草花の知恵

第7回 「野菊の如き」

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野紺菊(ノコンギク) 画:外山康雄

野紺菊(ノコンギク) 画:外山康雄

花データ

キク科の多年草/花期:9~11月。野原や丘に普通に見られる。変種も多い。花は淡い紫色から,紺色や白に近いものまでさまざま。

外山康雄「野の花館」だより

山から届いた七竃(ななかまど⁠⁠,灰汁柴(あくしば⁠⁠,蔓竜胆(つるりんどう⁠⁠,紫式部,深山莢ずみ⁠みやまがまずみ⁠⁠。鮮やかな,はちきれんばかりの木の実の色です。今年は紅葉になるのが遅く,おまけに週末は雨の日が多く,観光に訪れる人方々にはちょっと残念な秋です。それでも木の実は見事な色彩で輝いています。野の花館玄関右手には2mもある七竃,館内の大黒柱前にはビッシリ実をつけたオレンジ色の小真弓の枝,山の紅葉はまだでも,野の花館は秋色一色です。

今までにみたこともないような,沢山の実をつけた蔓竜胆と灰汁柴の枝を描くことができました。ワラビにからみついた蔓竜胆,ワラビの元気なうちに描けなくて,描いているうちにどんどんワラビが萎えてしまいます。蔓竜胆は元気でワラビにからまりついているのがわかればよい,と蔓竜胆に集中して描きました。

灰汁柴は残っている葉の色が素敵で,大きい作品にしたかったのですが,春の花びらの変化の早いのと同じで,秋の色づいた葉の変化は早く,大きく描くのはあきらめ,小さな画面で忠実に描くことにしました。若草色の小枝に,バランスよく実を配したビックリするような自然の造型にはいつも感謝です。灰汁柴の灰の名の由縁かなとは思うのですが,青味がかった灰色が,サーモンピンクの葉の色に丁度よくかかり,なんとも品のある色なのです。

今年も2006年カレンダーが出来上がりました。A4,12ヵ月(12枚)で1500円(+税で送料は別)です。いつも12月中頃には売り切れになります。ご希望の方は野の花館に電話かファックスにてお申込みください。

(11月2日)

外山康雄野の花館
 ⁠ずみ」「くさかんむり」「迷⁠⁠。

著者プロフィール

池内紀(いけうちおさむ)

1940年兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者。エッセイスト。

主な著書に『ひとり旅は楽し』(中央公論新社)『ぼくのドイツ文学講義』(岩波書店)『町角ものがたり』(白水社)など。『カフカ小説全集(全6巻)』(白水社)など翻訳書も多数。新刊は『森の紳士録』(岩波新書)。


外山康雄(とやまやすお)

1940年東京深川生まれ。新潟県浦佐で育つ。2002年南魚沼郡塩沢町に古民家を再生したギャラリー「野の花館」開設。

画集に『折々の花たち 1~4』(恒文社)『野の花の水彩画』『私の好きな野の花』『野の花 山の花』(日貿出版社)など。

外山康雄の野の花館:

URLhttp://www.toyama-yasuo.jp/