Proactive rep! ~担当者によるプロジェクト推進~

第7回 一生懸命やればいいってもんじゃないことを肝に銘じる

2008年11月17日

この記事を読むのに必要な時間:およそ 1.5 分

これまで作業管理について解説してきましたが,今回から働き方や作業自体のより良いやり方を探っていきます。

一生懸命働くことはいつでも有効か?

まず今回は,一生懸命働くことの意味合いを問い直してみます。

一生懸命働くこと,つまり勤勉というのは人間の徳目の一つとして数えられていますが,果たして額面通りに捉えて良いのでしょうか。疑問があります。

例えば,デスマーチという言葉があります。Wikipedia中の「デスマーチ」ページには,以下のような定義が記述されています。

ソフトウェア産業において,デスマーチとは,長時間の残業・徹夜・頻繁な休日出勤といった,プロジェクトメンバーに極端な負荷を強い,しかも成功の可能性が薄いプロジェクトを主に指す。

『Wikipediaデスマーチ 2.ソフトウェア産業でのデスマーチ』より

このような状況に至る前も至った以後も,プロジェクトメンバーは皆ひたすら働き続けます。連日連夜休日も深夜まで働き続けます。これは勤勉に働いていることに他なりません。しかし今後も継続すべき勤勉さといえるのでしょうか。

脱・奴隷の重り自慢

また,以下のような記述もあります。

奴隷が自分の足かせの重りを自慢するかのように過酷な残業を自慢する傾向が見られる場合がある

『Wikipediaデスマーチ 2.ソフトウェア産業でのデスマーチ』より

確かに,理不尽な体験自慢や残業自慢はとても盛り上がります。初対面の人同士で,どれだけ大変なことを経験してきたか,辛い思いをしてきたか,の話題で大いに盛り上がっている場もいくつか見たこともあります。

もちろん辛かった経験自体はよい反省材料にもなりますし,言うことで辛い気持を整理し癒すといった効果もあります。

しかし,話し方を誤ると悪影響を及ぼしてしまいます。しばしば耳にしたのは,「俺はもっと過酷な状況を経てきたのだからお前らはまだまだ甘い」という話です。これを真に受けてしまうと,継続すべきでない勤勉さを継続してしまい,悲劇の再生産に繋がります。行き着く先は,健康を害して働き続けなくなったり,組織が瓦解してしまったりといったことに繋がります。

では,デスマーチ禍を回避できる,良い意味での勤勉さとはどういうものでしょうか。そのキーワードは,「絞り込み」「怠惰」です。

著者プロフィール

こしばとしあき

関西出身自宅料理員兼ソフトウェア開発担当者。金融系業務アプリ開発,レガシー移行,Webサービス開発,画面制御基盤開発など様々な開発現場を経て,最近関東に進出。

アジャイル,ライフハック,プロジェクトファシリテーションに強く関心を持ち,講演も行っている。「ペンポッドで世界へミサイル大会」初代チャンプ。

blog『koeだめ』http://d.hatena.ne.jp/bash0C7/
料理blog『kuiだめ』http://kuidame.4038nullpointer.com/

コメント

コメントの記入

ピックアップ

EC事業者が注目,.shopドメインとドメイン名をとりまく新たな流れ

インターネットの可能性を広げる新たな動きが,ドメイン名をめぐって起こりつつあります。

エンジニア特化型Q&Aサイト「teratail」のトップランカーたちが語る,確実な力を付けるための“質問力”

エンジニア特化型Q&Aサイト「teratail」のトップランカーの方々に集まっていただき,座談会を開催しました。

Webサイトに“安心”をプラス―知らないでは済まされないSSLサーバ証明書の仕組み

いまやユーザといえでも必須の知識となったWeb通信の暗号化と,その信頼性を確保するための「SSL証明書」のしくみについて紹介します。

リクルートライフスタイルの技術力を追え!

ビジネスを拡大し続けるリクルートライフスタイルの技術力を,編集部の徹底取材により紐解きます。

開発スピードに限界を感じたときの処方箋

「JIRA」をはじめとするアトラシアンのツール群。多くのオープンソースソフトウェアを継続して提供する支えとなっている使い易さを探ってみます。

デジタルコンテンツを日本から世界へ―MyCommerceで始める越境EC

自社開発ソフトウェアを海外も含めてオンラインで販売したいというニーズに即したサービス「MyCommerce」を用いて,誰もが手軽に越境ECを実現するためのノウハウを紹介します。

バックナンバー

No12(2009.04)

今回のSoulHackで主に取りあげるのは,梅田望夫の「ウェブ時代をゆく」という本です。

No11(2009.03)

今回のSoulHackで取りあげるのは,阿部謹也の「世間学への招待」と他1冊の本です。

No10(2009.02)

今回のSoulHackで取りあげるのは,山本七平の「空気の研究」という本です。

No9(2009.01)

今回のSoulHackで取りあげるのは,アーノルド・ミンデルの「紛争の心理学」という本です。

No8(2008.12)

今回のSoulHackで取りあげるのは,河合隼雄氏の「カウンセリングを語る」という本です。

No7(2008.11)

特集:2008年度日本OSS貢献者賞受賞者インタビュー

No6(2008.10)

特集:エンジニアの実践的キャリアアップ思考法

No5(2008.09)

特集:事例でわかる,プロジェクトを失敗させない業務分析のコツ

No4(2008.08)

特集:ゼロからはじめるPSP

No3(2008.07)

特集:今こそ使える! プロトタイピング

No2(2008.06)

特集:「開発スタイル」開発法

No1(2008.05)

特集:エンジニアが身につけたい基本スキル 2008

-->