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第47回 その打ち合わせ「9つの表情」で見直してみませんか:絵巻物思考のススメ

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ホワイトボードの箇条書きを絵にしてみませんか

ここで,これまでの話し合いを「9つの表情」で見直してみます。⁠だれがどう困っているのか?」と問いかけるだけで,描ける絵が全く変わってきます。

「9つの表情」の構成は次のとおりです。まず,真ん中の「目がぐるぐる」となっている表情を見てください。これが会議で一番たくさん描ける表情です。⁠目の回るような忙しさ!」とか「上からいろいろな仕事が降ってくる……」といったセリフが聴こえてきたらこの表情がぴったりです。

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次に,上の3つと右列の真ん中の表情は「ポジティブな気持ち」を表現しています。右列に向かうほどテンション高めです。⁠自分たちから変わる!」とか「こんな商品がほしかった」といったセリフが聴こえてきたら,これらの表情が使えます。一方,下の3つと左列の真ん中の表情は,⁠ネガティブな気持ち」を表現しています。特に左下の表情は,会議で2番目に多く描かれています。⁠無関心な社員」「思考停止状態になっている」というときに「……」というセリフと一緒によく描かれています。怒っている上司のセリフには右下の表情がいいですね。左列に向かうほどテンション低めになっていて,左列の真ん中は,例えば,隣りの部長を見ている部下の心の声「言うだけでなく行動で示してよ……」を表現できたりします。

では,先ほどの箇条書きされた3つの課題を絵にしてみましょう。

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まず一つ目の課題「仕事量が多すぎる」を具体的に「だれがどう困っているのか?」を絵にしてみます。

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これは,その職場の15人の派遣社員の方たちの声です。 これはかなりヒドい現場ですね……。 実際,離職率も高いとのこと。しかし,じつはその組織をまとめる正社員も同じ状況とのこと。⁠だれがどう困っているのか?」という問いに,さらに次のような絵も描けてきました。

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ヒガシさんとは正社員の方です。なぜヒガシさんが可哀想なのか。それは「ヒガシさん1人に仕事が集中しているから」だそうです。ヒガシさんが1人で,15人の派遣社員からの質問や相談を一手に引き受けている組織の現状が見えてきました。

ヒガシさんの上司がじつは同じ職場に居るそうなのですが,その上司は常に不在とのこと(それを表現したのが次の絵です)⁠そのため,質問したいときやトラブルが発生したときに頼れるのはヒガシさんただ1人ということでした。つまり,⁠上司が部下の仕事量を把握していない」わけです。

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組織課題の一つとして「仕事の効率が悪い」ことを取り上げたときも,それぞれ日々感じている不満や疑問を書き出しました。その中の1つが次の絵です。これは正社員ヒガシさんのつぶやきです。

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トラブルが発生するたびに,派遣社員一人ひとりに対応しているヒガシさん。⁠どのぐらいの頻度で?」⁠どんな話をしているの?」という対話から,ヒガシさんが個別に説明している話には,いくつもの同じ内容があることが見えてきました。

日々目の前の忙しさに流され,具体的な手を打たないままこの状態が続いたら……。みなさんの議論の姿勢も真剣味が増してきました。

「そもそも朝会では何を話しているの?」という話も出てきて,朝会が本社からの連絡伝達の場にしかなっていないということも見えてきました。それに対して,⁠読めばわかる情報はメールで共有すればいいのでは?」⁠起きたトラブルやミスやちょっとした疑問こそ,朝会でみんなで共有をしたらいいんじゃない?」といった話になり,次の日の朝会から早速できる解決策が1つ生まれました。

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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