「SHIFT UP」――DeNA TechCon 2019,2月6日開催

前編:DeNAのエンジニアリングが社会を変える~DeNA TechCon 2019の見どころに迫る①

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エンジニアの育成とエンジニアの価値

Q:オートモーティブ,ヘルスケア領域は,とくにこれからさらに拡大が予想される事業ですね。事業拡大に伴い,人材の確保も重要と思われますが,そのあたりはどのようにお考えですか?

小林:おっしゃるとおり,人材の確保は最優先課題の1つです。が,現実は,まだまだ人材が足りていないのが実情です。

インターネットに関しては,私たちにも20年の経験と実績があります。ですから,大規模トラフィックを扱ってきたノウハウを活かしながら取り組みます。

一方,オートモーティブ,ヘルスケア,それぞれの専門領域に関しては,私たちは門外漢です。ですので,それぞれの既存領域からの人材確保も行っています。

オートモーティブに関しては,地図データに関するエキスパートですね。最近では,過去,実際に地図を製作していた人間を採用しています。

ヘルスケアでは,創薬をはじめとした専門分野の人材確保です。

いずれにしても,自社に迎え入れることはもちろん,それだけではなく,専門機関や関連企業とのパートナーシップ,アライアンスの組み方がこれからはますます重要になると考えています。

Q:まさに未来をこれからつくる領域への展開をしている最中ですね。小林さんは,この,日進月歩の世界でDeNAエンジニアのチームを率いているわけですが,小林さんにとっての,エンジニアリングで生み出せる“価値”とは何でしょうか?

小林:私たちDeNAの社是に「デライト(大きな喜び)⁠があります。この言葉は,DeNAのミッション・ビジョン,それぞれに含まれています。

「今,不都合なものを,技術で変えられないか」という意識を体現したものです。

その点で,先ほど紹介したオートモーティブはまさに,エンジニアリングで生み出せる⁠価値⁠と言えます。つまり,さまざまな不具合やストレスがある今の道路交通事情を,より良いものに変えるために取り組んでいます。

少し話がそれますが,インターネットやIT企業が新しい事業に取り組むと,よく既存産業のディスラプタ(破壊者)と言われることがあります。しかし,私はそれは違うと思っていて,インターネット・IT企業はイネーブラー(支え手)であると考えていますし,そうなっていきたいと強く思っています。

良い例としては,私たちがオートモーティブ領域に参入した当時,自動車関連のイベントに登壇したときの反応があります。イベントで話す前は,私たちが何をやる企業なのか,怪しまれたり不安がられる感覚がありました。

しかし,実際に登壇して,自分たちが目指していること,実現したいことをきちんと伝えることで,DeNAという会社の役割を理解してもらえたように感じています。これからも,私たちが何を目指しているのか,そのために,私たちができることを,お客様をはじめ多くの方々に伝えていきたいです。TechConはその場の1つです。

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エンジニアにとって働きがいのある組織とは?

Q:続いて,小林さんご自身の話を少し聞かせてください。小林さんが今のポジションになったのは昨年の春でした。そのとき,会社から受けたミッション,また,小林さん自身が目指したものはなんでしょうか?

小林: これまでも話したとおり,会社としては,技術を使って,より良い社会をつくっていくことを目指していました。その中で,私が南場や守安に言われたことは「エンジニアにとって魅力的な会社にして,ものづくりの底力を上げてほしい」といミッションでした。

非常に難しいと思った一方で,やりがいを感じました。

まず,エンジニアにとって魅力的な会社とは何か……を考えたとき,それまでのDeNAでは研究開発から実装まで,事業に紐付いた技術・エンジニアリングを中心に行っていました。そこで,まず,事業ごとの壁を取り払うことで,エンジニアが,さまざまな技術に触れられる環境の整備を進めています。

さらに,TechConという場がすでにあったので,ここで,自分たちが取り組んでいる技術,使用している技術についてオープンに発表し,フィードバックをもらいやすい状況も目指しています。

それらを事業に適用することが,結果的に私たちにとっても大きな財産になるからです。

今のはあくまで一例で,2018年4月に就任してからようやく課題が見えて,まさに課題解決に取り組み始めたところです。

TechConでは,冒頭で述べた今回のテーマ「SHIFT UP」に込めた意味と同じように,オープンな場を提供し,DeNAがどのようにプロダクトやサービスを開発をし運用しているか,それを伝え,来場者の方に何かしらの価値を持ち帰っていただきたいと考えています。

(記事後編の)見どころセッションでも紹介する,Google・AWS両社のセッションでは,クラウドベンダそれぞれのメッセージ,そして,それを利用する私たちのメッセージ,両方を合わせることで,トークを聞いたエンジニアがどのように活用するかのヒントを提供できると思います。

事業展開の観点からも,日本国内からグローバル展開を実現するうえでのクラウドのメリットなども,当事者としての声を伝えられるはずです。

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部(現クロスメディア事業室)に配属。現在,社外活動として電子書籍を考える出版社の会の代表幹事やWebSig 24/7のモデレーター,TechLIONプロデューサーなども務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

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