エンジニアをレベルアップさせる「ファシリテーション入門」

第5回 ファシリテーション基本スキルの全体像

2008年9月16日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

これまでの4回は,ファシリテーションについて解説してきました。これからの連載ではファシリテーションの基本スキルについて具体的に説明していきます。そこでまず今回はファシリテーション基本スキルの全体像を説明しましょう。

ファシリテーション基本スキルの全体像

話し合いが始まって終わるまでの間,必要とされるファシリテーションのスキルはたくさんあります。まずは,話し合いの流れに沿って説明しましょう。

話し合いの流れは,4つのフェーズがあります。準備・導入・整理・合意です。

準備とは,話し合いが始まる直前までのフェーズです。導入とは,話し合いが始まって意見をどんどん引き出していくフェーズです。整理とは,たくさんでてきた意見を整理し,まとめていくフェーズです。合意とは,結論を出すために最終的に合意にもっていくフェーズになります。

各フェーズで,使われる基本スキルを説明しましょう。

準備フェーズ

円滑に話し合いを進めるためには,話し合いが始まる前に準備が必要です。具体的なスキルとして,次の3つがあります。

  1. 場をデザインするスキル
  2. 場の雰囲気をつくるスキル
  3. 場の環境をつくるスキル

それぞれ説明しましょう。

1.場をデザインするスキル

話し合いが始まったものの,参加者の思いはチグハグ。話がどうも噛み合わない。そんな経験はないでしょうか? 話し合いを効果的に進めるには,最初に,みんなのベクトルを合わせる必要があります。ファシリテーションでは,ベクトルをあわせるための5つの要素を明確にし,参加者で合意して話し合いを始めます。

その5つとは,話し合いの目的・目標・進め方・ルール・役割分担です。この5つを最初にはっきりさせるだけで,結果は大きく変わってきます(このうちの3つの要素(目的・目標・参加者)については連載第1回目で説明しました)。

2.場の雰囲気をつくるスキル

話し合いが始まっても,硬い雰囲気のままだと,なかなか活発な意見はでてきません。よいアイデアは会議が終わった後,煙草を一服する場から生まれたりします。つまり適度にリラックスした状態でこそ,よいアイデアが出るということがいえます。ファシリテーションでは,アイスブレイクというスキルで,場を意見が出やすいような雰囲気に変えます。

3.場の環境をつくるスキル

怖いお客さんと,向き合って座ったときを想像してみてください。次に横に並んで座ったときも想像してください。どちらがいいですか?

人間は顔を向けた方にエネルギーを発するそうです。つまり座席配置は心理状態に大きな影響を与えます。話し合いの場面でもこれはいえます。もめているときに,相手と向かい合って座ってはますます対立状態に陥ります。こうした時,ホワイトボードに向かってお互い横に並ぶと雰囲気が良い方向に変わります。

ファシリテーションでは,座席の配置,会議室の明るさなど,環境を最適なものに変えることにより話し合いを促進させます。

著者プロフィール

野口和裕(のぐちかずひろ)

13年間の会社員時代,SEとして企業や官庁で各種システムの設計に従事。製造業,建設業,人事システムの構築を数多くこなす。その後,独立しフリーランサーのSEになる。現在有限会社NTX)を設立し,SEの傍らヒューマンスキルの研修を行う。

著書は『SEのための「どこでもやれる力」のつけ方』(技術評論社刊)。3度の飯はお好み焼きでOKという広島人。

ブログhttp://blog.livedoor.jp/facilitator/

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