PoIC : 情報カードの積み重ね

第3回情報カードの書き方

はじめに

今回は、情報カードの書き方について説明します。PoICのカードの書き方は、一種の「作法」のようなものです。これに慣れると、カードを書くのに何の迷いもなくなります。

フォーマット

PoICで書くすべてのカードには、共通するフォーマットがあります。方眼カードの上から3ブロック分がヘッダ、それより下がボディ(本文)となります。ヘッダには、アイコン、タイトル、タグ、タイムスタンプを書きます。

カードは情報の種類に応じて、記録、発見、GTD、参照のいずれかに書き分けます。この4種類のカードを「4カード」と呼びます。アイコンとタグは、この4カードに対応しています。

記録、発見、GTD、参照のアイコン
記録、発見、GTD、参照のアイコン

PoICのアイコンは、それぞれ、丸、電球(ひらめき⁠⁠、四角(チェックボックス⁠⁠、帽子(頭の上にある何か)をデザインしたものです。アイコンを使うことで、情報の種類を瞬時にとらえることができます。

情報カードの上辺を使ったタグ
情報カードの上辺を使ったタグ

タグは、方眼カード上辺の縁を、1ブロック分塗りつぶしたものです。左端はマージンとして使わず、2番目から、記録、発見、GTD、参照と続きます。GTDカードのタグは、始めに枠だけ書き込み、タスクが終了してから塗りつぶします。カードをドックに時系列でスタックした時、タグを見ると、4カードの出現傾向を把握できます。

タイムスタンプは、カードを書いた時の日付+曜日+時刻です。時刻まで含めることで、そのカードに固有の名前を定義します。これを「絶対参照名」と呼び、カード間でリンクを張る時に使います。

ボディ(本文)を書く時は、なるべく絵を含めるようにします。絵を素早く簡単に描けるのが、アナログの大きな利点です。文章を絵で表現することで、自分自身の理解を深めることができます。

4カード

次に、頭の中の考えや身の回りの情報を効率よくとらえるための、4種類のカード(4カード)について説明します。

記録カード

記録カード
  • アイコン:丸
  • タグ:左から2番目のブロック
  • 内容:日記、日誌、健康状態、お金の収支、気象、風景など

記録カードには、自分の身の回りの事実・現象を記述します。記録カードが重要な役割を果たすのは、長期的なパターンを探す時です。データとして記録カードを残し、複数の記録カードの中からパターンを見つけることができれば、それは自分の記録に基づいた新しい知恵・知識となります。

PoICの導入として一番簡単なのは、記録カードを使って日記を書くことです。カードがバラバラなので、書く内容の順番を気にしなくても良いのが利点です。書きたい時に、書きたい内容を書くことができます。一日に何回書いても構いません。

発見カード

発見カード
  • アイコン:電球(ひらめき)
  • タグ:3番目のブロック
  • 内容:生活や仕事のアイデア、発見、直感、理解、イメージ、詩、俳句、ジョークなど

自分の頭・心から湧き上がってきたものは、すべて発見カードに属します。記録カードを使って日記を書いていると、その中に発見が含まれている時があります。それを独立の発見カードに分離・展開することで、後の再利用性を高めます。

4カードの中で、PoICの原動力となっているのは、この発見カードです。発見をカードという形で可視化し蓄積することで、脳が「発見することは楽しい!」と気付くようです。そうすると発見が次々と雪崩のように押し寄せてくるようになります。問題解決の糸口は、このような発見の蓄積の中から生まれます。

GTDカード

GTDカード
  • アイコン:四角(チェックボックス)
  • タグ:4番目のブロック、最初は枠だけ
  • 内容:仕事の用件、やるべきこと、買い物リストなど

GTDとは、David Allenが提唱するタスク処理法です。頭の中のモヤモヤとしたタスクを紙にすべて書き出し、さらに細かいタスクに分解してから、フローにしたがって処理します。

個別のタスク、もしくはタスクのリストをGTDカードに書きます。GTDカードのタグは、最初は枠だけを書いておきます。未処理のGTDカードは、記録・発見・参照カードとは仕分けておきます。そして、処理し終わったところで、チェックボックスにチェックを入れ、タグを塗りつぶしてドックに入れます。

PoICの中のGTDが他と違うのは、これが「蓄積型」であることです。処理済みのGTDカードも捨てずに取っておきます。タスクをこなした分だけ、ドックの中にはGTDカードが増えていきます。GTDの具体的な処理法は、太田憲治さんの提唱するGTD+Rがとても参考になります。

参照カード

参照カード
  • アイコン:帽子(頭の上にあるなにか)
  • タグ:5番目のブロック
  • 内容:本・テレビ・ウェブからの引用文、料理のレシピ、参考文献など

参照カードには、自分以外の誰かから発せられた情報を記述します。参照カードを書く時は、必ず情報源(ソース)を明記し、いつでも情報源に辿り着けるようにしておきます。引用文は、一字一句間違えないように注意して書きます。

参照カードと記録・発見カードの違いは、情報の出所です。例えば、テレビで見た料理のレシピは、参照カードです。一方で、自分で考えて作ったオリジナルの料理のレシピは、記録もしくは発見カードです。参照カードと記録・発見カードを明確に分けることは、他の人の意見を尊重すると同時に、自分のアイディアのオリジナリティを守ることにつながります。


実際に書いてみるとわかるように、PoICカードの書き方はきわめてシンプルです。そして、自分の内外の情報には、記録、発見、GTD、参照の4種類しかありません。まずは、4カードを使って、気に掛かっていること、考えていることを、すべて書き出してみてください。

次回は、PoICのカギとなる、時系列スタック法とタスクフォースの編成について説明します。

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