モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第5回 優秀なリーダーの話は絵にしやすい!

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

こんにちは。グラフィックファシリテーターの,やまざきゆにこです。前回に引き続き,「筆がグイグイ走る!が教えてくれること」の第二弾です。

「筆がグイグイ走る」のは,発言者の発言の中身,例えばその着眼点やわかりやすさのおかげに尽きると日々感じているのですが,その中でも最近特に実感するのは「優秀なリーダーシップを発揮している人の話は,なんて描きやすいんだろう!」ということです。

前回「いいこと言ってるなあ!」という発言を絵にしてしまう話を書きましたが,今回は「いいこと言ってるなあ!」だけでは終わらせない人たちの絵の話,「いいなあ!」を実現していく力のある人たちが描かせる絵の話,とも言えると思います。

  • 「力強いリーダーシップを発揮する人とは」
  • 「メンバーや聞き手を動かす人とは」
  • 「こういう話ができる人たちなんだ!」

ということに気付かされる日々。今日はそんな私の勝手な確信を私なりに分析し,ご報告したいと思います。

では早速,どんな絵を描いたのか,いつものように実例からご紹介します。

「いいなあ,その例え!」

この絵はオーケストラを指揮する指揮者の絵です。

このワークショップのテーマは「“調和”」というちょっと抽象的なテーマでした。

“調和を体感する方法として用意されていたのは絵の具セット。参加者は3色(赤青黄)の絵の具から様々な色をつくるところからスタート。そうして微妙な違いや相性を感じ取るというわけですが…。

講師は「正確に色をつくることが目的ではなく,全体を見て色の調和を感じてほしい」と何度も言ってましたが,参加者は慣れない絵の具を前に正しい割合で色を混ぜることに精一杯!

「“調和が大事」

私も,この言葉を今日のテーマと知りつつも,その時はなんとなくぼんやりと頭の片隅で捉えていただけでした。しかし,講師は何度も「細かいことは気にせず」「混ぜる割合に神経質にならず」「全体の調和を見ながら」と繰り返す中で,こんな<例え>を言ったんです。

「“調和は英語でいうとハーモニー”。あなた達はオーケストラの指揮者のような役割ね。いろいろな楽器をうまくリードして美しいハーモニーを奏でるつもりで楽しんで」と。

それまで何も描いてはいなかった私ですが,それを聞いて一気に指揮棒を振るこんな絵を描きました。「いいなあ,その例え!」と。特別工夫を凝らすこともなく講師の言葉そのまんまの絵です。

ただ描いた直後の私はまだこれがそのワークショップの鍵となる絵だとは思っていませんでした。みんなも細かい作業に目は疲れ,肩は凝り,今何のためにこの作業をしているのか見失っているようでした。でも,コーヒーブレイクの合い間になんとなくこの絵を眺めます。すると,「なんのために」今この作業があるのかを,この絵が思い出させてくれます。しかもこれを描いたのは5日間のプログラムの初日。その後もずっとこの絵が壁に貼られているので,参加者は次の日もこの絵を目にします。そうして,じわじわと「調和とは…」「大事なことは…」「そういうことか!」という発見が,参加者のみならず私自身の中にも芽生えてきました。

例え話が好きな人は多いかもしれませんが,大勢の人を巧みにまとめるリーダーや講師が語る<例え>はちょっと違うんです。私の分析では,彼らの<例え>にはこの絵のように最後まで持続する力があるんです。目指した[ゴール]へ,大勢のメンバーや参加者を引っ張って行く力がある。聴衆の意識や行動までも変えてしまう絵なんです。優秀なリーダーシップを発揮する人ほど,こんな<例え上手>の方が本当にたくさんいらっしゃいます。おかげで私はとっても描きやすい!

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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コメント

  • なかなかなぁ~その世界

    なるほどなるほど。そうだよねーと共感しながら今回も読みました。

    目指すべきものが見えているからこそ、力も宿り熱もこもるものかもしれません。

    自分にはなかなか見えないなー。明日の世界は。
    あるべき姿は。

    それは言葉を変えるとビジョンというものなのでしょうね。

    なんとなくの「感じ」でしかないなあ。自分にとっての
    「いいなぁ、その世界!」

    でもものすごく憧れますけどね。そういうビジョンをもつことに。

    Commented : #2  くろめがね (2007/10/06, 15:00)

  • 強い思いとゴール

    どもども。楽しみにしていた連載がUPされましたね。

    「例え話」下手な私ですが、たしかにゴールが自分の中で曖昧なときは、何をやってもうまくいきませんね。周囲も混乱するしストレスもたまります。

    自分の経験で言うと「大きな風呂敷」を広げることと「強い思いを持ちゴールを示すこと」は似ているなぁ、と。

    大風呂敷のくにゃる☆の異名通り、そういう立場で周囲が嬉々として動いてくれたりアイデアを出してくれるのはリーダー冥利につくな、と思います。

    優秀なリーダーになりたいです。

    Commented : #1  くにゃる☆ (2007/10/05, 10:54)

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