PyCon JP 2016カンファレンスレポート

1日目オープニング,Jessica McKellar氏基調講演,鷲崎弘宜氏,Seiya Tokui氏の招待講演,注目セッションからLTまで

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1日目招待講演「確率的ニューラルネットの学習とChainerによる実装」―Seiya Tokui

(陶山嶺)

招待講演者としてお招きしたSeiya Tokui氏によるセッション,⁠確率的ニューラルネットの学習とChainerによる実装」を紹介をします。スピーカーのTokui氏は,株式会社Preferred Networksに在籍する深層学習フレームワークChainerのリード開発者で,東京大学の博士課程の学生でもあります。

Seiya Tokui氏

Seiya Tokui氏

会場は立ち見だけでなく,床枠まで使う大盛況!!

会場は立ち見だけでなく,床枠まで使う大盛況!!

このセッションは,前半でTokui氏の研究分野の紹介がありました。 まず,Tokui氏が研究対象としている確率的ニューラルネットの学習についての概要について説明があり,その最適化に対する手法として以下の2つが紹介されました。

  • likelihood-ratio method (with baseline)
  • reparameterization trick

セッションの後半では,前半で紹介した手法について,数式とコード例を交えながらChainerでどのように実装するかの解説が行われました。 また,その中でTrainerというTokui氏が開発し,最近Chainerに追加された機能の紹介もありました。

確率的ニューラルネットについて語るTokui氏

確率的ニューラルネットについて語るTokui氏

セッションの最後では,Tokui氏の研究内容と成果に触れながら,Chainerのいい点として,Numpy, Scipyとの相性の良さをあげられていました。

研究者という立場での講演であったため難しい内容のセッションでしたが,他のセッションでは聞けない招待講演ならではのとても専門的な内容が非常に新鮮でした。

1日目 ライトニングトークから

(陶山嶺)

PyCon JP 2016では,1日目,2日目ともクロージングでライトニングトークを行いました。ここでは,カンファレンス1日目のクロージングから,ライトニングトークを2つ紹介します。

まず1つ目は台湾から参加されていたRenyuan Lyu氏による「Simple KaraOke's Scroring System in Python」です。

Renyuan Lyu氏

Renyuan Lyu氏

カラオケが大好きだというRenyuan氏は,カラオケの採点システムに興味を持ち調査したところ,これが日本限定のサービスだったため,Pythonを使って自分で作ることを決意したそうです。

Renyuan氏の作ったカラオケの採点システムは

  • Python3.5
  • Pygame
  • PyAudio
  • Numpy

で構成されており,YouTubeの音声とマイクからの音声を比較しスコアを計算してくれるというもの。 このシステムはデモムービーで紹介されたのですが,残った時間で実際に本人がデモで歌い始めるという予想外の展開に,とても会場が盛り上がったライトニングトークでした。

2つ目はTomohiro Yoshikawa氏によるライトニングトーク,⁠Python, Astronomy and Kyoto Nijikoubou」を紹介します。 Yoshikawa氏は,メンバー全員が天文学の博士号を持つ天文学者であり起業家でもあるLLP京都虹光房の一員として活躍しており,ライトニングトークでは天文学とPythonの関係についてお話しをされました。

Tomohiro Yoshikawa氏

Tomohiro Yoshikawa氏

PythonはAstropyやPyRAFをはじめとする天文学用のツールが豊富であり,天文学者にもよく利用されているようです。 その具体的な例として,ハワイのマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡の観測制御システムがPython製であることの紹介がありました。

このトークは科学計算やデータ分析,学術的な分野で広く使われているPythonならではだと感じる内容になっており,非常にPythonカンファレンスらしい興味深いトークでした。

―次回は?

1日目のカンファレンスレポート,いかがでしたでしょうか? PyCon JP 2016のカンファレンスは2日間で合計40を超えるセッションがありました。今回紹介できなかったセッションに関しても,次のリンクからビデオや資料を見ることができますので,ぜひご覧ください。

PyCon JP 2016 トーク一覧

次回はカンファレンス2日目のセッション中心を紹介していきます。お楽しみに!

著者プロフィール

橋本安司(はしもとやすし)

CMSコミュニケーションズ勤務。PyCon JP 2015よりWeb担当をしています。

JavaScriptのフロントエンド開発を中心にWebプログラマをしています。ゲーム系のエンタメ誌のエディターや,サブカル系のショップのWebディレクターを経て,20代後半にPython/Djangoに出会い,Webプログラマとなりました。現在は,PythonとJavaScriptの両方をメインに,研究会なども開催しています。

Twitter:@yellow844


陶山嶺(すやまれい)

PyCon JP 2016 公式ガイドアプリのAndroid版の開発,Webシステムを担当。

普段の業務でもiOS/Androidアプリケーションの開発をメインとしているが,学生時代から一番好きな言語はずっとPythonのまま。PyCon JP 2015に一般参加した際,スタッフの動きを見ながら学生時代にイベントの企画を行っていた経験を思い出す。

Python自体に貢献したい気持ちもあったため,PyCon JP 2016ではスタッフとして参加。初スタッフでありながらも,過去の経験を活かして奮闘中。

Twitter:@rhoboro

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