Lifelog~毎日保存したログから見えてくる個性

第13回 LifeLogツール『PilePaperFile』

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2.5 分

PA未踏ソフトウェアに採択された『PilePaperFile』のコンセプト

筆者は『PilePaperFile』を,LifeLogの重要なツールとして位置づけています。

LifeLogは,人間の生活するなかで発生するさまざまな身体行動情報をログとして記録し活用するシステムです。

ここでポイントになるのは,そういう連続する行為から生まれてくるきわめて細かい情報の記録を,「だれ」「いつ」するのかです。

人間は記録するために生活しているのではありません。総理大臣にでもなれば,生活の記録は官邸やマスコミがしてくれるかもしれませんけれど,一般人にはそういうのは程遠い。秘書を雇うのだってむずかしい。

時事通信による安倍晋三もと首相の一日

時事通信による安倍晋三もと首相の一日。

時事通信による安倍晋三もと首相の一日のLifeLog記録です。公務時間は分単位で記録されています。首相になると,LifeLogは他人がしてくれるのでした。

官邸による,小渕恵三もと首相の一日

官邸による,小渕恵三もと首相の一日。

こちらはさらに詳細なLifeLog記録です。福田首相のは見つからなかったのですが,いずれこのテの詳細なものが記録されつづけていることは間違いがないです。と原稿を書いたときは首相だったのですが…。麻生首相のはまだ探してないです。

Logによって向上する生活

生活しているなかで記録は自動で行われ,その記録によって生活は自然と向上するようにあってほしいわけです。そうでなければ機械を使う意味はないし,機械に使われて終わっちゃう気がするのです。記録のための記録なんて,具にもつかないです。

記録のための記録に自分の有限の時間を費やすなんてしたくないと考えます。自動というのは,もちろん他人の手によることを意味しています。メイドさんが掃除をするか,ロボットが掃除をするかは,あまり大差がないわけです。まあ,メイドさんがつねにつきっきりでLifeLogを記録してくれるとしたら,相当鬱陶しいと思いますけど。

いっぽうで,LifeLogで記録したさまざまな記録に向き合うことは,自分自身について考察を深めてくれ,自分自身がなにものであり,どこへ行こうとしているのか,なにをしようとしているのかを明らかにしてくれると思います。なにを好きなのか,自分の価値観までもを。それがLifeLogの魅力であり,メイドさんを使うのとは違うところです。

今回は,LifeLogツールである『PilePaperFile』についてご紹介していこうと思います。

コンセプトウェア

『PilePaperFile』は,単独のソフトウェアというわけではありません。どちらかといえば,コンセプトに近いものだと思っています。コンセプトを表現するための作品。すなわち「コンセプトウェア」(©美崎薫)です。LifeLogのためのシステムぜんたいを示すキーワードのような存在です。

『PilePaperFile』でなにより筆者が重要だと考えていることは,

  1. 手作業ですることは手作業でする
  2. 自動化できることは自動化する

ということです。同時に,

  1. モジュール構造として複数実装をする
  2. 標準のデータ構造を使用する

という方針を立てました。

著者プロフィール

美崎薫(みさきかおる)

夢想家,未来生活デザイナー,『記憶する住宅』プロデューサー,記憶アーティスト。住宅,書斎,机をはじめ,ハードウェア,ソフトウェアの開発をプロデュース。著書『デジタルカメラ2.0』(技術評論社)など多数。

コメント

コメントの記入