サンフランシスコで昼食を

第2回 USオフィスでの1日

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はじめに

この連載のタイトルは「サンフランシスコの窓から」となっていますが編注),実はこの原稿は東京で書いています。ちょうど本連載の1~2回目が日本に戻ってきて仕事をしている時期にあたったというのが最初の状況だったんですが,ビザの申請の関係で,この夏はずっと日本で仕事をすることになってしまいました。

現在申請しようとしているL1ビザには海外支社での1年以上の勤務が必要なのですが,2005年1月に入社して以来,出張している期間が半年程度でまだ1年に到達していないため申請が下りない,というのが理由です。というわけで,次回・次々回も東京で書くことになりそうです。タイトルを変えたほうがよいかもしれませんね…。

今回は,US企業で働く場合の,日本との働き方の違いについて書いてみたいと思います。労働体系や労働時間といったものは,企業ごとに風土があるので一概には言えないかと思いますが,サンフランシスコのスタートアップ企業の一例ということで,あらかじめご了承のほど。

編注)
WEB+DB PRESS Vol.32~37で連載した「サンフランシスコの窓から」のことを指します。

勤務時間

まず,最初に大きく日本と違っているのは労働時間,とくにその時間帯です。日本のベンチャーというと,昼前に出社して終電間際まで,というケースが多いような印象がありますが(少なくともそれが筆者の前職や知り合いでの平均的な労働時間帯だと思います),USの場合はもっと「健康的」です。

みな,9:00~10:00ぐらいには出社して,ランチを13:00前後にとり,18:00ごろに退社します。日本でいう「9時5時」な労働環境に慣れている方は問題ないかもしれませんが,夜遅くまで働く,日本のベンチャースタイルに慣れきっていた自分にはちょっと新鮮な経験でした。

出社~昼食まで

9時に出社して1時間くらいは,メールを処理したり Subversion のコミットログを読んだり,といった1日のスタートアップのタスクを片付けます。11時になると,セクションごとの Stand-up Meetingというプラクティスがあります。チーム全員が他のメンバーが何をしているかを知り,またコミュニケーションを促進するという点で,大きな意味があると思います。

昨年夏ごろからはじまったこのプラクティスですが,当初はエンジニア全員(JavaScriptやテンプレートなど,フロントエンドのエンジニアも含む)で行っていたものが,現在はプロジェクトごとにある程度分割して行っています。これは人数が増えてきて,各人の状況報告に時間がかかり過ぎるためです。もちろん,プロジェクトを横断するコミュニケーションも必要なことに変わりはなく,Stand-up Meeting の代替となるようなコミュニケーションプロセスも行っています。これについてはまた次回以降のネタにとっておきましょう。

Stand-up のあとは,各自仕事をしつつ昼になったらランチをとります。Gonna have lunch?と声をかけて4~5人のグループで行くのが通常のケースです。サンフランシスコにはインド料理・タイ料理・メキシカン・中華などいろいろなレストランが近くにあるので,わりと食事には困りません。レストランでそのままとることもあれば,人数が多い場合にはテイクアウトしてオフィスのキッチンで食べる,ということもあります。ちなみに私はオフィスでとるほうが好みです。自分のペースで食べられますしね。

午後~退社まで

午後は基本的にひたすらコーディングです。技術的に難しいタスクなどが発生した場合にはペアプログラミング注1することもありますが,基本的にはフリーで,ミーティングなどの干渉も入りにくいのが特徴でしょうか。オフィスも広いので,各人に割り当てられたキューブ注2も大きく,まわりに気を遣うことなく作業ができるのはよい環境だと思います。

17時や18時になると,ぽつぽつ帰る人がでてきます。だらだらと長くいるよりも,効率的に集中して仕事をして,あとは自分の時間を,という表れでしょうか。ディナーをみんなで,ということもあまりなく,各自家でとったり,プライベートで友達と食事,という感じのようです。

ただ,それでも仕事好きな人というのはいて,そういう人は帰宅してからリモートで作業,ということが多いようです。創業者でCTOでもある Ben Trott はその典型で,いつも23時ぐらいまでオンラインで仕事をしていて,翌朝にまとめてその分をコミット,とかしています。私もUSにいるときには,19時ぐらいに帰宅してもすることがないので仕事をしたり,オープンソースのソフトウェアをハックしたり,と時間を使っているので似たようなものかもしれません。

注1)
英語では動詞で “pair” と言います。Let's pair on this one。と言えば,「これ,一緒にやっつけようよ」みたいな意味になります。
注2)
パーティションされた区画の四隅を4人で使っています。

著者プロフィール

宮川達彦(みやがわたつひこ)

1977神奈川県生まれ。東京大学理学部卒業後,2000年に(株)オン・ザ・エッヂ(現(株)ライブドア)入社,執行役員Chief Technology Architectとして開発などに携わる。2005年よりシックスアパート(株)に入社,現在は米Six Apart, Ltd.に勤務。ニュースコンテンツの再配信サービス「Bulknews」やフィードアグリゲータ「Plagger」の作者であり,日本を代表するPerlハッカーの一人。カンファレンスでの発表だけでなくイベントも数多く運営するなど,精力的に活動している。個人ブログはhttp://blog.bulknews.net/mt/など。

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