことができます。もしネットワークについてスキルを修得したいのであれば,VPNなどより高度なネットワーク構成を検討してみるのもよいでしょう。

自ら課題を設定して調べる力を伸ばそう

現在では技術が多種多様に広がっているため,これさえ覚えておけばよい,というような技術は存在しません。むしろ,技術が日々進歩していくことで,覚えた知識や手順が使えなくなってしまうことも多々あります。だからこそ,丸暗記的な知識ではなく,応用力が求められます。

応用力の中で,特に重視されるのが調べる力です。調べる力とは「検索エンジンを駆使して,必要な情報を見つけ出す」といったことではありません。さまざまな情報を取捨選択し,試行錯誤し,本当に必要な情報を作り出せる力ということです。特に重要なのが試行錯誤するということです。仕事においては,誰かが正解を知っていることは期待できず,むしろエンジニア自身が試行錯誤し,正解を出すことが求めらます。

では,どうすれば調べる力を身につけられるでしょうか。OJTなどで徐々に身につけていくのがもっとも多くあるパターンですが,自分自身に課題を与え,解決していくのもよいでしょう。課題は難しすぎず,簡単すぎずがよいのですが,最初の頃はなかなか適切な課題設定が難しいかもしれません。もし可能であれば,職場の先輩などに相談してみるのもよいでしょう。

著者プロフィール

宮原徹(みやはらとおる)

株式会社びぎねっと 代表取締役社長。2006年12月より日本仮想化技術株式会社 代表取締役社長も兼任。オープンソースカンファレンスをはじめ,各種オープンソース関係のイベントをサポートするイベント屋さんでもある。イベントの大小を問わず,お気軽にご相談ください。

URLhttp://begi.net/

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