エンジニアが身につけたい基本スキル2008

第4章 一歩進んだスキルを身につけよう

2008年5月15日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

自分をプロデュースしよう

ここまで,技術スキルやビジネススキルを身につけるための方法について解説してきました。それらの方法は,短期的なスキル修得には必要ですが,もう少し長い目で自身のスキル向上を考えたときには,また違った観点でスキルについて考える必要が出てきます。それは何かと言えば,自分をどうしていきたいのかということ。言うなれば,自分自身をどうプロデュースするかということです。

世の中にはプロデューサーという仕事があります。映像や音楽といった作品や,あるいはアーティストなどをどのように育て,売り出していくかを考える役割を担っています。エンジニアにとっても,このプロデューサーが必要です。

会社であれば,場合によっては上司や人事部などがこのプロデューサーの役割を担ってくれる場合もありますが,それはあくまでも会社としての期待や都合が優先されるプロデュースであり,自分自身の意思や希望と合致しない場合もあります。業務としてはもちろん短期的にはそれらの方向性に従っていく必要がありますが,中長期的には両者の方向性のすり合わせを行い,自分で自分の成長の方向性を決めていく必要がありますし,そのような人材こそ会社や顧客が求めるエンジニアであるといえるでしょう。

自分で自分をプロデュースするセルフプロデュースの感覚が重要であるといえます。

キャリアビジョンを描く

最近よく聞く言葉でキャリアビジョンという言葉がありますので,これについても触れておきます。キャリアビジョンは,スキルのプロデュースよりも広い範囲をカバーする考え方で,単に仕事のことだけでなく,プライベートな時間をどのように過ごすのかも含めた自分らしい働き方を考えるということになります。

たとえばスキル向上との絡みで見ると,「なりたい自分」になるためには何が必要で,何が足りないかを考えること。その必要なものを得るためにはどうすればいいか,ということまで踏み込んで考えていくことが,キャリアビジョンを描くということでしょうか。

自分に必要となるスキルをより幅広く捉えるために,キャリアビジョンを描いてみるのも1つの方法としておすすめできます。

情報をアウトプットする

スキルを向上させるというと,なんとなく知識や経験が内部に溜まっていくようなイメージがしますが,実際にスキルの高いエンジニアと接すると,彼らの多くが単なる蓄積にとどまらず,自身の持っているスキルの情報を外部に対して発信し続けていることに気づかされます。

たとえば,さまざまな有志団体が自主的なセミナーや勉強会などを開催していますが,それらの講師を引き受けている方々を見ていると,自分自身で独自に検証などを行った技術的な情報を積極的に発信しています。雑誌などの記事もそうですし,ブログなどで情報を発信しているエンジニアも数多くいます。

「情報を出す」というとどうしても,レベルの高い,難しい内容じゃないと意味がないと思うかもしれませんし,いきなりそのようなことができるようになるのは難しいかもしれません。そんな人は,学習メモ程度のブログであれば,覚え書きとして後から振り返る時にも便利ですし,手をつけやすいでしょう。また,小さめの勉強会などであれば,あまり高度な内容でなくてもアウトプットするチャンスといえます。実は高度なものよりも,情報として新しいということの方が,情報の受取手である第三者にとってはありがたい場合が多いのです。簡単なことでも,ソフトウェアの新しいバージョンで試してみて,できたとかできなかったといった結果を書いておくだけでも有意義なことが多くあります。とりあえず思いついたことはどんどんとブログに書くなど,情報のアウトプットをスキルアップのサイクルに取り入れていくことが肝心です。

著者プロフィール

宮原徹(みやはらとおる)

株式会社びぎねっと 代表取締役社長。2006年12月より日本仮想化技術株式会社 代表取締役社長も兼任。オープンソースカンファレンスをはじめ,各種オープンソース関係のイベントをサポートするイベント屋さんでもある。イベントの大小を問わず,お気軽にご相談ください。

URLhttp://begi.net/

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