Adobe MAX 2014最新レポート

第3回 Adobe MAX Sneak Peakで発表された開発中の13の新技術

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Sneak Peaksは,Adobeのラボで開発に取り組んでいる未来のテクノロジーを紹介するAdobe MAXの恒例の目玉イベントです。ここで紹介された新機能は必ずしも製品に組み込まれるものではありません。

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Sneak Peakの来場者にはビールが振る舞われ,13人のアドビのデベロッパが5分の持ち時間で各自のプロジェクトを紹介していきます。プロトタイプ段階のものであっても惜しまず公開してしまうAdobeの懐の深さと,あっと驚く最先端テクノロジーに会場一体となって大盛り上がりでした。

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オープニングにラッセル・ブラウン氏が怪獣に乗って登場,そして去って行きました。

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今回のSneak Peakのホストとして登壇したのは俳優・監督として有名なジョセフ・ゴードンレヴィット氏と,Adobeのシニアディレクターのベン・フォルタ氏。

写真,デザイン,3D,動画,Web,オンラインコミュニティなど,多彩な領域にわたるAdobeの最先端の13プロジェクトが紹介されました。

ProjectLayup

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デザインやプロジェクトレイアウトを簡単に行えるiPadアプリです。指で描いたワイヤフレームに,Creative Cloudのライブラリからアセットを持ってきて配置できるというものです。指でなぞるとレイアウトが自動生成,フォントの編集にも対応し,すべてがひとつのファイルに記録され履歴も残ります。Creative CloudからPhotoshop等に送りそのまま編集することもできます。

PSDWebEditing

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ローカルへのインストールが不要なPhotoshop。PSDをブラウザにドラッグ&ドロップでブラウザから直接編集できるようになります。レイヤを移動したり,シェイプの塗りつぶしをしたり,編集したPSDは,クラウドにアップされオンラインで共有したりローカルに保存することも可能です。

VisualSpeechEditor

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波形を用いたオーディオ編集のスタイルは,この数十年間ずっと変わってきませんでした。そこでよりシンプルでより直感的な全く新しいオーディオ編集アプローチの紹介。音声の種類を色分けして可視化し,人の声や音楽などを視覚的に分離します。もちろん編集も可能です。

ProjectBeacon

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Project Beaconは,Bluetoothベースの位置情報認識技術を用いて,Behanceのアートワークやプロジェクトを現実の世界に披露するものです。街でアートを見つけてもその情報をすぐに検索するのは難しい。そこでアート作品にBeaconをつけることで,近くにBehanceの作品があると,ユーザに通知されます。

Defog

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魔法のようなPhotoshopの「自動かすみ除去」機能を紹介。大気中の風景写真の白くぼんやりしたかすみをとるのは非常に大変です。ボタンひとつで自動で写真のかすみを取り除いたり,逆に付け加えることができ,また水中の写真も鮮やかに蘇らせることができたり,さらにレンズでハレーションをおこした写真も鮮やかにクリアにすることができます。会場大盛り上がりでした。

LiveMobileDev

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最新のWebデザインやレスポンシブなWebページは多種多様なデバイスで閲覧しテストを行う必要があります。LiveMobileDevは新しいWebページのライブプレビュー機能です。デザインを変更した瞬間にクラウドに同期され,様々なデバイスで瞬時に同期されます。たとえばDreamWeaverでスクロールするとChromeでもスクロール。DreamWeaverで編集した結果を瞬時にChromeやiPad,iPhoneですぐに反映させることができます。

ShapeShade

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ベクトル描画,塗りつぶし,パターン用の新しく楽しいツール。これまではIllutratorでハンドルを操作してシェイプを描いていましたが,ShapeShadeシンメトリックなグラフィックも簡単に描けて,シェイプを粘土のように扱えて,さらにパターンも作ることができます。

Time of Day

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写真は,朝・昼・夜と時間によって光が変わります。Time of Dayは,スライダーで時間を変えると,昼の写真を瞬時に夜の写真,夕方の写真を昼や夜の写真にしてしまう魔法のような技術。24時間の映像による400点のタイムラプス動画のアーカイブから光の当たり方を解析し適切な光の時間を見つけて,作成中の写真の光を変えてしまうそうです。MIT Media Labとコラボレーションした機能とのことです。

ProjectPara

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「Para」は,数学や幾何学,プログラミングの知識は不要で魅力的なアートを創りだしてくれます。

イラストレーションをプログラミングで作るのは大変ですが,Paraはマウス操作だけで規則的なイラストレーションが作成できるように。paradrawing.comでオープンソースで公開されています。

ShaperTool

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次世代のIllustratorツールの紹介。15のツールとテンポラリーをひとつに,スナッピングの技術も用いてより直感的にベクターイラストを描くことができます。

3DPhotoMagic

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写真から3D空間を解析し,ある画像に別の画像を付け加えてオブジェクトを自然に配置することができます。

たとえば壁には壁に垂直に,カーペットの斜め位置も遠近感を解析し自動調整し配置します。写真のフォーカスの位置も変えることができるそうです。3Dオブジェクトの遠近感を自動調整して写真に合成,影もきちんと生成,写真の中に3Dアニメーションを合成することもできます。

GapStop

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ジャンプカットのイライラを解消,動画のポーズが自動的に除去されます。たとえばインタビューの言葉の間に間が空くと聞きづらいので,単純にカットすると映像が飛んでしまう。このGapSnapは,音を切っても映像が飛ばないように補完して滑らかに繋ぐ機能。ジャンプカットを自然に繋げるPremiereマジックです。

PhoshopforDesign

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Photoshopの未来のワークスペースを紹介。 Webデザイナーのためにも使いやすいように,ユーザインターフェースや操作をWebデザインに最適化しています。

まさに「Adobe Magic」に相応しい,ワクワクするようなテクノロジーの発表の連続で会場は大盛り上がりでした!

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著者プロフィール

石川真弓(いしかわまゆみ)

ロフトワークの広報PR兼プランナー。FabCafeの広報担当、メディアリレーションの他ロフトワークのコミュニケション戦略プランニングと実施、コラボレーション企画などを行う。またクライアントプロジェクトにおいてもコミュニティデザイン、オウンドメディアからイベント企画、ソーシャルメディア活用やプロモーションなどの企画立案と実施も担当するハイブリッド型PR。

前職はWEB制作会社のWEBプロデューサーとWEBディレクターを経て、シックス・アパート株式会社でマーケティング・マネジャーとして広報・マーケティング活動全般を5年間担当。個人ブログを続けて11年、本業の傍らギズモード・ジャパンなど多数Webメディアのライターを務める。執筆した書籍に『HDR写真 魔法のかけ方レシピ』(2014年 / 技術評論社)。