Lifelog~毎日保存したログから見えてくる個性

第62回 ライフロガーの発見

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ライフロガーLY氏

最近わたしは、自分とほとんど同等のライフロガーの方と知り合いになりました。本稿では便宜的に,その方をLY氏と呼ばせていただきます。

ライフロガーであるLY氏は,学生時代にミニシステム手帳を利用しており,約2ミリ四方の文字で克明にその日の行動や心理状態を記録していました。この手帳の1999-2000年の3年分を分析用にお借りして拝読しています。なお,LY氏はこのほかにメール、日記ソフトなども併用しているとのことです。

LY氏の克明なログ日記

LY氏の克明なログ日記

これまで、わたしは自分を過書字傾向(書いているのが楽しくてとめられない)で、理由もなく偏執的にログをとりつづけることに関心のある人間だと思っていました。

わたしのログの記録期間は、思春期以降現在に至るまでであり、規模は1日あたりで平均400~800文字以上。起床/就寝、天気、食事、トイレ、移動、入出金、通信履歴などなどあらゆることを記載しています。最低でもこの程度ないと、わたしにとってはログはログの体をなさないという印象なのです。⁠ライフログ」という言葉を知るよりもずっと前から、わたしは自分自身のログをとっていたのです。

この規模でログをとっている人が何人かいることは風の便りに聞いていたのですが、これまでお目にかかる機会がありませんでした。今回、じっさいにそのLY氏と知り合い、過去のログ(手帖や日記)を拝見することができ、ライフロガーがすくなくとも二人はいることを確認できました。

驚くべきことに、LY氏のログの粒度と規模は、わたしと同程度であったのです。

ライフログの定義に先行する記録群

「これをライフログといわれるとは思わなかった」とLY氏はいいます。わたしが思うに、ライフログという言葉はまだ確とした中身をもつ言葉ではなく、なにをどのようにログするのかについてコンセンサスはないのですから頷けます。

LY氏は、食事録や交際録、勉強時間(学生時代)⁠仕事時間などからなる記録をほとんど毎日、2ミリ四方程度(高さ26ミリに11行)の手書き文字で、厖大な日記として記しています。カラオケの歌った曲リストなども残しているといいますし、スポーツのトレーニングリストもあります。わたしもトレーニングを行っているので、こんなところでも意気投合しています。

自分用から汎用をめざして

これまでわたしは自分用に、約1,000の機能をもつライフログソフトを自作して運用してきました。そのうちのごく一部,約40種類程度を、ライフハッカー日本版の連載『SimpleStyle』で紹介してきましたが、なにしろ作っているソフトの規模と、公開しているものの規模があまりにも違うため、自作ソフトが日の目を見ることはないものだと決めつけていました。

ライフログがどのようなものを意味するのかは、わたしにとっては自明ですが、一般にはまだそうであるとはいえません。ソフトウェアの使いやすさは、⁠それがなにであるのか」が明解であること、ソフトウェアがなにをするものなのかの共通認識があることが大切です。

これはすなわち、わたしの作るソフトはソフトウェアとしてはごく初期の試作の段階にあることを意味しています。1,000の機能をもつソフトはどう考えても、ひとことで説明可能な自明さをもつはずがないのです。

スタートしたコラボレーション

ライフログという言葉はあっても、どのようなログをどのような形で記録するのか、記録の手間はどの程度までなら許容範囲なのか、ぜんぜんなにもわかっていないのです。

今回、LY氏がわたしのソフト群に興味をもってくださっていて、すでにLY氏用に約6本程度のソフトを試してもらっています。今後、このコラボレーションが続き、自分用のソフトを当面はLY氏用に、いずれは汎用にチューニングすることができていけば「ライフログとはなになのか」の問いに定義を示すことができるかもしれません。

このような試みに興味のあるライフロガーの方がいましたら、いっしょにコラボレーションしてみませんか。ご連絡をお待ちしております。

著者プロフィール

美崎薫(みさきかおる)

夢想家,未来生活デザイナー,『記憶する住宅』プロデューサー,記憶アーティスト。住宅,書斎,机をはじめ,ハードウェア,ソフトウェアの開発をプロデュース。著書『デジタルカメラ2.0』(技術評論社)など多数。

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