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第40回 もうひとつの選択肢,日本語入力アプリ「FSKAREN」(4)

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「ここがイイ」

FSKARENを取り上げるのは,通算で4回目になるので,今回でひと区切りとします。最終回は,FSKARENの「ここがイイ」「ここがダメ」をご紹介します。

FSKARENを購入してからは,メインの日本語入力ソフトとして使っていますが,最も評価できるのは快適な動作です。

他の日本語入力ソフトと比較するための一般的な評価軸がないので,ご紹介しても評価頂くのが難しいかもしれません。たとえば,フリック入力し始めると変換候補が入力パネルの上に表示されます。これが,表示されるまでの時間が短いので,小気味よく文字入力が続けられます。続けて入力しても,つっかかるようなことはなくスムースに文字入力できます。スマートフォンは,短い時間で回数多く使うことが多いので,小気味よく動作するのは重要な要素です。

入力パネルにさまざまな工夫を凝らしており,ユーザの間口を広げる努力をしている点も評価できます。

たとえば,日本語の入力は,手書き入力の他に,フリック入力やトグル入力,ポケベル打ちと呼ばれる2タッチ入力ができるテンキー入力があります。

変換方法も一般的な方法から,ワンタッチ変換と呼ぶ方法も搭載されています。たとえば,⁠携帯」と入力したい場合,日本語テンキーのトグル入力ならば,⁠か」×4, ⁠あ」×2, ⁠た」×1, ⁠あ」×1と,これだけの回数キーを押す必要がありますが,ワンタッチ変換であれば「かあたあ」と入力して,入力パネルの下から上に指を滑らすと変換候補が表示されるので,ここから目的の語彙を選択します。

ワンタッチ変換を行い,変換候補を選択している様子

ワンタッチ変換を行い,変換候補を選択している様子

また,前回触れましたが,カーソルキーボードが搭載されているのも大きなポイントです。とにかくタッチパネルでの文字入力は,面倒以外の何者でもないので,このキーボードは非常に重宝します。

他,英語のQWERTYキーボードも凝ったつくりで,上にフリックすると大文字入力,下にフリックすると数字や記号が入力できます。たとえば,数字の「3」を入力するのであれば,⁠e」をタッチして,下の指を滑らします。他,⁠/」を入力する時は,⁠n」をタッチして下に指を滑らすという具合です。

細かな話しにはなりますが,入力パネルに,自身を閉じるボタンがあるのも嬉しい配慮です。入力パネルを閉じる方法は,入力エリアからフォーカスを外すか,ハードボタンの戻るを押す必要がありました。これが分かりづらく,最初は戸惑うどころか,慣れてきても不便に感じることがあるので,この閉じるボタンは重宝します。他にも入力操作が取り消せる「Undo」があるのも見逃せません。文字入力中に,Undoを実行すると,ひとつ前の操作に戻れます。例えば,予測変換の候補を間違って選択してしまった場合に使うと非常に効果です。

使い勝手の良いQWERTYキーボード

使い勝手の良いQWERTYキーボード

「ここがダメ」

ご紹介してきたように,FSKARENは細かな配慮がなされていますが,欲張りすぎたのか,難解な操作方法の部分があります。たとえば,記号を入力するためにパネルを表示するのですが,このパネルを閉じるためには,右下にある上向きの矢印を押します。アイコンは,DVDプレイヤーなどのイジェクトボタンと同じなので,何か意図があるのだと思いますが,筆者に通じず,最初は,閉じる方法がわからず戸惑いました。

記号入力している様子。このパネルの閉じ方がわからず戸惑った

記号入力している様子。このパネルの閉じ方がわからず戸惑った

また,先でご紹介したワンタッチ変換も,下から上に指を滑らすことで変換候補が表示されることを知らずに,毎回,メニューボタンを押して,そこに表示されるワンタッチ変換を押して変換候補を出していたので,非常に煩わしく感じていました。

FSKARENのユーザインターフェースは,その場面で最適な方法でデザインされている印象を受けます。その理由は,何かの機能を利用しようとするたびに,新しい操作方法を身に付ける必要があり,一度学習した操作方法やそれの応用で使いこなせないと感じるからです。慣れてしまえばと…と言うこともできますが,楽に使えるにこしたことはないので,練り直しをご検討頂きたいものです。

キーボード派の筆者は,Bluetoothキーボードに完全対応していないところもダメなところです。対応に必要な開発工数は分かりませんが,キーボードを使った入力モードの切り替えと,文字入力中に変換候補だけを残して,入力パネルを表示しないようにして欲しいだけなので,余力があれば対応を検討頂きたいものです。

さて,これが一番の不満ですが,何処を見回しても垢抜けないデザインが,筆者にとっては最も気になる部分です。この見た目で印象を悪くしている可能性も十分考えられるはずです。たかが,見た目と言うこともできますが,美しいほうが良いに決まっていますし,美しい方が気持ち良く使うことができます。

もうひとつの選択としてあり得るか?

日本語入力アプリの評価には,必ず変換精度云々の話題が出ます。

筆者は,短いフレーズに区切って文字入力しているためか,日常使っていて変換精度が気になるようなことは殆どなく,ATOKと比較しても悪い印象は残りませんでした。これは,入力の仕方で変わるはずなので,一概には言えません。

そのATOKですが,日本語入力ソフト界では巨匠のような存在です。

FSKARENのユーザインターフェースは,改善の余地を多く残しており,荒削りな印象ですが,選ぶとするならば,小気味良い動作と数々の気の利いた機能達にどれだけ魅力を感じるかです。逆に,ユーザインタフェースが改善されれば,自信を持って「もうひとつの選択肢」として,お勧めできるアプリとなるので,開発メーカーには更なるブラッシュアップを期待したいと思います。

著者プロフィール

傍島康雄(そばじまやすお)

5月30日生まれ。

モバイルデバイスが大好物。それで動くアプリの開発に喜びを感じている。スマートフォン前夜のWindows Mobile,PalmOSのアプリに情熱を傾けていたが,最近は停滞気味でコードを書くよりも文章を書く機会が多くなっており,文章を書くのも,プログラミングと同じくらい奥深い作業だと感じている。

ブログ:http://yasuos.com/blog/

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