日々、多くのプログラミングコンテストが開催されているが、全国の小中学生を対象にした大会はめずらしい。
先日3月10日、「第二回全国小中学生プログラミング大会」の開催決定が、都内で発表された。一体どんなコンテストなのだろうか? 大会実行委員のひとり、石戸奈々子氏(NPO法人CANVAS理事長)の司会のもと、概要が明らかとなった。
このコンテストでは決められたテーマに沿って作品を応募する。そして、応募作品の制作に形式は問われない。開発言語やツール、ハードウェアなども自由に利用できる。例えば、Raspberry Pi、KOOVなど市販の電子工作キットも利用できるし、人気ゲームMinecraftでのプログラミングだってOKなので、応募の敷居は非常に低いと言えるだろう。ただし、作品は「すべてオリジナルでプログラミングしたもの(または自身による改良)」に限られるところがポイントだ。
昨年の大会テーマは「ロボットとわたしたち」だったが、第二回のテーマは「こんなのあったらいいな」。前回よりも自由度が高いテーマ設定のため、「発想力」が問われるだろう。そして、「表現力」「技術力」をあわせた3つの審査基準で、作品は評価されるのだ。
コンテストに応募しているのはどんな子供たちなのだろうか? 大会実行委員のひとり、清水亮氏(株式会社UEI代表取締役社長)によると、第一回の参加者は応募総数129名であり、男女比は半々だったという。かつてはオタク少年の独壇場という印象のプログラミングも、現在ではすっかり様変わりして多くの子どもたちに受容されている。そんな実態が浮かび上がる。
変化は、多様な応募作品にも表れている。第一回大会のグランプリを獲得した作品は、「ママロボ ハートちゃん」。かわいらしいデザインながら、マイコン制御によって荷物を運び移動するという、完成度の高い家事手伝いロボットだ。プログラムにはC言語を使用しているというから驚きだ。制作チームは、小学5年生の兄と2年生の双子の姉妹という3人兄妹で構成される。
気になる今大会の作品募集開始は、8月から。大会実行委員のひとり、遠藤諭氏(株式会社角川アスキー総合研究所取締役主席研究員)は「夏休みの自由研究でぜひ作ってほしい」と呼びかける。
大会実行委員長の稲見昌彦氏(東京大学先端科学技術研究センター教授)によれば、自身が様々なコンテストに出場し、その体験が心の支えになったという。この大会を通じて、「未来を支える少年少女たちに恩送りをしたい」と抱負を語る。
第二回全国小中学生プログラミング大会
募集内容 | プログラム(PC、スマートフォン、タブレットで動作するプログラム)
ソフトウェア(アプリ、ゲーム、ムービーなどのソフト)
ハードウェア(ロボット、電子工作などのハードウェア) |
応募資格 | 日本在住の6歳以上15歳以下の小学生・中学生(グループで応募する場合は3人以下)。応募はひとり何作品でも可能。 |
応募期間 | 2017年8/1から9/15まで |
主催 | 全国小中学生プログラミング大会実行委員会 |
共催 | 株式会社朝日新聞社 |
後援 | 文部科学省(予定)、総務省(予定)、経済産業省(予定) |
- 大会サイト
- http://www.lab-kadokawa.com/jjpc/