サンフランシスコで昼食を

第8回 インフォテリアUSA 江島健太郎氏インタビュー(前編)

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本連載著者の宮川達彦氏と海外で活躍する日本人エンジニアの対談企画第1弾として,Cometを活用したチャットサービス『Lingr』を開発した江島健太郎氏へのインタビューを特別増ページでお届けします。渡米してInfoteria USAを設立した江島氏に,個人的にも付き合いのある宮川氏と仕事のしかたやLingrの今後など,あれこれ語らってもらいました。

ソフトの営業として渡米も,Web開発へ

宮川:簡単に自己紹介をお願いします。

江島健太郎氏

江島健太郎氏

江島:2005年7月にアメリカに来ました。ソフトウェアベンチャー企業のインフォテリアジャパンでプロダクトマネージャーっぽい仕事をしていて,ASTERIA注1をアメリカで売るというミッションでアメリカ法人を設立したんです。で,渡米して,やるべか!ってなったら,なんかこっちはみんなWebでウキウキワクワクみたいになってて,おおコレやべぇ!(笑)。

宮川:それは来たときすぐのこと?

江島:割とすぐ…というかその前から思っていたっていうのはオフレコなんだけど(笑)。離れてみたらよりわかるわけですよ,世の中の流れが。Danny注2がもともとそっちに志向性を持っていたし,それやるしかないよね,となってきて。

宮川:当時江島さんはセールスの仕事で,Dannyさんは? 江島さんも元から営業ってわけじゃないですよね?

江島:彼が技術担当で,僕はビジネス開発とか営業とか。日本でも,もろ営業ってわけじゃないけど,結構フロントに出ていて,一応営業と技術の両方ができるからと,一人で送られてきた。もし最初から技術だけをやると言ってたらこっちには来れてない。別に騙したわけじゃないんだけど(笑)。

宮川:でもそういうのって結構必要かもしれないですね。

江島:そうだよね。何かきっかけがないと来れない。本当にかなり運がよかった。とは言うものの,来てすぐにWebの開発やりたいって言ったら,当然会社も怒りますわな。お前,散々行かしてくれって言うから行かしてやったら,いきなりそんなこと言い出すんかい!ってことになって。

宮川:(笑)。それも渡米してすぐ?

江島:うん,渡米して2ヵ月目くらいかな…。それで僕は社内ブログに法人立ち上げのことを書く中で,日々何を思っているかを書いていったわけね。そうしたら,別にある日突然思い立って気まぐれにWebやりたいって言ってるわけじゃないんだなってことが伝わったらしくて。でも結局,説得するのにそこから半年くらいかかったけど。

注1)
インフォテリアジャパンの開発した,システム運用のためのパッケージソフト。
注2)
Danny Burkes氏。Infoteria USAの共同設立者。

東京は人に会え過ぎる

宮川:こっちにはいつまでいる予定ですか?

江島:ビザの更新が来年あるんだけど,グリーンカード(アメリカ永住権)の手続き始めました。欲しいです(笑)。

宮川:じゃあもう日本に帰らない?

江島:田舎のほうだったらいいかな。東京に帰りたいとはあまり思わない。

宮川:東京出身じゃないですよね。そういうバックグラウンドが,シリコンバレーに来たことと関係ありますか?

江島:四国の片田舎出身。田舎が好きだっていうのはあるかもね。静かなところ。宮川君は神奈川? まぁ都会っ子だよね。見てりゃわかるけど(笑)。

宮川:サンフランシスコは全然都会じゃないけど,このあたりでいえばまぁ都会か。東京とだいぶ違いますよね?

江島:全然違うよ。のんびりしてて,ちゃんと考えられる。東京はノイズが多い,簡単に人に会え過ぎるから。僕の場合,もの作っているときは人と会うのってあまりよくない。

宮川:わかる気がします。僕もバリバリコード書いてたときは夜から書き始めてた。昼間はミーティングとかが多くて。一回止まると,戻すのが時間掛かっちゃう。

江島:昼に入った予定で夜まで気が散ることあるよね。集中したらもったいないとか思っちゃう。こま切れはあんまりできない性格なんで。

インフォテリアUSAチーム

宮川:ところで,USAオフィスにいるのは何人ですか?

江島:DannyとChris注3と僕の3人。プラス,所属はインフォテリアジャパンだけど仕事はこっちの中川注4もいる。

宮川:チームは小さいと思う?

江島:うん。でもベスト。3~5人くらいまでが一番いい。

宮川:コミュニケーションで苦労したことはありますか?

江島:あり過ぎて言い尽くせない(笑)。まだできてないものについての話は言語にかかわらず難しいよね。それがさらに英語になるんだからもう手が付けられない。お陰で英語書くのが上達したよ。Trac(注5に書いてるほうが直接話す頻度より多いから,英語の上達曲線もまさにそれに則ってる。

宮川:僕も日本法人で働いてたときは,英語でメールばっかり書いてた。今はエンジニアもプロダクトも増えたから,チームミーティングで発言することも多くなってきたかな。

江島:そういうのいいよね,羨ましい。パブリックな場で喋るのはいいトレーニングになるんじゃない?

宮川:そうだね。とはいいつつミーティングでは一番発言しないかも。ただ,少ないほうがガンガンしゃべる奴より一言の重みが大きい気がする(笑)。

江島:なるほどね(笑)。

注3)
Chris Boone氏。デザインの専門家。
注4)
インフォテリア開発部の中川智史氏。
注5)
ソフトウェア構成管理ツール。コミュニケーション機能も有する。

著者プロフィール

宮川達彦(みやがわたつひこ)

1977神奈川県生まれ。東京大学理学部卒業後,2000年に(株)オン・ザ・エッヂ(現(株)ライブドア)入社,執行役員Chief Technology Architectとして開発などに携わる。2005年よりシックスアパート(株)に入社,現在は米Six Apart, Ltd.に勤務。ニュースコンテンツの再配信サービス「Bulknews」やフィードアグリゲータ「Plagger」の作者であり,日本を代表するPerlハッカーの一人。カンファレンスでの発表だけでなくイベントも数多く運営するなど,精力的に活動している。個人ブログはhttp://blog.bulknews.net/mt/など。

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