『宿題』とどうつきあうか
前回の「手帳とカレンダーを活かす」では,毎日の予定やイベントをカレンダー型予定表に記入する時のポイントをお話ししました。しかし,皆さんはカレンダー予定表を使う際に,「宿題」の扱いに悩んだことはありませんか。私たちはいつも,仕事やプライベートの上で,“あれをしておかなきゃ”“これは何日までにやる必要がある”といった,締切のある『宿題』を抱えているものです。カレンダーには,こうした自分にとっての「宿題」を,どう書き込んだらよいのでしょうか。
たとえば,来週の月曜日までに販売予測のレポートをまとめろ,と上司に言われたとします。レポート作成には,調べたり書いたりで,2日以上かかりそうです。この場合,締切日である来週の月曜日の欄に「レポート提出」と書き込むだけでは,問題ありです。締切の朝に気がついたのでは間に合いません。予定を忘れないために予定表をつけているのに,これでは役に立たないわけですね。
では,締切2日前である今週木曜日の欄に「レポート着手」と書く,というのはどうでしょう? たしかにこちらの方が少しはベターです。ですが,その場合,提出期限はいつなのかわかりにくい欠点があります。それだけでなく,木曜日の朝になって着手すべきことに気づいても,他の予定等ですぐ着手できなければ,結局締め切りには間に合わないことになります。どうしたらよいでしょうか?
じつは,宿題を忘れずにコントロールできて,しかもカレンダー型予定表とも両立するうまい方法があります。それが『To Doリスト』です。To Doリストは,時間管理術の要になる手法で,予定表はTo Doリストを併用しなければ完全とはいえません。
To Doリストとは「やるべき用事(to do)の一覧」です。自分がかかえる締切つき宿題のことを,タイム・マネジメントでは『タスク』と呼びますが,To Doリストはタスクを列挙したリストです。もっとも,明確な締切はないけれど,近日中に済ませなければならない種類のタスクもあります。いいかえれば,私たちの毎日の仕事とは,誰かに電話をかけるとか,製品Aの昨年度の実績を調べるとか,来週の会議用資料を用意しておくとか,やらなければいけないこまごまとしたタスクの集合体であるとも言えます。
To Doリストの基本原則
To Doリストの基本的な使い方は簡単です。自分が宿題(タスク)をかかえたら,To Doリストに書き込みます。そして,完了したタスクは消していきます。To Doリストがあれば,今やらなければならないことが何か,決して忘れないし,締切日の朝になってあわてる,というようなことはなくなります。
タスクの中には,発生した当日よりもあとの日付からでないと着手できないような種類のものもあります。たとえば,来月の社外講習会に参加予約したいが,予約受付期間は来週にならないとはじまらない,といったケースです。これを「先日付のタスク」と呼びます。また,定期的に発生する種類のタスクもあります。たとえば,毎月25日までに,支払伝票を作成して経理に回す,といったもので,「繰り返し型のタスク」と呼ばれます。To Doリストは,こうしたタイプのタスクも扱う必要があります。
To Doリスト自体は,手帳でもノートでも,あるいはパソコンを使ってもつくれます。ここではノートを例にとって説明しましょう。
横書きノートの1ページに,縦の罫線を引いて7つの欄を作ります。横1行が1つのタスクをあらわす,表の形です。一番左の欄には,タスクの説明を簡単に書きます。このとき,できれば目的語と動詞をふくむ短いワン・センテンスの文章にすることがコツです。たとえば「販売予測レポート」と名詞だけですませずに,「来期の製品別販売予測のレポートを作成する」というように,イメージがわきやすい文にします。
その右の2つの欄は,着手日と締め切り(期限)を書きます。着手日は,さきほど説明した先日付のタスクの場合には必須です。4番目の欄には,必要に応じて「優先度」の記号を書きます。たとえば,数字で1,2,3と優先順位を決めます。余り細かくランク分けせずに,3ランク程度におさめるのが現実的です。というのも,優先度は状況に応じて変わっていくものだからです。
5番目の欄は,締切日以降にもちこしできるかどうかを書きます。タスクの中には,会議発表の資料作成のように,期限の日までにやりそこなうと,二度とできないものがあります。一方,出張報告などは,1日2日遅れても,とにかく提出する必要があります。6番目の欄は,リピート性がある場合に○を記入します。
最後の欄には,タスクに関する補足的なメモを,必要に応じて書きます。たとえば講習会の申込みならば受付場所や電話番号です。このため,少し欄の幅に余裕をとっておく方がいいでしょう。
To Doリストのイメージ
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