今回は、Firefox OSがリリースされた後に重要な存在となる、アプリ配信プラットホームの「Mozilla Marketplace」を取り上げます。
店舗準備中のMarketplace
手持ちのNexus SにFirefox OSをインストールした頃は、Marketplaceアプリを起動しても工事中でしたが、Android向けのプレビュー版公開をキッカケにして、Firefox OSからもアクセス可能になっており、Marketplaceの商品棚には、Firefox OS向けのアプリが並びはじめています。
予想を裏切らない作り
Marketplaceアプリを起動すると、画面上部に、3つのアプリアイコンボタンが、その下にカテゴリボタンが並びます。カテゴリは、Book & Reference、Business、Education、Entertainment & Sports、Game、Health & Fitness、Lifestyle、Music、News & Weatherの9種類に分けられています。
いずれかのカテゴリボタンをタップすると、その配下に登録されているアプリの一覧が表示されます。一覧のアプリをタップすると、アプリ紹介の画面に切り変わります。この紹介画面には、最上部には、アプリ名とアイコンが表示されて、[Free]のボタンが並びます。その下は、アプリのスクリーンショットと説明、さらにその下には、ユーザのレビューが表示されます。
筆者が確認した限りでは、[Free]と表示される無償アプリばかりですが、有償アプリが配信されれば、Freeの表示が金額になるのかもしれません。Marketplaceで配布される有償アプリは、iOSやAndroid OSと同じように、販売額の何割かをMozillaが徴収することになり、これを新たな収入源とすることになるのではないかと想像します。
アプリのインストールは、[Free]をタップします。
インストールを確認するダイアログが表示されます。[Yes]をタップすると、端末にインストールが始まり、終了するとホーム画面にアプリアイコンが表示されます。アプリアイコンをタップするとアプリが起動するのは、標準アプリと変わりありません。
Marketplaceアプリは、想像の範囲内で動作するので、操作方法は、App StoreやPlayストアを一度でも使ったことがあれば、これまで得た経験を活かして、楽に使いこなせるようになります。こうしたアプリは、奇抜な演出より、わかりやすく・使いやすいことが重要だと思うので、Marketplaceアプリの仕上がりには好印象を持っています。
Firefox OS向けアプリがどれだけ増えるか?
Firefox OSがリリースされていないので、Marketplaceに登録されているアプリ数の話をするのは、時期尚早ですが、ひとつずつ試していける程の数しか登録されていません。
Firefox OS向けアプリは、HTML5で開発を行います。
インターネットで公開されているモバイルサイトがHTML5で書かれているならば、いくばくかの修正作業で、対応アプリが用意できると考えることもできます。となれば、潜在的なアプリ数はかなりあると言え、数の心配は無用かもしれません。ただし、ユーザビリティの観点で見ていくと、サイトごとに、それぞれの解釈で作られています。これを、Firefox OSの流儀に習った物へと改修するとなれば、それなりの工数が必要となるはずです。
iPhoneのアプリが開発できるようになったころ、Objective-Cを使うプログラマが増えるのだろうか?と疑問に感じましたが、プラットホームに十分な魅力があれば、障害にならないことをAppleが証明しています。今回のFirefox OSは、Mozillaで頑張る皆さんの腕の見せどころと言うことではないでしょうか。
有償アプリの決済方法は?
現在のMarketplaceは、無料アプリしかありませんが、有料アプリも登場してくるはずで、その決済方法が気になるところです。
国内で行われているような、通信事業者がコンテンツ料も徴収する仕組みは、世界的に見ても珍しいケースなので、通信事業者とは切り離して、徴収する方法が考えられているはずです。また、先行するApp StoreやPlayストアは、様々な料金徴収方法が提供されているので、どれだけのバリエーションを持ってスタートを切るのか気になるところです。
ユーザは、スマートフォンに組み込まれたアプリ内で決済することに、慣れはじめており、下地が整いつつあるので、GoogleがAndroidで味わった苦渋をMozillaも味合うことはないはずです。ただし、金銭のやりとりなので、明瞭なシステムが構築されていることは必須で、Mozillaがどのような答えを用意してくるのか楽しみです。